神戸市の予算書を読んで

神戸市の予算書を読みました。隅から隅まで読んだつもり。

私は、神戸出身なので、贔屓目が入っていますが、市長以下、神戸市役所は凄い!と思いました。


以下、ポイント。


1 総額2兆円弱。今まで、見ていなかったけど、結構、大きいね。

 →これって、影響力を持てる数字だし、マネジメントの知恵が出せる規模。


2 阪神大震災で、市の財政がグチャグチャになっちゃったのを、凄い勢いで回復していたのは知ってた。ただ、それが政令指定都市の平均まで来たら、無理のない筋肉質への変換は遂げながらも、前向き投資への余力を増やしていってたのは、驚き

 →財政再建のお手本のような振る舞い


3 行政としての抑えるべきことは、きっちりと抑えている。

 →医療、防犯、各種支援などの安心のための基本行動は、項目を羅列した上で、きっちり抑えている


4 生活保護、高齢者支援の費用を、一貫して増やし続けている。特に生活保護。

 →これは数年前からの窓口対応の方針変更に伴うものでしょう(生活保護を断らない)。これが神戸市が特に積極的なのか、他の地方行政も同じなのかはわからない。


それで、ここからが課題のところ。地位が沈んでいった神戸市の未来を、どう描くか。既存施設への維持と投資を含む2000億円ぐらいを、どう配分するか。


おそらく、課題は5つと思っていたら、その通りの事が読み取れた。神戸市の意図とは違うかもしれないけど、私なりにまとめると


1 老朽化した、ROIが明らかに低いエリアへも、施設更新、追加投資費用をどの程度、配分するか?

 →地域住民の反発を招かない程度に、なるべく抑え込もうとしているのは、数字から読み取れる。特に長田と西神は見て見ぬふりだねえ。


2 都心エリア(三ノ宮)をどう回復させるか?

 →投資額だけではなく、JR西を巻き込んでの駅ビル建て直し(阪急側は既にやったね)や建築基準変更などを伴うのが良いですね。JR西の説得は大変だっただろうね。

 →ただ、これだけで本当に持ち上がるのか。何らかの不動産ファンドを巻き込むと、よりレバレッジが効く。というか、きかさないと商業機能が戻らない。


3 神戸空港への本格投資開始

 →これは、神戸空港の位置づけが関空、伊丹国交省との協議結果で決着がついたので、予定通りですね。

 →大きな出来事だと思いますが、三ノ宮(都心エリア)復活が無いと、波及効果は無いですよ


4 医療産業都市構想を、今後、どうするか?

 これが、神戸市にとっては、最大の希望だったのでは?

 20年ぐらい前、当時、ドリームインキュベータにいた時に神戸市役所の人がいらっしゃいました。クラスター(焦点を絞った産業集積構造の発展)の研究をしていて、神戸は医療を選ぼうとしている、と。物凄く良い切口でした。そして、神戸中央市民病院を高度化するにとどまらず、先端医療の病院を作り(父がお世話になりました)、理研のセンターを作り、ベンチャー支援を行い。ポイントは抑えてやったと思う。かなりの物を築いたのは事実。でも大成功とも言えないのも事実。

 ただ、これは本当に花開くには時間がかかるということだと思う。京大iPS研が、短期では大成功とは、程遠く、予算削減に直面したのと同じ。

 時間をかけてやるしかない。今回の予算書では、神戸市がどう考えているのか、私には分からなかった。どうか、根気強くやり続けますように。

 海外からの高度医療を必要とする患者の呼び込み含め、医療保険の枠組みを外れて考えて。


5 明るい未来を、どう描くか

 まだ描けていない。里山?海と山?グローバル企業誘致?

 多分、見えないから、色々とネタを張って、何が目が出るか見極めよう、なのかな?

 でも、そのためには、必殺立ち上げ人、みたいな人が必要だよ。それは配置できているか?

2 三ノ宮 5 次の夢

でどれだけ外部を巻き込めるか、ですね。

あと書いてないことが、兵庫地区再開発、重化学工業、港。もうこれらは終わった話のですね(それで良いと思う)。


神戸市、がんばれーーー

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