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渡りゆく


わたしは東京都の隅田川沿いに住んでいる。

この時期になると、日が昇るや否や
ミャーミャーと
それはもうすごい音量のすごい数で
ミャーミャーと渡り鳥が鳴く。

ディズニーのワンシーンならばここで窓を全開に開けて
おはよう!いい朝ね!鳥さんたち、起こしてくれてありがとう〜!なんていいながら優雅に空へ向かって大きく手を振るだろう。

現実はどうだろう。

連日の疲れや寒さやストレスや
いろんなものがわたしを羽毛布団の奥へ奥へと追いやって
布団からつむじがでていればいいほう、といった具合だ。

まだこちらは寝ていたいのである。


しかしながらミャーミャーは鳴き止まない。

一度ミャーミャーがはじまると間隔無視の永遠のスヌーズ、そう止められないスヌーズ機能が加わるのだ。
寝ていられるわけもなく、重い頭をごろりと起こす。

とぼとぼと寝室を出る。

昨夜わたしがどこかにペーンペーン!と脱いで寝たスリッパは どうぞ と言わんばかりの立ち住まいで扉の前に揃っている。
少し前から稼働したであろう暖房も、整えられたリビングも、重い足を前に進ませる。
同居人、ありがとう。。。

ミャー ミャミャー ミャー ミャミャーミャー

あしたも鳴くだろう。きらいじゃないよ、
ただもう少しだけ
あしたはもう少しだけ長く、眠らせておくれ…(笑)


寝起きキンパ

友人がお祝いに贈ってくれたうつわが愛おしい。

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