#他己紹介 ガーナのスラム街を救うMAGOさん
私たちはリサイクルの成れの果ての姿を知らない。
世界中からの工業廃棄物が捨てられる。違法に遺棄される。放置されたその先は?
スクラップ街と呼ばれる地・ガーナのスラム街に工業廃棄物が寄せ集められていた。
スラム街に住む彼らは集められた工業廃棄物を壊して燃やして燃やして燃やして、
燃やした先にそこから取れる金属片、500gにつき2円ほどのお金になる金属片にするために燃やして燃やして集めて集めて、1日やっと5円ほどの生計を立てる。
このスラム街・アグボグブロジーは、ガーナ首都内にありながらも、
アフリカ大陸で最も大気汚染の強い地だという。
ガスマスクを彼らは使わない。ガスマスクに充てるお金よりとにかく工業廃棄物を燃やして、金属変を集めなくてはならない生活だから。
この環境における平均寿命は30代だという。
この映像の中でMAGOさんは言う。
(そんな彼らを見ても)「どーしてもみんな、映画を見てるようにしか思えないんですよ。どーーしても。」
私もそう。想像を絶する状況に、
映像を通してしか見ることの無い光景に、現実味が無い。
でもそれは映画の中の映像、遠い世界の映像の中の出来事なのでしょうか?
「ゴミは世界中から来ます。日本でもよく不要になった家電を回収している業者がいますが、業者の一部はそれをコンテナに詰め込み、ガーナに送るという話を聞いたことがあります。24トンのコンテナを1つ送るのにかかるコストはたった20万円ほど。正当にリサイクル処理するよりも安く済むばかりか、ガーナではそれを買う業者が存在し、さらに低賃金で危険な作業を行う労働力があります。先進国と貧困国の輸送費・人件費の格差で、そんな不条理なことが起こっているんです」MAGOさん Industry co creationインタビューより
世の中には、MAGOさんの他にもこの地を訪れ、発信した人達は居た。しかし、
この映像の中でレポーターは言う。
「電化製品を買う時は、本当に必要か考えて。古い機械の行く末を考えて!」と。
否、現状をメディアで伝えるだけでは、彼らを救う措置として不十分なのですよね。
だからMAGOさんの活動には救済の希望があります。
まずは以下のプロジェクトの概要を読んで欲しい。
https://camp-fire.jp/projects/view/221610
このクラウドファンディングの仕組み、MAGOさんの唱える、先進国の我々と、教育と安全の整っていないガーナ・スラム街を繋げる仕組みはこうだ。
MAGOさんがガーナを訪れる。
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ガーナのスクラップと、スラム街アグボグブロジーをモチーフにした作品を制作
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発表。販売。収入と認知を得る。
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再びガーナを訪れる。収益でガスマスク配布や学校設立、美術館設立を行う。
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その様子を映画監督が撮り、ドキュメンタリー映画化してもらう。
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クラウドファンディングで映画化の資金を集める。同時に作品も販売。
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映像部門歴代1位のファンディング、31,320万円もの出資金を集めたMAGOさん達は、いよいよ映画作品化、そしてハリウッドでの映画上映に向けて動き出す。
①収益を支援→②学校や美術館を設立→体験を作品に昇華(物体作品や映像作品)
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購入された収益で①へ戻る↑
↓ ↑
認知が広がり更に作品の認知や価値が高まる→更に収益が生まれ①へ戻る↑
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③現地に設立した像や美術館に訪問者が発生→ガーナの収益や認知にも繋がる
↓ ↑ ↑
④更に更に認知と価値に繋がり、更なる支援と作品への昇華に繋がる ↑
MAGOさんの、 スラム街をモチーフにした作品や、
この絵には1200万円の値が付きました。
MAGOさんの絵に1200万円の価値が付く理由に対しコレクターは言います。
「この2年ほど、美術界やコレクターたちの間でMAGOの名が急速に広まっている。」
1200万円の価値が付く原理を、MAGOさんはIndustory Co Creationへのインタビューで以下のように答えています。
「仮にこの辺(グラフの中央付近)の秋葉原で買った部品や銀座で拾ったゴミでアートをつくっても、僕の絵の技術では絶対に1,500万円の価値は生まれません。誰でも回収できる“浅いゴミ”からは、その絶対値分の価値しか生まれません。左下の、この深い場所から生まれるアートにこそ、価値があるのです。
僕がアートを作れば作るほど、問題は解決され、ガーナのゴミの山は過去のものとなります。すると僕のアートは死んでいき、その価値は相対的に高まります。これをアートを作りながら指をくわえて待っているのではなく、さらにこの問題解決のための投資を行うのです。スラム街にミュージアムを作ったり、ペットボトルTシャツを作ったりするのもそのためです。
経営者の方々にこの話をすると、みんなハッとさせられるようです」
Industry Co creation インタビューより引用
MAGOさんはアートの収益で、子供たちが無料で学習できる学校も設立。
ガーナの廃棄ゴミを題材にしたタワーを、現地ガーナ•スラム街に設立。
MAGOさんはこの地に美術館も設立。
映画化の先には、映画を観た先進国の人々がこの地を訪れモチーフとなったタワーや美術館を訪れることに繋がる。それは結果この地に雇用を生み出す。
「ここには膨大な量の電子ゴミと労働力がある。僕がやっているのは、それを宝の山に変える仕組み。いうなれば僕は“問題解決型のアーティスト”ですね。目標は30 年までに150億円を集めてリサイクル工場を設立すること。いずれこの地からゴミがなくなれば、僕はこの作品を作ることができなくなる。それこそが、最高のゴールだと思っています」Numero.jpインタビュー「世界を変えるアーテスト、MAGOの挑戦」より引用。
■以下、MAGOさんインタビューまとめ。■
◆世界を変えるアーティスト、長坂真護の挑戦 Numero.jp
「世界最大の電子機器の墓場に何故、アートミュージアムがあるのか――。MAGOが設立した美術館は、早くも世界中のメディアの注目を浴びている。その傍らには、ペットボトル製の月を掲げた「ムーンタワー」が建てられ、ゴミだらけの荒野を希望の光で照らし出している。」 Numero.jpより
◆AERA “電子廃棄物の墓場”で働く人々を救いたい…34歳日本人の壮大な挑戦
これを読むと半年間の絵画販売で1億円以上が集まり、ガーナにリサイクル工場を建てるまでの150億円が見えてきます。すごい。。
◆新たな資本主義「サステイナブル・キャピタリズム」を追求する異色のアーティスト“MAGO”の哲学とは? Industry-co-Creation
「仮にこの辺(グラフの中央付近)の秋葉原で買った部品や銀座で拾ったゴミでアートをつくっても、僕の絵の技術では絶対に1,500万円の価値は生まれません。誰でも回収できる“浅いゴミ”からは、その絶対値分の価値しか生まれません。左下の、この深い場所から生まれるアートにこそ、価値があるのです。」「僕がアートを作れば作るほど、問題は解決され、ガーナのゴミの山は過去のものとなります。すると僕のアートは死んでいき、その価値は相対的に高まります。これをアートを作りながら指をくわえて待っているのではなく、さらにこの問題解決のための投資を行うのです。スラム街にミュージアムを作ったり、ペットボトルTシャツを作ったりするのもそのためです。経営者の方々にこの話をすると、みんなハッとさせられるようです」Industry-co-Creationより引用
◆現代美術・水墨画家 長坂真護さん インタビュー #1 歌舞伎町文化新聞
MAGOさんのこれまでの紆余曲折やこれまでの作品が読めます。