【1日1文献】訪問リハビリテーション終了の機転は何か?#訪問リハビリテーション#リハビリ終了#介護負担

参考文献:訪問リハビリテーション終了の機転は何か?
筆者:井上 拓也武藤 奈穂森 隼人戸田 雄福田 創
発行日:2011年
掲載元:第30回関東甲信越ブロック理学療法士学会
検索方法:インターネット
キーワード:訪問リハビリテーションリハビリ終了介護負担

【目的】 
・介護保険制度の開始以来、在宅分野でのリハビリテーションの需要は年々高まっている。
・訪問リハビリテーション(以下、訪問リハビリ)の利用回数は他の介護保険サービスに比べて低いとされているが、運動機能の向上や在宅生活の継続を目指す上で重要なサービスの一つと考えられる。
・訪問リハビリは医療機関で受けるリハビリのような算定日数の制限などはなく、リハビリを終了する明確な基準というものはないのが実際であり、リハビリ終了の理由は利用者によって様々である。
・本研究の目的は訪問リハビリを終了する理由を明らかにすることである。 

【方法】 
・調査期間は平成22年2月から平成22年9月までとした。
・対象はこの期間に当訪問看護ステーションにて介護保険または医療保険による訪問リハビリを利用し終了となった76名(平均年齢78±9歳、男性30名、女性46名、介護保険利用者74名、医療保険利用者2名)とした。
・調査項目は性別、年齢、介護度(介護保険対象者のみ)、訪問リハビリ終了の理由とし、リハビリカルテより後方視的に調査を行った。
調査は当訪問看護ステーションの倫理規定に基づき、個人が特定されないよう個人情報の保護に配慮して実施した。 

【結果】 
・訪問リハビリ終了の原因として最も多かったのは入院で20名(26.3%)であり、次いで施設入所11名(14.5%)、他サービスへの移行9名(11.8%)、死亡7名(9.2%)、軽快4名(5.3%)、経済的理由3名(3.9%)、他地域への引越し2名(2.6%)、その他20名(26.3%)であった。 

【考察】 
・本研究の結果から、当訪問看護ステーションにおける訪問リハビリ終了の理由で多くを占めたのは、入院・施設入所といった自宅での生活が一時的あるいは長期的に困難となることに伴うものであった。
・また、軽快という明らかに積極的な理由での訪問リハビリ終了を除いた場合、入院・死亡(合計27名、35.5%)に代表されるような状態の悪化に伴う終了と、施設入所・他サービスへの移行・経済的理由(合計23名、30.3%)に表されるような介護者の負担軽減が目的と推察される終了とに大別されるのではないかと考えられる。 

【まとめ】 
・長年住み慣れた自宅での生活を希望する高齢者は多い。
・在宅生活をより長く継続するためにも、訪問リハビリ終了の原因として本研究の結果から示唆された状態の悪化や介護者の負担軽減を考慮しながら、我々理学療法士が訪問リハビリの中でどのようなサービスを提供できるのかを考えていく必要がある。

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ptkanbloc/30/0/30_0_145/_article/-char/ja/ 


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