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大雑把にリカルドサッカーを考える回

リカルド監督が指揮を取り始めてから、もう8試合。
正直な所、初めの頃は本当にリカルドを信じていいのだろうかと疑心暗鬼でした。平岡時代と比較しても、あの崩壊してた守備面でもあまり変化はないし、攻撃面では大きな変化が見えるものの、やってる事はめちゃくちゃリスキーだし、ずっと頭を抱えるロティーナ監督みたいになっていました。

そんな状況でも福岡戦・名古屋戦と勝利を掴む事が出来ました。それでも、その不安は拭えなかったのです。

しかしFC東京戦でついにですね、くっきりとした姿が見えてるわけではないですけど、おぼろげながら浮かんできたんです。リカルド監督が求めるサッカーの輪郭が。

(。-`ω-)そんなリカルドサッカーのシルエットを大雑把にお話する回です。

リカルドの盾

さて、まず守備のお話からです。

先にも書きましたが、リカルド監督就任直後の試合を見ていると平岡監督の頃に比べて、大した変化はなかったんですよ。
守備を仕込む時間がないのか、それとも、どの監督がエスパルスを見てもあの守備がベストだったんだろうか?などと思っていたのですが、FC東京戦では若干の変化が見られました。

一番はっきりと違いが見られるのは、守備時の選手の立ち位置です。
ロティーナ監督も平岡監督も、4-4-2というフォーメーションを採用して、その形を出来る限り崩さない守備を行ってきました。

しかしリカルド監督は、守備のスタート時点では4-4-2の形を取っていますが、そこから相手の立ち位置に合わせて次々とフォーメーションを変えます。

ざっくりFC東京戦で見れたフォーメーションとしては4種類。

4-4-2
4-2-3-1
4-1-4-1
5-3-1-1

だいたい、これくらい立ち位置が変わってるんですね。
(`・ω・´)やべぇ。なんかよくわからんけど凄そう。
って思うじゃないですか。

(*´ω`*)凄いんですわ。

これもいつか書きたいと思いながら、全くヤル気が起きていない『4-4-2守備の弱点』って言うお話があるんですよ。

それを始めると長くなるので、簡単にポイントだけ言いますと

・FW脇からの持ち上がりへの対処をどうするか
・DFラインの5人目に誰がなるのか

って言う2点が挙げられます。
まぁ詳しい事は置いといて、このリカルド監督の「相手の会わせて柔軟にポジションを変更する守備」が、この2つの課題に対応出来ているのです。

(`・ω・´)しゅごい。

そしてこのリカルド式守備を可能にしているのが、一人二役のポジショニングです。
ざっくり、どんな感じなのかと言うと
エスパルスの選手が守備のポジションを取る時に

①相手選手
②味方選手が空けたスペース
③フォーメーションの構造上空いてしまう危険なスペース

この①〜③までのうち、2つを消せるポジションを取ろうねって事をしています。

(´・ω・`)実際にこんなシーンはないけれど、こんな感じ。
白崎は半ば自分のマークを捨ててでも、相手の前進を止めにいきます。
そこのカバーは、松岡君・乾さん・ピカチューの3人で相手4人止めれる立ち位置取りますよ。って感じなんですよ。

(。-`ω-)凄く…柔軟です…

よく危険なエリアを空けるな!誰か埋めろ!って声を聞きますが、確かに埋まっていません。(上の図で言うと松岡君の周りが埋まってない)
でも、いざそこにボールが入れば埋められる位置に選手はいるのです。

もしかしたら、リカルド監督的には、危険なエリアが空いている事は問題だと思っていないのかもしれません。
『ボールが来る時に埋められれば問題ない』
『完全にフリーな選手を作って簡単に前進される事の方が問題』

って感じなんだと思います。

おそらく東京の選手達も、こんな立ち位置のせいで『エスパルスの守備陣形をずらしているのに、なんでか前進出来ない…』と混乱してしまったんじゃないかなって思います。

リカルドの矛

攻撃面の話は、至って簡単です。
一言で言えば、『フィールドを出来る限り広い範囲に効率よく選手を配置し数的優位を作りながら前進する。』ってだけです。

自陣の深い位置でGKも含めたボール回しで数的有利を作り、相手のプレスによって空いた選手を使いながら前進していくというやり方です。
難しい事は特にやっておらず、シンプルだな!って感想しかありません。

そして理論がシンプルな故、あからさまな欠点もあります。
ビルドアップ時の個人のミスが失点に直結する点です。
選手を広範囲に配置しているって事は、ビルドアップ中にミスがありボールを奪われると、近くにフォローしてくれる味方がいません。
すると、相手は楽々とゴール前へ侵入し、楽々とシュートを打って、楽々とゴールを奪っていきます。

(´・ω・`)やべぇ…。そんな攻撃危なくない?
って、思うじゃないですか?

デモ、ダイジョーブ!
なぜなら、エスパルスの選手達はあの乾貴士でも上手いと認める強者揃いだからです!(`・ω・´)キリッ

はっきり言って、この攻撃はリスクが高いです。
でも、そこそこ通用しているんですよ。
おそらく今、一番強いマリノスにも3点取れているんです。
つまり、J1優勝争いが出来るチームと渡り合える選手の質があるって事なんですよ。

(。-`ω-)たぶん、おそらく、なんとなく。

さらに、攻撃時のポジショニングは、各試合ごと若干、形が変わります。

おそらく毎試合リカルド監督含むスタッフ陣が、寝る間を惜しんで入念なスカウティングを行いチームに落とし込んでいるんだと思いますが、エスパルスの選手達には、毎試合、異なるビルドアップに適応出来る柔軟性、そして個の力で負けない高い質が求められる事になります。
それに選手達が応えられるようになると、リカルド式、最強の矛が生まれてくるのだと思うのです。

(*´ω`*)片鱗は見えてるけどね。

リカルドサッカーの問題点

さてここまで、リカルドすごーいって話をしてきましたが、もちろんまだまだ問題も山積みです。

細かい事を言い始めると、「ロングボールを蹴られ続けるとキツそう」とか、「あの選手の使い方間違ってるやろ」とか、話題に事欠かない状況ですが、海月が一番不安に感じていた事は…

『そこまでうちの選手に柔軟性あるの!?』

って疑問です。
守備の話では一人二役のポジショニングとか、攻撃の時には対戦相手によってビルドアップを変えるとか、とにかく柔軟な対応力が求められています。

さらに言うならばリカルドサッカーは、試合中に一人の選手が場面によって様々な役割を演じなければなりません。
例えば、白崎選手はボランチとインサイドハーフ両方の役割を担う必要がありますし、ピカチュウ選手は、サイドハーフ・サイドバック・ウイングバックと3種類の役割を求められます。
そして、それぞれの役割でJ1トップクラスの質を魅せなきゃなりません。

どんな選手でも得意なポジションから外れれば質は落ちる物です。
得意でもないポジションにまで高い質を求められるものですから、

(´・ω・`)無理やろ、このサッカー。要求難易度が高すぎるよ…。

って、海月は不安に感じていたのです。
しかし、FC東京戦では柔軟に高品質でプレーをする選手達が見れました。

(´・ω・`)急に出来る子ばっかになって、どうなってるんや…。
と、謎は深まるばかりだったのですが、

そこで、ふと思い出したのです。
大熊GMがここ数年、補強ポイントとして「ポリバレントな選手」を上げていたことを。

それを聞いた頃は、怪我とかコロナとかもあるし、複数のポジション出来る選手がいると安心だよね。ってくらいにしか思っていなかったのですが、今やリカルド監督は、そのポリバレントさをエスパルスのストロングにしようとしてるじゃありませんか!

まさかとは思いますが、数年前からリカルドサッカーをイメージして準備していたのなら、大熊GMは想像以上の策士です。

いやいや、でも、ちょっと待ってください。
大熊GMは、ポリバレントの対極にある「一つのポジションで物凄く高いパフォーマンスを発揮する」スペシャリスト系の選手である、山原君や松岡君も獲得しています。

(*´ω`*)ほらやっぱり!たまたまハマっただけだわ!安心したぜ。

なんて、思っていたら、スペシャリスト系の2人も、FC東京戦ではポリバレントさを見せ始めていました。
もうスペシャリスト系の選手でも、その中にポリバレントさ見出しているのだとしたら、ちょっと恐怖すら感じる先見の明です。

(´・ω・`)どこまでが計画だったんだ、キヨシ…。

そんなリカルドサッカーについて考えてたら、大熊GMの怖さに気づいたお話でした:;(∩´﹏`∩);:

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