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誰かのはなしを書きたい
もっとこういうのを書きたい、ってみんな思ったりするんだろうか。
日頃から、脳内からじゃぶじゃぶあふれ出たものを文字に落とすばかりな身の上だけれど、ほんとうはもっとこういうのが書きたいな、というテーマらしきものがある。
今まで書いた中で、あんまり読まれていないけれど、実は気に入っているんだ、というのがふたつあって、
これとこれ。
沖縄旅行で出会ったタクシーの運転手さんとの旅の記録。
楽しい沖縄旅行のB面みたいな、つい忘れそうになっていたぼやけた記憶が、あぶりだしてみるときちんと思い出になるから不思議。
ぴぴぷるさんが「今までで一番好き」って言ってくれてうれしかった。
こっちは割と最近。
小学校も違うし、共通の友達もいないので香織ちゃんのことは普段はすっかり忘れている。姉妹も夫も友達も、誰も香織ちゃんのことは知らない。ほんとうに香織ちゃんはいたんだろうかとすら思えてくる。
香織ちゃんについて誰にも話すことなく、記憶を掘り返すこともなく暮らしているけれど、ある時、なんかの蓋を誤って開けちゃった、みたいなときにふと思い出したりする。その蓋と香織ちゃんの話。
日々のあれこれとか、伝えたくてたまんないなにかとかを書くのももちろん好きなんだけれど、こういう、きっともう二度と会うことがないだろう誰かについての記憶を写生するみたいなものも、もっと書きたい。
この2本は私のnoteの中では決して読まれているほうではないんだけど、書けた時は「書きたいと思っていたものが書けた」と、すごくうれしかった。
普段慌ただしく暮らしていると記憶から零れ落ちてどこかに消えてしまっている誰かが、時折なんかの拍子でひょこっと顔を出してくるその愛しさをもっと手に取りたい。
という自分のためのメモ。
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三重県の地方ウェブメディアで連載しているエッセイが公開になっています。
東海地方のナポリタンスパゲッティは私が生まれた町のそれとはちょっと趣がっていて、そのことについてあれこれと書いています。
さくっと読めるので、ぜひ!
また読みにきてくれたらそれでもう。