見出し画像

一周忌

5月3日は大切な人の命日でした。

この日を迎えることにとても恐れを抱いておりましたが、周りの方々の支えもあって、思ったよりもどん底な気持ちにならずに過ごせております。

さて、最近私は、死をタブー視し続けるからこそ死を悲しきものと捉えてしまうのであって、科学、哲学、死生学、宗教学など、あらゆる学問的視点から死を考えることで、必ずしも死が悲しきことに終着するのではなくなるのではと考えています。

例えば、仏教の考えでは「生」は生命が顕在化している状態、「死」は冥伏し潜在化している状態のことをいい、仏の智慧から見れば、生命は過去から現在、そして未来に向かって、生死のリズムを波のように永遠に繰り返しているといいます。
また、自身が執刀した患者の臨死体験から、肉体とは別に「魂」や「あの世」が存在することを確実視している医学者もいます。

そうだとすれば、あの日あの時に彼女が亡くなってしまったことは、私よりも先に「生」の波が穏やかになった状態になって「魂」だけの存在になっただけであり、決して彼女自身が滅びたわけではないと信じるきっかけになります。
私自身は無宗教ですし、学問にも疎いですが、都合のいい考え方を選択して自分を納得させることも、グリーフケアのひとつといえるのではないでしょうか。

ところで、彼女は雨女で、2人でお出かけをしたときは何かと雨が降る日が多かったのですが、昨日は一日快晴が続きました。
彼女が作った曲に「太陽のほほえみ」という曲があります。もしかしたら、昨日ばかりは5月の春の太陽のように天国から優しくほほえんでいてくれたのかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?