一人芝居・戯曲『30分前の3分間』
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一人芝居・戯曲『30分前の3分間』

2021年6月29日、渋谷道玄坂のライブハウスで開催されたイベント「701号室」内で上演する為に書き下ろした戯曲です。僕がやってるのは「芝居じゃない」とか「喋ってるだけ」とか良く言われるので、イベントの開場時刻の前にこの戯曲をここに掲載させて頂きました。僕なりに脚本をインプットした後に文字が見えない様に生っぽく自然体で演じる事に集中しています。自分が演じる為に書いた雑なセリフだけど、イベントにいらしてた方は答え合わせみたく読んでもらったらいいし、来ていなかった方々にも楽しんでいただけたらと想います。


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     林が舞台に上がり、観客に向かって話始める。

で、ですね、これから、ここで、僕が一人芝居をやらせていただくという運びなんですけど、ちょっとその前にもう少しだけ、聞いて欲しいことがありまして、気を楽に見ていただきたいというか、聞いていただきたいんですけど・・

一人芝居なんて、僕もなかなかやる機会はないんで
緊張しちゃうんですけど、ま、緊張はしないんですけど・・

今日僕のことが初めてだ、という方もいらっしゃると思うんで・・
林灰ニと申します
乙女座のB型です、松本人志と同じなんです
8月26日生まれです、これはミスターチルドレンのベースの人と同じです
好きなテレビ番組は、イノッチに司会が変わってからの「アド街ック天国」です
どうぞよろしくお願いします
・・・・張り切って自己紹介したら、そんな感じ?
聞かされるの2回目みたいなテンションじゃないですか?
ついてきてくださいね。一人芝居なんでこの後も僕ですからね

僕は普段、下北沢で芝居をしてるんですけど
今日は、渋谷のライブハウスでやらせていただけるとのことで、
アウェイになることを覚悟してきたんですけど・・・・
すごく優しいお客さんばかりがお集まりいただいている様で安心しました
ちょっととっつきにくい種類のバンドの演奏のあとなんで、
皆さんも、僕みたいなとっつきやすそうな奴が出てきて、安心してるんじゃないかなと想います

    席を立ち、出口に向かう客が居る。

え〜、もう帰ります?僕の芝居観ていかないですか?

    客が「ちょっとお手洗いに」と答え立ち去る客。

じゃあ、しょうがない、ごゆっくりどうぞ
あの〜トイレに行きたいぞって方は、挙手制でいきますので、手をあげてください
トイレ前が密にならないように僕が順番に案内します

これからお芝居を観ていただく前に、ちょっと聞いてもらいたいというか・・
踏まえてもらいたいことがありまして、ちょっとそれを先に伝えるために

    林、ポケットを探りメモを探している。

メモに書いておいたんですけど・・・
メモが・・あれ?・・ポケットに入れたはずなんですけど〜ないですね、やばいぞ
あれ〜、しょうがないか・・
何を書いていたかというと、全然覚えられないからメモに書いたんですけど・・
メモ知らないですか?(一列目の客に聞く)
諦めて、始めるしかないですね・・マジか〜・・・

    ギプスをはめた右手が痛む様子。

これ気になりますよね、めちゃくちゃ痛いんですよ・・
複雑骨折してしまいまして、
今立ってるのも不思議なくらいです
芝居の前に言っちゃうと、言い訳になっちゃうんで嫌なんですけど
今日はこの痛みので、若干芝居の完成度が落ちるかも知れないです
その場合はどうか温かい目でみていただけたらと想います

どうして複雑骨折したかって言うと・・今週手術なんですけど
とても複雑な話なんですけど・・
交通事故的なやつなんですけど・・
事故的って曖昧な言い方をしたのは・・
すげぇ腹が立つ話なんですけど・・
先に駆け足で話していいですか?
芝居中、何で怪我してんだろうってみんなも気になっちゃうと想うんで
だからばーっとこれ話したら芝居やらせていただくんで・・

ただこれはあくまで僕の視点からの話しなので、
本当は誰が悪いのか?とか、何が事実か?とか
自由に、皆さんに考えていただいて、
何を信じるかを判断してもらえたらと想います

あの〜、つい3日前なんですけど・・
昼すぎまで寝てて、休みだったんで
腹が減って起きたんですけど
天津飯本舗のとろ〜り卵の天津飯がどうしても食べたくなって
ウーバーイーツで頼もうかなって想ったんですけど、何気に高いですよね
直接行ってテイクアウトしたほうが安いよなって想って
ボサボサな髪の毛のまま、
原チャリに跨って、原チャリなら5分くらいで駅前の天津飯本舗に行けるんで・・・

駅までの途中に大きい会社があって、その脇道に信号機のない横断歩道があるんですけど、
小学校3年生か、4年生くらい、10歳くらいかな
ランドセル背負った女の子が横断歩道渡ろうとして立ってたんですね

皆さんも東京か、東京の近辺に住んでるでしょうから
当たり前ってなってるかもしれないですけど
信号機のない横断歩道で、止まってくれる車ってまずないてますよね?
歩行者側が、車が途切れるの待つのが当たり前になってるじゃないですか
おそらく、大袈裟じゃなく止まってくれる車って10台に1台だと想うんです
で、僕、その10台に1台なんですよ
自分が散歩してる時に、止まってくれない車すごい嫌なんで止まるようにしてるんですけど・・
だからその時も当然のように止まったんです

その女の子もよく出来た子で、
僕と顔をみて
「あ、止まってくれてありがとうございます」と深々とお辞儀してきて、
そんでさらに、「すぐに渡りますんで」みたいな駆け足で横断歩道を渡りはじめたんですよ
本来なら、歩行者優先なんだから堂々と渡っていいのに、
そんな小さな子供にまで、逆の気を使わせてる社会ってもっと正すところありますよね

で、女の子が横断歩道渡ろうって車道に出た時に、
僕の後ろから、
ぷっぷーてクラクションが鳴って
振り向いたら
仕事中で急いでるのか知らないけど、白い車が僕を追い越してきて
まるで、「何、信号ないところでとまってんだよ!」って言ってはないですけど、
言ってる感じに、すごいスピードを緩めずに僕を追い抜いてきたんですよ

一瞬の出来事だったんですけど
その白い車からは僕が壁になって、女の子は見えてなかっただろうし、
女の子は僕に気を使って駆け足で渡ろうとしてる
事故になるぞって想って、
必死に原チャを投げ捨てて女の子にダイブしたんです

結果から言うと、大事故にはならずにすんで
車は、僕とその女の子を避けて、すごいスピードのまま行っちゃって・・
ダイブした僕は横断歩道のはるか手前で前のめりに倒れてて、
僕に投げ捨てられた原チャは歩道の段差に横たわり、女の子は横断歩道渡らずにうずくまってて、
クラクションで驚いて転んだんだと想うんですけど、
駆け寄って起こしたら、
膝の外側がぱっくり切れてて、
転んだ時に石でも刺さったのかな・・
すぐに僕が救急車呼んで、その子のランドセルの横にも小学校のかーどみたいの入ってたから学校にも電話して、
まあまあな人だかりができて大変だったんですけど・・

女の子もすっごい健気で、
そんな血は出てなかったけど、めちゃくちゃ切れてたんで痛かったろうに、
でも一切泣かずに必死に下唇噛んで堪えてて、
切なかったですよ
五木ひろしのモノマネみたいな顔したまま救急車に運ばれてって・・

その後の事はわからないんですけど、
ただ察するに怪我もひどかったんでたくさん縫ったでしょうし、
多分跡に残るような傷になったと想うんです

で、これムカつくのが、
この出来事の一部始終をその白い車の奴は 何も知らないじゃないですか
それは本当解せん、と想ってるんですけど

で、僕なんですけど、この時点で、なんと無傷です
もう折れてると想いました?
まだ折れてませんよ
そしてこの時点で天津飯を食べたい気持ちも折れてなくて・・・
いや、とんだ災難にあったなあって想いながら
倒れてる原チャを起こそうと右手でひっぱた時にボキッ!てすごい音が手首からなって、
病院行ったら、複雑骨折してました。今週手術です・・自費で

これ切ないのがさ、
もし僕が横断歩道で止まらないで、直進してたら
その子も僕も怪我しなかったって事じゃないですか
じゃあ僕が悪かったのかって話なんです

とても考えることの多い話だなぁと想ってます・・
もう今日はこれを一人芝居の代わりに持って帰っていただいてもいいんじゃないかと想います

意外と「もうそれでいいかも」みたくなってる人いますよね
あの、最初から僕の1人芝居興味ない人もいるでしょ
まあ、それをひっくり返すのが僕なんで・・自信満々でしょ?
じゃあやってみせろよって言われちゃいますけどね
・・そう言われるとやりにくいんだよな

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演劇をきっと今日まで観たことない人ってこの中にも居ると想うんです
そう言う人は観る機会があってもきっとなんかそそられなかったってことですよね
それもわかるんですよね
演劇に嫌悪感を抱く人のイメージって
髪の毛を染めた日本人が「やあ、ディランだよ」って外国人役を
通常よりハキハキした日本語で演じるみたいな大袈裟なやつですよね

僕がやってる演劇はそれとは違うけど
100%違うか問われたら
僕も少なからずそういうところあるかもしれないです

物語は所詮は誰かの想像で造られた世界だから
リアルでは有り得ない、不思議なことがおこったりするし、
都合の良い奇跡が起こったりするし、それが茶番で馬鹿馬鹿しいって
想われてしまうのは、演劇をやってる僕たちでも、まぁそうかなって想うんですよね

ただ、じゃあ今の現実がどうなのって考えてもらえば、
常識ではあり得ないような不思議なことや
まるでみんなの為にはならない事がいっぱいあって、これって誰の為なの?ってそれこそ茶番だらけで、
1年半前に誰が想像できてたかっていう世の中になっていますよね
え〜・・現実は小説より奇なり・・誰の言葉か知らないけど、まさにそれで、
コントみたいな出来事がいっぱいですよね

こんなにアクリル板を色んなところで見る日が来ると想ってました?
どこ行ってもありますよね
しかも何と何を隔てるために立ってるのかわからない小さな透明の板が至るところにある

僕らが変わった事もあって、
フリスク・・
前まではフリスク頂戴って言われた時、
他人の掌に出しすぎたフリスクを自分の指で摘んで平気で食べてたじゃないですか
今だと考えられないですよね
これって流行病が終息した後にも、
平気には戻らない気しますけど
僕は無理なんじゃないかなって想ってる

あとパン屋さんのパンって
自分で盆みたいなの持ってトングで取るの楽しいじゃないですか?
でも最近ってパンがラップに包まれて個包装されてますよね
トング要らないんじゃないかと想うんですけど・・
一応ラップで包まれてるパンをトングで挟んでますけど
これも終息した後は
またラップがなくなるのか、
それかラップが常識になってトングを使わなくなるってことないかな?

例えばもう大丈夫だからって
マスクを外す人もいれば
いや、でも心配だし、他の利点もあるからってマスクを外さないままの人もきっといて
そうすると
マスクを外さない人の中で、外す人をには近づきたくないって嫌う人が出てきたり、
本当は外したいけど、嫌われたくないから外さないって人が出てきたり、
人のマスクを無理やり外そうとする人が出てきたり
元に戻った時には同じ場所に戻るんじゃなくて
心がバラバラになってる可能性もありますよね。

例えば1年後の事って
みんな知らないじゃないですか
だから想像するしかないでしょ?
僕もたくさん想像して、
想像を寄せ集めて、物語を作って、芝居をやってるんですけど・・

メモがないせいで、
簡潔に伝えようって想っていたことを
ここまで、長々と話しても、まとめられず
驚くことに芝居もまだ始めずに、カオスなステージになってますけど・・

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ここで勇気を持って一つ皆様に謝らないといけないことがありまして・・・
僕一つ嘘をついてました・・
なんだと想います?
芝居は結局やるやる詐欺で本当はやらないって言うんじゃないです
それはない、芝居はやります

じゃあ何かと言いますと、
さっき事故的なやつで、腕を複雑骨折した話たんですけど・・
(・・ギプスと包帯の隙間にメモを見つける)

ああ、ここにメモあった!
ギプスの間に挟んだんでした!今頃出てきたー!もう1回やり直していいですか!
箇条書きの一番上に書いてるのが、
「簡潔に冒頭5分くらいでまとめ話す」って書いてる
もう遅いよ!
時間が戻せたらいいんですけど、無理なんでこの反省を次に生かします
メモは記念にどうぞ、可愛い柄だから
(一列目の客に渡す)

で、なんでしたっけ・・あ、嘘だ
僕が複雑骨折した交通事故的な出来事が・・まるまる嘘なんです

白い車が後ろから走ってきたって言ったんですけど、いないんですそんな車
なんで、女の子は怪我しませんでした
ていうか女の子なんていないんで・・
大体僕原チャリなんて乗らないです・・
天津飯本舗って何?
なんだそれ聞いたことないよ
川崎にはめちゃくちゃ王将あるから
王将の天津飯うまいし安いしハンパないんで
そんなとこで天津飯一本で店開こうなんて無謀すぎるんで絶対ないです
ということで・・
僕の、腕も、折れて、ま、せん

これは腕を骨折してる男の芝居するための小道具というか衣装なんで
別に工藤静香の動きもめっちゃくちゃ出来ます

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お客さんに嘘をつきたい訳じゃないんです
でも本当のことが何か知りたくて・・嘘をついてしまいました

例えば、さっき僕がついた嘘の話の中で、
横断歩道で止まらなかったのが白い車って僕は言いましたけど、
話を聞いた時、みんなのイメージの中で、
白い車の形ってどんなのでしたか?
ワンボックスを想像した人は?
軽四の小さい白い車は?
運転してるのが女の人を想像した人は?
いますよね、そうですよね
同じ話を聞いても、こうやってみんなのイメージって食い違って行きますよね
どんなに想像を膨らませても
難しいですよね
僕らが一つの幸福とか正義を作るのって、本当難しいよな
ってことを
すげーこの1年の間に僕考えてて、
みんなもそうだと想うけど
家に閉じこもって、終わりが見えない緊急事態宣言の中、
人にとって本当に必要なものが何かが問われるような時期でもありましたよね?
芝居も音楽も芸術も後回しにされて・・、まあわかるけど・・・

僕の話した事故の話は嘘なんですけど・・
本当だと信じて聞いてくれた人は、
僕の話を聞いて、白い車に腹たちませんでした?
足を怪我した女の子のこと可哀想って心配になりませんでした?
想像で作った嘘の話なのに、心は動くんですよね
僕の物語は嘘でも、皆さんが可哀想って想った優しい気持ちは本当じゃないですか

これってすごい事だよなって想っていて、
だから芸術ってやる意味あるよなって考えてて・・
つまり何が本当なのかは大切じゃなくて、何を信じるかだよなって・・想ってたんです

僕らが今当たり前に本当だって想ってることだって
いつひっくり返されるかわからない
それ違うよって、言われる事も出てくると想うんですよね

何でもいいんですけど、
ある日どっかの偉い人がスーツ着てテレビで出てきて
「実は月は嘘でした」って発表するかもしれないし・・
それを聞かされた時は僕ら驚くだろうけど・・
でも確かにあんな毎日大きさも色も形も違うもんが
正確に片側だけをこっち側に向けて
空に浮かんでる方が不自然だよなって考えるようになるかもしれないし
若い奴らは受け入れるのも早いから、
「月、嘘なの?ああプロジェクションマッピングですか?」
みたく言う日がくるかも・・とか、

コロナ嘘でした
ってなるかもしれないし
ワクチン嘘でした
って言われるかもしれないし

なんとなく、根拠もなく最初から
「本当」だって思い込んでることが僕ら多くて
だから
自分をちゃんと信じないとダメだよなって想って・・
想ったって事を芝居をやる前に
もっとうまく伝えたかったんですけど・・・上手く出来なくて・・

あの〜ここまできて話すことじゃないんですけど、
実は、今日持ち時間を30分頂いています。
数週間前に、今日のイベントで芝居をしてくれと依頼があリまして、
全然やらせてくださいということで、
それで僕も今日の為に
上演する芝居を用意してちゃんと稽古してきたんですけど、
それがどうやっても大体3分くらいしかないんです

今日、昼過ぎにここに来たんですけど、
リハーサルの前に持ち時間が30分ってことを知って、
もちろん僕も驚いて、
3分じゃダメですか?って言ったんだけど、
それはまずいって、真顔で言われまして、
あまりに大人が大人に真顔で言われたんで色々考えたんですけど

3分の芝居を,
めちゃくちゃスローモーションでやったらなんとかなるかな?
でも、カップラーメンも30分放っておいたら
ぼがぼがになって何食べてるわからないもんになるだろうしな、
これはないなって想って、

じゃあ改めて新しい演目を探して、稽古しようかな、と思ったけど
もう時間もないし、
まるで本番前の役者が見る夢みたいな話が現実に起こって、
考えが何もまとまらないまま
開演時間が来ちゃいまして・・・
とりあえず舞台に上がっちまえってことで
出てきてからここまで、
皆さんにご覧いただいた通りです

そして、幾多の困難を乗り越えてようやく残り時間も良い頃に辿り着きましたよ、
丁度いいお時間になりました
最後に3分の芝居やって、
びしっとまとめて終わりってにしたいと考えております

拍手は、3分後、芝居が終わってからでいいんで・・・
って言いながら、ここから始めるにはなかなか勇気のいる空気ですけど、やりますね

もしよかったら、下北沢にも遊びに来てくださいね
一人じゃなくて、他の役者たちともっと長い芝居やってるんで・・


では、ギプスを右手にはめまして・・複雑骨折して・・ます

有名ではないですけど、
皆様も知っている芝居の脚本です
演劇が・・・・、
芸術が・・・・、
社会や個人に何を訴えてて、
何を変える力があるのかとか・・・・

じゃあ、やりますね。お願いします。

【照明】・・・暗転。〜明転。

     林が舞台に上がり、観客に向かって話始める。

で、ですね、これから、ここで、・・僕が一人芝居をやらせていただくという運びなんですけど・・・

ちょっとその前にもう少しだけ、聞いて欲しいことがありまして、

気を楽に見ていただきたいというか、聞いていただきたいんですけど・・

一人芝居なんて、僕もなかなかやる機会はないんで
緊張しちゃうんですけど、ま、緊張はしないんですけど・・

今日僕のことが初めてだ、という方もいらっしゃると思うんで・・
林灰ニと申します
乙女座のB型です、これ松本人志と同じなんです
8月26日生まれです、これはミスターチルドレンのベースの人と同じです
好きなテレビ番組は、イノッチに司会が変わってからの「アド街ック天国」です
どうぞよろしくお願いします

張り切って自己紹介したら、そんな感じ・・
聞かされるの2回目みたいなテンションじゃないですか?
ついてきてくださいね。一人芝居なんでこの後も僕ですからね

僕は普段、下北沢で芝居をしてるんですけど
今日は、渋谷のライブハウスでやらせていただけるとのことで、
アウェイになることを覚悟してきたんですけど・・・・
すごく優しいお客さんばかりがお集まりいただいている様で安心しました
ちょっととっつきにくい種類のバンドの演奏のあとなんで、
皆さんも、僕みたいなとっつきやすそうな奴が出てきて、安心してるんじゃないかなと想います

     席を立ち、出口に向かう客が居る。

え〜、もう帰ります?
僕の芝居観ていかないですか?

     客が「ちょっとお手洗いに」と答え立ち去る客。

じゃあ、しょうがない
ごゆっくりどうぞ
あの〜トイレに行きたいぞって方は、
挙手制でいきますので、手をあげてください
トイレ前が密にならないように僕が順番に案内します

これからお芝居を観ていただく前に、
ちょっと聞いてもらいたいというか・・
踏まえてもらいたいことがありまして・・
ちょっとそれを先に伝えるために

     林、何やらポケットを探りメモを探している。

メモに書いておいたんですけど・・・
メモが・・あれ?・・ポケットに入れたはずなんですけど〜ないですね、やばいぞ
あれ〜、しょうがないか・・
何を書いていたかというと、全然覚えられないからメモに書いたんですけど・・
メモ知らないですか?(一列目の客に聞く)
・・・諦めて、始めるしかないですね・・
マジか〜・・・よし

     ギプスをはめた右手が痛む様子。

これ気になりますよね、めちゃくちゃ痛いんですよ・・
複雑骨折してしまいまして、
今立ってるのも不思議なくらいです
芝居の前に言っちゃうと、言い訳になっちゃうんで嫌なんですけど
今日はこの痛みので、若干芝居の完成度が落ちるかも知れないです
その場合はどうか温かい目でみていただけたらと思います。

あの、どうして複雑骨折したかって言うと・・今週手術なんですけど
とても複雑な話なんですけど・・
交通事故的なやつなんですけど・・
事故的って曖昧な言い方をしたのは、
すげぇ腹が立つ話なんですけど・・
先に駆け足で話していいですか?
芝居中、みんなも気になっちゃうと想うんで
何で怪我してんだろうって
だからばーっとこれ話したら
芝居やらせていただくんで・・

あの〜、ですね
これはあくまで僕の視点からの話しなので、
本当は
誰が悪いのか?とか
何が事実か?とか
自由に、皆さんに考えていただいて、
何を信じるかを判断してもらえたらと想います

あの〜、

【照明】・・・暗転。〜明転。

    カーテンコール。お辞儀。

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以上、「30分前の3分間」という一人芝居の脚本です。
芝居をするために舞台に上がる男の一人芝居の脚本です。
読んでいただいて有難うございます。戯曲なんて言えるものじゃないですけど、もしも使いたい方がいらしたら発表会でも稽古にでも自由に変えて使ってもいいですよ。
6月30日(水)
昨日の写真を数点掲載させて頂きました。

7月2日(金)
本作品の動画が期間限定で公開されました。
林灰二が「語り」で観客を巻き込むアトラクション。
お時間許す時に脚本と共にご覧ください。



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