藤田タツキを読んで思った事、自分の型を作る。

藤田タツキ、という漫画家の作品を読みました。
まだ30歳のいわゆる新進気鋭の作家さんのようです。
漫画は読んでいるようで、最近のものは、殆どフォローしていないので、直近まで知りませんでした。
私は、まだ2作しか読んでいません。

「さよなら絵梨」と「ルックバック」。
どちらも素晴らしい作品です。高い評価を受けるのも当然な作品です。

素晴らしい要素は色々とありますが、それはあちこちで語られているみたいです。藤本タツキさんの天才性や逸話も、あちこちで語られているようです。
この中で一点、思った事。
「さよなら絵梨」では、映画を見まくる。見て見て見て要約する。
「ルックバック」では、絵を描きまくる。描いて描いて治す。
これって、実際は出来ないことです。良い作品だけではなく、上手なものだけではなく駄作も、ダメな絵も自分の一部として取り込む。
この徹底して練習をして、自分の型にするまで昇華させる、って、普通は出来ないですよね。藤本タツキさんは、多分、絵と映画のシーン割に関して、それをやりきったんでしょう。すごい!
超一流のアスリートが、基本の型を自分のものにしているから、試合で自由自在に動けるように。

そういえば、私も若い頃、「市場における競争」というのを図に落とせないか、ということをやっていました。BCGとDIの時。何か構造に落とせないか、傾向線に落とせないか、それを3個ぐらいの〇とか→とかで記せないか。
何を言っているのか、全く伝わらないと思いますが、要は、簡単な立体図か平面図で、文章にしてあることや、売り上げとシェアの数字(等)の背景を表現できないか、って考えてたし、考え出すと止まらなくなってたんです。
BCGの時に、井上さんという上司が良くやっていた「役員合宿」というプロジェクトがありました。大企業の役員達が、職場を離れて、会社の中長期のことなどを議論をします。その議論をその場でスライド数枚にまとめて、コンサルタント側が発表、説明をする。何を議論しているかを把握するのに集中をして、それを構造化して、数枚の絵にしてスライドに書く。むっちゃ、楽しかった。他の人のものも幾つも見れた。やる度に、自分の「構造化」する力が上達していくのを実感できた。社会人2年目ぐらいだったと思うけど、自分よりも遥かに上の職位の人達に並んで、その取りまとめの作業をやらせてもらえた(井上さん、ありがとうございます。色々とありましたが、井上さんへの感謝の原点は、あの北九州の役員合宿でチャンスを与えて頂いた事です)。それ以降、人の話を聞いていても、「この人が言っているのは、多分、この3つにまとまって、それを絵にするとこんな感じ、そのインプリケーションは、、、」ってやっちゃいます。この癖は今も抜けません。

さらに、何を言っているのか、わからなくなってきたか。

東京基督教大学に入って、何を専攻するんだろう、新約聖書の解釈学をやりたかったけど、何だか道が開けないしなあ、と思っていました。
で、ある日、一つの数字を見たんです。
日本でのキリスト教徒比率の都道府県別の数字と、世界の色々な国の各宗教の比率のです。
見た瞬間、気づいちゃったんです。あっこれは日本は3つに分類出来て、それの分類の一つの軸は賃貸住宅比率になりそうで、もう一つの軸は業種のバリエーションになりそう。それぞれのエリアで隣接する領域は異なっていて、共同体の本質の定義が異なる。だとしたら、共同体の平均年数と規模を勘案して、自然とCGARが5ー10%ぐらいの間でばらつくから、30年後のエコシステムには、これだけの牧師の数が必要で、信徒であるということの意味はこう定義づけられ、その各共同体の連携を支えるための3つの柱は、、、、
などなど。クルクルと、図が展開をしていって、10枚ぐらいの凝縮されたプレゼン資料が出来ちゃったんです。私は天才かも!と思っちゃいました。
勿論、実際は天才だからではありません。それまで、こんな事ばかり考えていた訓練の結果だし、神のご計画です。
じゃあ、これが神様が示してくださっている道なのだろうなあ、と考えました。だから、宣教学・教会論・公共神学が、私の専攻なのです。

何を言っているのか、これだと伝わらないだろうなあ、と自覚しています。ただ、色々とこういったことばかり考えてた結果として、この構造図とその偏移が見えてくるというのは、これはこれで賜物だと受け止め、生かそうと思っています。

藤田タツキが描くように、とにかく何かを見て見て見て、練習して練習して練習して、自分の型にする、という事は、本当に意味がある行為ですね。

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