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脚本「こどもの日(2020/5/5の淀川河口「西す」道路の話)」(シーン6/6)

脚本「こどもの日(2020/5/5の淀川河口「西す」道路の話)」です。全部でシーン8まであります。
ぜひシーン7もご覧下さい。

シーン6 月
2020/5/5(火) 2:00 「西す」道路にて

男1 いくで…おお、本当にエンジンかかった
男2 よし、頑張れ頑張れ。ホンマに走るんやな
男4 お前が作ったもんやろ
男2 いうて初めてやし、まさか飛ぶとは思わんかったわ
男4 なんやそれ
男3 ああ、離陸した
男2 うわ、飛んでる
男4 飛んでる
男2 どうなるんやろ
男3 次は着水や。着水できんかったら、特攻するのとおなじや。
男2 ああ、そっか。そやな。
男4 先のこと先のことで考えていかんと。俺は滑走用のスロープ解体しに行くわ。
男4退場
男3 着陸場所指定せんとアカンで
男2 あ、ホンマや。どこがええと思う?
男3 そうやなあ、さっき話したのは…空から見てわかりやすくて、人があんまおらんような場所で、着水しやくて、飛行機を陸に上げやすくて、隠しやすい所やな。あと、遠くないことやな。
男2 ある?
男3 それはお前も考えなアカンねん。
男2 跡地?倉庫?ってお前言うてたな
男3 跡地なんかええやん
男2 そうか…あああったわ
男3 インターネットの力は凄いな。言うたり
男2 ちょっと待ってな…あれ、飛行機めっちゃ揺れてるやん。おもろ
男3 おもろちゃう。心配したれ。はよ電話かけな
男2 上官やん
男3 こんな優しい上官他におらんで
男2 そういうこと自分で言うてて恥ずかしくならんの?

電話を男1にかける

男2 どうや?エースパイロット。飛行機の操作は慣れてるやろうけど、ガッタガタやろ?楽しいんちゃう?飛行機が本格的に戦争に使われ始めたのは第一次世界大戦からで、ちょうど100年前や。俺らはその時と同じ水準かそれより全然下のレベルの飛行機飛ばしてるねん。100年たっても、知識と技術の蓄積が無かったらこんなものやねん。人の言うこと、やってることから学ぶってのは大事なんやなって思うやろ。そういう蓄積を全く参考にせんと、俺らはな、自分達の手で飛行機を作り上げたんや。断片的な知識でな。これからはもっと知識と技術をまとめて、もっと大きくて、もっと早い飛行機を作ろう。俺らが作ったら欲しがるやつはおるはずやしな。人はな、遠くに行きたいねん。遠くのものが気になるねん。そのことさえ分かっておけば、何でも、いつになっても、作っていけるわ。そろそろ電話切るわ。着陸しやすいところで会おう。北加賀屋の造船所跡地で集合や。目印は木津川の河口にある二本の橋の間や。船が停泊できるドックがあるから、そこに着水。分からなくなったら電話してな。誘導するし。そっちのほうが安心やろ。あそこなら人の目にもつかんから尚いい。じゃあな。墜落すなよ。

男3 いっちょあがり。迎えにいかんとな。
男2 そうやな。俺の代わりに行ってくれへん?
男3 なんでや
男2 楽しそうやからな。やかましいなと思って。
男3 なんやねん
男2 迎え行ったらいいやん
男3 お前行けって。友達やろ。
男2 それあんま関係ないで。
男3 普通はあんねん。
男2 まあ、ええか。後で。いなくなるわけちゃうし。
男3 そうやな。
男2 今日は月が大きいな。
男3 おい、飛行機のバラストがめっちゃ光に反射してんで
男2 ああ、バラストにシャボン液まぜててん
男3 なんでそんなことしたん
男2 夜に虹が架かるところみたないか?あ、もう角度変わってもうたわー見れんな
男3 色んなことよう考えるわ

二人は月が照らす淀川を眺めていた。
遠くで船が波を切る音が聞こえる。


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関西を拠点に活動するパフォーマンス集団PAMです。 興味を持っていただいたら是非ステージへ。 We are PAM: Party, Anima, Master-piece. PAM is a perfomance team. Twitter ID: pulse_amp