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老子の思想を得たら天然酵母パンが焼けた話

みなさんは中国の思想家、老子をご存知だろうか。( 老子 とさすのは人物のこともあれば、思想をおさめた書をさす場合もある。)

そう、老子はパン屋ではない。

老子の書いたとされる 老子道徳経 の第三十三節の一節に

足るを知る者は富む

というものがある。この部分は聞いたことがあるという方も多いのではないだろうか。

第三十三節の詳しい内容については
各自お調べいただいたほうが的確な知識が得られると思うので割愛させていただくとして、
わたしのざっくりとした説明でいくと、こう。

己を理解し、満足するということを知る者は
心が豊かである。という話。

我ながらほんとうにざっくりとした説明であった。

大切なところさえもこぼれ落ちてしまっている。まるで 今日から一切炭水化物食べない!と言う女子高生の無理なダイエットくらい、この説明は振り切っている。

まぁ老子についての原文や解説文は、探せばたくさんわかりやすいものが出てくるので、そちらにお任せするとしよう。

どうか今は 5文字で終わる日常の話を
3倍希釈麺つゆくらい のばして薄めて話させておくれ。

足るを知る 日々を過ごす中でわたしが呪文のように繰り返し繰り返し 心の中で唱えている言葉だ。

満足することを知るというのはなにも、
現状に満足しなさいと言っているのでも、
向上心を捨てなさいと言っているのでもない。

自分にとっての(身の丈にあった!)幸せって、なんだろうね。という話だ。
それを理解できていれば、物に 富に 満ち溢れた世界で
自分にはあれがないこれがないと彷徨い嘆くことなく、落ち着いていられるという、そういうお話だ。

それでどうして、パンが焼けるんだって?

世の中では長引く外出自粛生活が続き、
各家庭が おうちじかん を充実させはじめた。

その結果、スーパーから様々なものが消えた。

食材に関しては納豆、小麦粉、強力粉、ドライイースト、パスタ、その他もろもろ。
元からそういうものは無かったんじゃないかな、人間の描いた幻だったんじゃないかな‼︎⁈と思いたくなるほど、長いこと見なくなった。(現在はちらほら見かける)

わたしは18の頃から趣味でパンを焼いている。
なにを思ったか、就活でパンを捏ねる話をするほど、パンを手捏ねするのが好きだった。

いつしかそれは趣味というよりは、
毎日の食卓に食い込み(パンだけに‼︎)
生活の一部となった。
ものすごく大袈裟にいうと、生きるためにパンを焼いた。

ありがたくも今日まで、強力粉やドライイースト、バターや卵が容易に手に入る生活を送れていた。

ドライイーストとはパンを発酵させるために使うもので、初心者にも扱いやすく長期保存が可能。値段もそんなにしない優れものだ。

それが今、なかなか売っていないのだ。

でも、それでも、良かった。
実は前々から酵母を起こすことをしてみたかったのだ。(酵母はパンを発酵させることができる。)

酵母は加工のされていないフルーツと水、お砂糖で起こすことができる。

手間暇をかけることが大好きなわたしにとって、こんないいタイミングはなかった。
絶好の機会だ‼︎ということで、世界に背中を押された気持ちで自宅にて酵母を起こしはじめた。

どうだこの底抜けポジティブシンキング!(笑)

ドライイーストがないないと嘆く時間があるのなら、その時間は大好きな手仕事にあてたい。身の丈に合った幸せ は、ここにあったのだ。
老子の哲学は こうしたわたしの生活の
小さなところに活きている。(というだけの話!🤫)

新しい手仕事にも挑戦できて、
結果的にドライイーストよりも自分には適していることもわかった。
毎日焼けたパンをかじっては にやにやしている。

先ほどお伝えした"5文字で終わる"のその5文字は

パンがうまい。

6文字だった。

少し恥ずかしい。6文字だった(が、今さら後にひく気にはなれない)。

追伸、(?)

現在は、パイナップルの芯から
根が出てくるのを 待っている。

今日も長々とのばし薄めた日常を
最後まで読んでくださってありがとう。

どうかあなたがこの5分やそこらを無駄にした!と思いませんように‼︎


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