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心の中の悪魔

 
僕は心の奥底に自分でも引くくらいの制御不能な悪魔を飼っています。そんな変なエピソードを1つ。

大学1年生4月初期。入りたてのサークルの同期会がありました。1年生の同期全員が初対面の状況で当たり障りない会話を続けていました。トークの上澄みだけを楽しんで一切カラメルに到達しない会話の中、みんなの年齢が何歳なのかという話題になり、まぁ現役生がただただ魔女狩りのように浪人生をあぶり出す時間なのですが。順番に浪人生が火あぶられていく最中、もちろん浪人の僕も震えていました。

友達と知り合いの間の奴:「じゃ、あなたは何歳?」
僕:「数え年で4歳。」

勝手に悪魔が僕の代わりに答えていました。不思議キャラを演じたかったわけでもなく、大学デビューをかましたかったわけでもなく、「大学生風」を目指している嘘の空気感に腹が立ったからでもないのに。僕の内にいる悪魔の檻の鍵を閉め忘れていたことで唇とベロのタッグは謎の失言をしていました。

一同:「え、、、、、」

大学生初心者の楽しい同期会の場で初めて音が無くなり、誰もが固唾を飲んでいました。僕の視界はグラグラと揺らいで本当に4歳になるところでした。

僕:「あぁ、いやいや19!19!、浪人浪人(笑)」

もうどうにもならない情けないフォローをして、自ら油を塗りたくりマッチを擦りました。
その後の4年間で名誉挽回に成功しましたが、4年生ラストの卒業式にて大きな悪魔が再び現れたのはまた別のお話。

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