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『ごきげんだぜっ! 〜Nothing But Something〜』(1998年)

DA PUMPと聞いて思い出すのは、……申し訳ないことに、楽曲やメンバーさんのことは全然わからないのです。

当時の自分はかなりのテレビっ子で、毎週水曜日は『歌の大辞テン』を欠かさず視ていたというのに、どうしてDA PUMPは引っかからなかったかというと……うーん、なんでだろうか。まだバンドだとかグループだとかの編成を気にしてもいなかったはず。

時代はCDバブルの真っ只中。特に、前年の安室奈美恵さんの大ブームから続く沖縄県出身のアーティストの勢いは凄まじいものがありました。

特にSPEEDの登場は衝撃的なものでした。1〜3歳くらいお姉さんだった彼女らですが、もう、大人にしか見えませんでしたね。これが今、当時の映像を動画サイトやらで見たり、あるいはブック○フなんかで彼女らのCDジャケットをたまたま見かけた際には「うわっ、………ガキだなあっ!」って、びっくりしてしまいますよ。あの頃は確かに大人に見えたんだけどなあ。

……というわけでして、DA PUMPに関する、我が過去に於ける唯一のエピソードはといえば、同級生のサカイくんとのことぐらいです。サカイくん。幼稚園の頃の友達でした。………らしいです。というのは、自分にはほとんど、幼稚園の時期の記憶がないからです。

自分が通っていた中学校では、体育や美術などの特殊な授業は、2クラス合同で行われることが時折ありました。ある時、隣のクラスと合同で体育の授業を受けることになり、具体的にどんな種目だったのかは忘れてしまいましたが、なんらかの形でパートナーになったのが、坊主頭の、サカイくんという子でした。初対面のはずのサカイくんは、会うや否や、こう言うのです。

「懐かしいなあ」

………幼稚園の頃の記憶がほとんどない自分としては、どう返していいのやらさっぱりわからず、完全スルーという酷い仕打ちをしてしまいました。頭の中では「?」だらけで、まあ今でも人見知りですけど当時は現在の数億倍の酷さでして、ただキョドるばかり。

しかしサカイくんは違いました。颯爽と、坊主頭を自ら差し出し、

「触ってみ?」

と言ってくれたのです。

お言葉に甘えて、しばらく触ってみました。ザラザラした素晴らしい感触です。癖になりそうです。しばらく、お互いに黙って照れくさいまま、坊主頭を愛でるという、意味のわからない時間が流れました。

「ホンマに、俺のこと、憶えてへん?」

と寂しげに言う彼に、頷きながら「ごめん……」と言いました。

その後は、なんだか普通にくだらない話をしたと思うのですが、どういうことやら、その内容もあまり憶えていません。きっと、本当にくだらない話題だったのでしょう。小学生の下ネタレベルの……。

唯一憶えているのが「DA PUMPで誰が好き?」という話題なのですが、何がどうなってDA PUMPだったのか今となっては知る由もなく。………だって未だにDA PUMPのメンバーの名前を1人も知らないのだから、当時も全く知らなかったはず。多分その時も、スルーに近い反応をしてしまったのではないかと思います。

今の自分が当時のサカイくんに会っていても、DA PUMPのその問いには上手く返せないでしょう。その代わり、「D+SHADEって知ってる?」とか言ってそう。

#エッセイ #DAPUMPほぼ関係ない

サウナはたのしい。