C97イラストメイキング(仕上げ編)
総コン Advent Calender 2019 の23日目の記事です。
0. はじめに
こんにちは。パンプキンです🎃
今回は、コミックマーケット97に寄稿させていただいたイラストのメイキングを「ラフ」「色塗り」「仕上げ」の3回に分けて紹介していきたいと思います。
今回は最後の「仕上げ」についての記事です。
簡潔にまとめると
これが
こうなります。
1. ベンチを描く
まずはベンチを描きます。背景は基本的に線画は描かずにそのまま色を置きます。
乗算で影を乗せます。
ベンチの溝っぽいのを透明水彩で描きます。
濃さは不均一な方が良さそうです。
溝に合わせて下地の色を消します。
一気にベンチっぽくなりました。
質感を出すために薄く影を塗ります。
ハイライトを入れます。
細い線は木目ブラシを使いました。
ベンチの下の影を描きます。
これでベンチは完成です。
あとで結構暗くしていく予定なので、背景はあまり描きこまないでいきます。
2. 残りの背景を描く
次に近くのタイルを描いていきます。
タイルは地面タイルブラシを使わせていただきました。
パースが少し気になりますが見ないふりをします。
手前のタイルに影をつけて、少し立体感を出します。
これ絶対ないほうがよかった(後悔)
透明水彩ブラシで意味もなく影をつけてそれっぽく見えるように調整します。色調補正レイヤーで色合いも少し変えます。
木と道路を頑張って描きます。手前の木だけ解像度高めに描きます。
この辺りから「どうせあんまり見えなくなるし…」と塗りがだんだん雑になってきます。
道路の奥を描きます。
表参道あたりのショッピングモールの雰囲気をリファーしてます。
床は先程の地面タイルブラシを使います。
ここもパースがしっくりきませんがそのまま進めます。
透明水彩ブラシで影や光を描いて空気感(?)を出していきます。
(左のほうにある黒いのは「のれん」です。あとで人物に隠れるのでだいぶ適当になってしまいました。)
木より後ろの背景をぼかして人物をのせます。手前のタイル床も後ろの背景に合わせて少し薄くしてなじませました。
ベンチのあたりに影を描いて背景は完成です。
3. 加工する
全体の雰囲気を整えながら加工していきます。
まずは線画の主張が強いところにクリッピングマスクで線に色をつけ馴染ませます。色は、近辺の色を少し濃くしたものを使います。
人物を整えたら、背景にクリスマスっぽい雰囲気を持たせていきます。
まずは、夜っぽくしたいので全体を暗い青の乗算で塗りつぶします。
人物が埋もれてしまうので、人の部分だけ透明水彩の透明色でうっすら消します。
手前に透明水彩で白い息を描きます。一気に寒そうな感じになりました。
覆い焼き(発光)レイヤーでキラキラ粒子ブラシで木にイルミネーションをつけます。左手前は、同じレイヤーを何回も複製して発光レイヤーを重ねたら少し焼けたような感じになりました。
右側が寂しかったのでこちらにも同じようにイルミネーションをつけます。
透明水彩で右側の後ろの方も少し暗くしています。
イルミブラシを使って手前に丸ボケを描きます。
不透明度の違う2レイヤーを使うことで薄い玉ボケと濃い玉ボケを作りました。
(さっきのキラキラ粒子ブラシもだけどこのブラシ無料なのすごい…)
オレンジの透明水彩で全体的にオーバーレイをかけ、オレンジ感を強くします。
クリスマス感が足りないなと思ったのでガウスぼかしをかけた赤と緑のイルミブラシ(覆い焼き(発光))を後ろに足します。
明るくしすぎたので、青色の透明水彩(乗算)で後ろの背景を少し暗くします
全体を黄色で覆い焼き(発光)します。
最後に、髪の毛の明るい部分から後れ毛を伸ばして完成です!
4. まとめ
こちらが加工のビフォーアフターになります。
色味を整えたり、という加工は初めてしたのですが、めちゃくちゃ雰囲気が変わって自分でもびっくりです。
今回はクリスマスっぽい感じにしたかったので赤・オレンジ色をメインに色味を整えていきました。やっぱりシチュエーションものなど雰囲気を重視したイラストを描く際は加工がめちゃくちゃ大事ですね。
また、イルミブラシなどのアセットは今回初めて使ってみたのですが、作業時間が格段に短縮される他絵の完成度も上がるので必要なブラシが配布されていたら絶対使うべきだと思います。
それでは、3部構成とだいぶ長くなってしまいましたが今回のメイキングはこれで終わりになります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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