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スマホ脳

読了。

こどもがスマホを欲しがる年齢にさしかかってきて。もちろん私としては与えたくないけれど、友達関係のいろいろもあるから、なかなか難しいところ(いつまで引っぱれるか?)。

ちなみにビル・ゲイツは14歳までこどもにスマホを持たせなかったそう。スティーブ・ジョブズも、こどもたちがiPadを使う時間を厳しく制限していたとか。

なにか通知があるたびにドーパミンは爆上がり、その依存性はコカインやヘロインよりわずかに低いだけ。このドーパミン関連の内容がいちばんおそろしい。

奇しくも、最近別々の2件の仕事でこの話題を訳す機会があった(この本は資料として読んだ)。脳の仕組みとか説明するのは私の手に余るけど、要するに、「いいね」がついたかもとか、誰かからコンタクトがあったかも、という期待でドーパミンがめっちゃ出る。それがやめられなくて、スマホを常に手元に置いて、しょっちゅう確認せずにいられなくなる。

それは偶然ではなくて、SNSはあなたの注目を常に惹きつけておきたいので、意図的にそうしている(「いいね」をリアルタイムで表示せず、じらしたりもするらしい)。なぜなら、SNSの利用者数、滞在時間が彼らの広告収入につながるから。

ツイッターにも独自のテクニックがある。スマホでアプリを立ち上げると、青い画面の中で白い鳥が何度か羽ばたいて、スクリーンを埋め尽くすほど大きくなる。それから突然、ツイートがすべて現れる。これはログインに時間がかかるわけでも、接続状態が悪いせいでもない。待たせることでスリルを増加させているのだ。この遅れは、あなたの脳の報酬システムを最大限に煽るよう入念に計算されている。
……フェイスブック、スナップチャット、ツイッター各社の製品はあなたが自由にメッセージや画像をシェアし、デジタル承認欲求を満たすプラットフォームそのものではない。「あなたの注目」こそが、彼らの製品なのだ。それをさまざまな広告主に転売できるよう、メッセージや画像、デジタル承認を使って注目を引く。無料で使えてラッキーを思っていたら、大間違いなのだ。

ここまではビジネスの仕組みだけど、さらに踏み込んで、お金の話しじゃなくて、人間を依存させてコントロールするためのツールとして開発されたのだ、という説もある(信じるか信じないかはあなた次第です)。

大人もすっかりハマっているけど、こどもにそれをさせるのはもっと怖い。ネットリテラシーだけの話しじゃない。もっと根本的な、スマホに脳をハックさせてしまうということの危険性。

もうひとつ言えるのは、若者のほうが依存症になるリスクが高いということだ。アルコールを早くに覚えるのを規制しているのは、それが大きな理由だ。どころが、スマホを持たせることに関しては誰も懸念していないようだ。脳の報酬系を活性化する恐ろしい力を秘めているというのに。

私もそこから自由だとは言えないけど、距離を置くように心がけてはいます。


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