「関節リウマチ」と「今を生きる」
「明日は痛くありませんように」
今から約4年前。令和元年12月のこと。
肌を突き刺すような冷たい風が、新潟らしい、本格的な冬の到来を告げようとしていた。
私は「関節リウマチ」という病気を患い、今もその病気と共に生きている。
それから毎日のように、眠りにつくときは、この言葉が頭に浮かぶ。
「関節リウマチ」とは
あなたは「関節リウマチ」という病気を知っていますか?
関節リウマチの患者は、日本の全人口の0.5~1%と言われています。
ざっくり100~200人に1人の計算なので、そう珍しくないように思います。
ただ、30代男性で発症するケースはあまりなく、私の周囲でも、同年代で同じ病気を抱えている人はいませんでした。
そして、それは今も同じです。
「関節リウマチ」の症状
関節リウマチの症状は人それぞれですが、共通して現れやすい特徴としては
朝のこわばり
(手が開きにくい、体を動かしにくい)手や指先が腫れる、痛む
倦怠感がある、疲れやすい
私の場合は「朝のこわばり」と「手や指先が腫れる、痛む」が主な症状で、具体例としては
朝起きると、指が曲げられない
(日中も続くことがある)ペットボトルを開ける、ボタンを留めるなどの動作ができない(痛い)
重いものが持てない etc
そのため、特に朝は準備に時間がかかります。
日中は体調に応じて痛み止めを飲み、日常生活への影響を小さくします。
「関節リウマチ」の治療
関節リウマチの治療に「完治」はないと言われています。
免疫異常によるものなので、手術をしたり、時間が経てば治るということはありません。
そのため、治療としては「寛解」という状態を目標にします。
「寛解」とは「痛みなどの症状が消え、病気の進行が止まった状態」です。
専門医による指導の下、投薬によって、免疫異常による関節の炎症や痛みをコントロールすることがメインの治療になります。
かつて進行を抑えることが難しいと言われていた「関節リウマチ」ですが、今はあらゆる薬が誕生し、大きな治療効果が得られるようになりました。
使用する薬は、症状の進行具合、効き目、副作用、薬価など、様々な点を考慮した上で選択します。
通院や血液検査を定期的に行い、経過を観察しながら、「寛解」の状態を目指します。
私も発症してから約4年の間に、いろいろな薬を使ってきましたが、今は以下の治療をしています。
2週に1回の注射
(自分のお腹に注射する ※ほぼ痛くない)経口薬(朝、晩1錠)
痛み止め(その日の状態で判断)
「私が伝えたいこと」
この病気を通じて、私は自分の生き方に大きな変化がありました。
もちろん先に挙げたような、日常生活でのマイナス面もあります。
でも、「自分の人生をどう生きるか」という点では、大きなプラスの面もあったと思います。
私はその事を、この文章を読んでくれているあなたに知ってほしいと思いました。
この病気になって「私が伝えたいこと」
それは、
「今」を大切に生きる
ということです。
「今」を大切に生きる
「病気になって、初めて健康の大切さに気がつく」
これはよく言われることですが、まさにその通りだと、私は今、心から実感しています。
自分の体を、自分の好きなように動かせること。
これまで当たり前のように、何も意識することなくできていたことが、いかに幸せなことだったか。
そのことに気がつくことができました。
「今、できること」が、この先もできるとは限りません。
将来できると思っていたことが、実は「今しかできないこと」かもしれません。
「将来の自分」は、「今の自分」の積み重ねです。
「いつか、こんなことをやってみたい」
「いつか、〇〇さんのようになりたい」
そう願うことは、とても素敵なことです。
そして、その「いつか」を叶えることができるかどうかは、「今の自分」がどう行動するかにかかっています。
人間関係や金銭面など、今の自分が置かれている環境では難しい。
そうやって、できない理由を見つけることは簡単です。
私も病気になる前は、できない理由を見つけては、先延ばしにしたり、自分を納得させてきたことがいくつもあります。
でも今は、本当にやりたいことがあれば、まず「どうやったらできるか」を考えるようにしています。
私は今年、ラテアートの大会に出場します。
カフェでの勤務経験もなく、これまでずっと「楽しいから」という理由でやっていたラテアートですが、今の自分だからこそ、どこまでできるのか挑戦したいと思っています。
手が痛くて、練習ができないときもあります。
そんな時は、上手な人の動画を見て、イメージトレーニングをしています。
カップとピッチャーさえあれば、重たくて運ぶことが大変なマシンを使わなくても、水だけで練習ができます。
「今」の自分にも、できることはたくさんあります。
「将来の自分」が笑顔でいられるように、
「今」を大切に生きていきたいです。
最後に
ここまで読んでくれて、本当にありがとうございました。
最後に1つだけ。
「関節リウマチ」は、初期の治療が重要だと言われていますが、患者本人も気がつきにくい病気です。
進行の程度によっては、特徴的な症状が見られる場合もありますが、事前の知識がないと、周囲の人はもちろん、患者本人でも、すぐに「関節リウマチ」を疑うことは難しいと思います。
だからこそ、もし「関節リウマチ」について知りたい方がいれば、私でよければ遠慮せずに聞いてください。
私のこれまでの治療経過や実際の症状など、知っていることは全てお伝えします。
私の知り合いの方で、この文章を読んで驚く方もいるかもしれません。
でも、私は別に「かわいそう」でもないし、特別でもありません。
何らかの病気や障害を抱えている方は、世の中にたくさんいます。
アレルギーが原因で、食べたいものがあっても、それを食べられない人もいます。
多かれ少なかれ、それぞれが、何らかの事情を抱えながら生きています。
そして私は、多くの大切な仲間に恵まれ、「今」を幸せに生きています。
だから、これからも今までと変わることなく、どうぞよろしくお願いします。
あなたが「今」やりたいことは何ですか?
これからのあなたの人生が、あなたにとって、
幸せなものになりますように。
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