【1日1文献】退院後 10 年が経過した脊髄損傷者の在宅生活での困りごと#脊髄損傷#在宅生活#困りごと

参考文献:退院後 10 年が経過した脊髄損傷者の在宅生活での困りごと
筆者:下仮屋道子,八代 利香
発行日:2020年
掲載元:日本職業・災害医学会会誌 JJOMT Vol. 59, No. 3
検索方法:インターネット
キーワード:脊髄損傷者,在宅生活,リハビリテーション看護

【要旨】
目的:脊髄損傷者がより良い社会生活を送るための支援のあり方を検討するために,退院 後の歳月が生活にもたらす困りごとを明らかにする.

対象:10 年前に回復期リハビリテーション病棟を退院し,現在でも通院している脊髄損傷者 6 名(男性 4 名,女性 2 名,平均年齢 53.3±10.2 歳) 

方法:研究者の作成したインタビューガイドに基づいて半構成的面接を行い,在宅生活での困 りごとについて語ってもらった.
対象者の許可を得て IC レコーダーに録音し,逐語録を作成後, データ化した.
データ分析は,ベレルソンの内容分析法を用い,カテゴリ分類への一致率をスコッ トの式に基づき算出し,信頼性を検討した.

結果:関連する要因として 238 のデータを抽出した.それらを類似した内容でまとめると,「退 院時より持続しているもの」と「退院後 10 年間に新たに出現したもの」に整理され,さらに「地 域・社会に関連するもの」8 カテゴリと,「身体・精神症状に関連するもの」5 カテゴリに分類さ れた

考察:10 年前に回復期リハビリテーション病棟を退院後,引き続き外来通院している脊髄損傷 者の生活にもたらす困りごとには,退院時より持続しているものに加え,新たに出現するものが あることが明らかになった.
新たに困りごとが出現する背景として,①社会情勢の変化,②介護 支援者の減少,③加齢,が考察された. 

結論:看護師は,脊髄損傷者の退院後の生活が,年月により変化することを認識し,生活状況 の確認や自己管理の再指導方法などを見直しながら,継続した支援をしていくことが重要である.

参考URL:
http://www.jsomt.jp/journal/pdf/059030137.pdf 

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