歩を強くしたい話

ちょっと前にも書いたけど歩の手筋が好き。でもそもそもその歩の手筋は持ち歩を打つ筋が多い。ということはその筋の歩が切れてないといけない。

しかし、歩をシンプルに損してはそのまま負けにつながる。突き捨てと歩損は包括する部分があれど同じものではないはず。

将棋は歩から」という名著を読もうという内容です。

今回は「前進の歩」をもっと考えたいという話。

歩の手筋の名前なんだけど「前進の歩」とは中々難しい名前が付いていると思う。内容はただ歩を前に進めるだけなのだ。

しかしその行為が戦法の骨格を担っている。衝撃だったのが、「奇数筋の歩を突けば急戦」「偶数筋の歩を突けば持久戦」という言葉。

角道と銀の進出路が空くのが奇数筋の歩ということだ。転じて、奇数筋の歩を突くときは捌き、偶数筋は押さえ込みという話も印象的だった。

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歩を進めるからこそ角や銀、飛車は前に進め、駒の可動域を広げて囲う事ができる。ただ歩を進めるだけで色々な意味が想像以上にあるというのは読んでみて初めて認識出来た気がする。

つまり、思った以上に歩を進めることには意味があり、自然に歩を前に進めるのは案外難しい。そして歩を前に進めなければ様々な歩の手筋は中々機会が増えないのである。

自分が定跡形や最新形を好むようになった理由にこの辺もある。

歩が使いやすい。あまりにも選択肢の多い序盤においてふらふらと指していると歩が動けなくなったり意味が薄くなったりしやすい。

定跡や最新形は駒の価値を高める力が強いので、気が付いたら歩が使いやすいように伸びている。

ただ、それも勉強、研究範囲の間だけ。なので今の自分への課題。

中盤の指したい手が煮詰まってくる局面。なるべく相手より価値高く歩を進める。突破できず駒交換で終わりそうな場合は特に短期的な狙いでなく、中、長期的な観点から歩を進める手をもっと考えていきたい。

もちろんそれが自陣の隙になってもいけないし、こちらから攻めるチャンスを逃してもいけない。

「進めるべくして歩を進める」胸を張って二段と言えるにはそれがポイントだと思っている。

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