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いま話題の「ファスティング」やってみた

社会人1年目で体重が12kg増えた。

12kgだ。2歳児の平均体重である。常に赤子を抱えながら渋谷のIT企業で働くのはさぞ骨が折れるに違いない。

激太りの原因は言うまでもなく堕落しきった食生活だ。
平日のお昼はもっぱらコンビニで済ます。偏食家なので「栄養バランス」という概念は無い。夜は会社の飲み会で夜中まで美味しいご飯を食べ、休日はストレス発散で昼から美味しいご飯を食べる。満腹感でホワホワしたまま寝落ちするのが大好きで毎晩就寝10分前まで何かを食べる生活。大学時代のようにジムには通わず、運動といえば通勤時に渋谷駅〜アベマタワーズ間を歩くくらい。
そんな生活を1年間も続けていて太らないわけがなかった。

で、さすがに危機感を覚えて本格的に減量を試みたのだけど、ここまで太るとちょっと筋トレしただけでは全く体重が落ちない。

最寄りのマッチョに相談したところ抜本的な食生活の見直しと体質改善を強く勧められ、苦渋の思いで「食事制限」を決意し、手始めに身の回りで流行っていたファスティング(断食)に挑戦した。

備忘録として基本的な実施方法や実施レポートをまとめておくので、ファスティングに興味のある方は参考にどうぞ。

1. 目的と効果

ファスティングのそもそもの目的は減量ではなく体質改善だ。具体的には、胃腸などの消化器官を休ませること。排泄が活発になりデトックス(体内に溜まった毒物を排出すること)の効果があるらしい。

2. ファスティングの基本的な流れ

ファスティングには以下3つのフェーズがある。

①「準備食」期間
ファスティング前のウォーミングアップ期間。準備期間無しでファスティングを実施すると体調不良や効果軽減の恐れがあるらしい。ファスティングの2-3日前から豆類・野菜・きのこ・おかゆなどを摂取し、前日には固形物を避けて少しずつ体を慣らしていこう。

■「準備食」期間中に避けた方が良いもの
・肉や魚(動物性食品)
・乳製品
・加工食品
・カフェイン
・小麦製品
・酒

②「ファスティング」期間
読んで字の如し「断食」の意。基本的には水と酵素ドリンクのみで過ごす。
酵素ドリンクとは、なんか植物性の栄養がたくさん入ってるやつのこと。ググるとうさんくさい検索結果がヒットしまくって地獄なので私は上司に勧められたものを購入。(リンク先参照)

「こんだけ課金したんだから本気で断食せんとな」と妙な緊張感が生まれる。「酵素ドリンク」と併せて「強制力」と「後戻りできない環境」を手に入れた。ヒトはこのようなことにお金を払うのだ。

③「回復食」期間
「家に帰るまでが遠足」理論と同じで「回復食期間までがファスティング期間」である。この期間は消化器官にとっての有給休暇。3日間液体しか摂取していなかった体に突然固形物をぶち込むと内蔵がバグるので、ファスティング実施後2-3日間で少しずつ慣らしていく。

3. 実施レポート

ここからは私自身のファスティング実施レポートということで、実際の日記をお届け。

ファスティング前日:準備食
本来ならファスティング数日前から食事を最適化する必要があるのだけど、人にはできることとできないことがある。
私にとって「食欲を我慢すること」はべらぼうに難易度が高くて精神的苦痛も大きいので、準備食期間は正直サボった。せめてもの努力として18:00までに食事を終え、それ以降の口寂しさは豆乳割りのプロテインでしのいだ。
もしもファスティング中に死んだらさっき食べたものが最後の晩餐になるのか。ちょっと良い牛肉とジンギスカンとさくらんぼをお腹いっぱい食べたから、まぁ悪くはないな。

1日目:意外と余裕
昨日の夕方から固形物断ちしているが特に支障はない。酵素ドリンクは黒糖黒酢っぽい味でなかなか美味しいし、甘くて満足感がある。「食事制限なんて拷問だ」と思っていたけれど、空腹感って意外と耐えられるものなんだな。あれ、今までなんであんなにたくさん食べていたんだろう。

2日目:好転反応
少し雲行きが怪しい。
午前中ちょっと空腹感があったのでプロテインの豆乳割りを摂取。(マイプロテインのミルクティー味おいしいよ)午後、異常な眠気と倦怠感に襲われ寝落ちした。たぶん噂の好転反応だ。体の悪いところが改善する過程で一時的に体調が悪くなることがあるらしい。こういう時は塩分を少し摂取すると良いと聞いたので具無しのお味噌汁を飲んで軽く昼寝をしたら全快した。これ以降ファステイング無双モードに突入し、追い打ちをかけるように筋トレをした。

3日目:覚醒
アラームなしですっきりと目が覚めた。
体が軽い。お腹がぺたんこだ。顔と脚のむくみがとれている。空腹感がない。「あと1週間くらい何も食べなくても平気なんじゃね?」という気分。謎の高揚感がある。唐突に新しいことに手を出したくなった。無駄に旅行の計画を立ててみた。

4日目:回復食
正直全くお腹が空いていないし食べたいものも特に思い浮かばないが、一応セオリー通り回復食をとることに。薄味の出汁で茹でた大根、出し汁に梅を混ぜたやつ、トマトとナスの煮浸し、ヨーグルト、ゆで卵を食べただけで満腹になった。胃が縮んだ感覚。

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5日目:最終日
食欲が少しずつ戻ってきた。野菜と果物を少し摂取しただけで満足。飲み会で他人の分のコース料理を食べたあげく夜中にラーメンを完食していた過去が嘘のようだ。きっとあの頃の自分にはもう戻れない。
これにて、人生初のファスティングの全行程が終了した。

4. 結果

体重は3日間で体重-2kg。固形物を食べないので当然体重は減る。ファスティングのメインの目的は体重を減らすことではなかったけれど、目に見える数字として成果が出るのはやはり気持ちが良い。

5. 学び

「満腹感」と「満足感」は別
ファスティングで純粋な空腹感と向き合ったついでに「食欲」について少し考えてみた。きっと食欲には肉体的なものと精神的なものがあって、前者は我々が摂っているよりもずっと少量の食事で、後者は別の欲を満たすことで解消できるのだろう。

自分の食生活を振り返ってみると、純粋に「空腹だから」食事をする瞬間よりも、「ストレスを発散するため」「口が寂しいから」食事をする瞬間の方が多かったように思える。

目の前の食欲が「純粋な空腹」によるものなのか、はたまた「"食欲"に擬態している何らかのフラストレーション」なのかを見極めて、今まで惰性の食事に割いていた時間をもっと楽しいことに置き換えていきたい。

結論、ファスティングは意識改革の機会としてめちゃめちゃ良かった。定期開催しよっと。

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