Japan Accessibility Conference2019
2019.7.20
アクセシビリティにまつわるカンファレンスへ。
【アクセシビリティとAI(Microsoft)】
Microsoftでは、1980年からアクセシビリティの取り組みを行っている。
[OS]
Windows Updateでは、実はアクセシビリティの機能もアップデートされている!
EdgeにPDF読み上げ機能があるのも知らなかった。
[Office365]
WordやPowerPointに読み上げ機能、フォーカス機能、アクセシビリティチェッカー、翻訳機能などがあり、日々進化している。
[App(iPhone)]Seeing AI
アプリを通して見えるものを音声で教えてくれる。
Appからの画像情報→クラウドにアップ→AI解析→情報を返すの手順なので、少しタイムラグはあるものの、これからさらにブラッシュアップ、日本語対応もしたら、必要な人が日常使いするものになるかもしれない。
WindowsやOfficeを使ってる人は多いけど、限られた機能だけ使ってて、あえて知らない機能を使う機会は少ないので、もっとアピールした方がいいんじゃないかと思った。
(余談)スライドの最初にいた「緑の恐竜と猫」のキャラがなんだったのか、聞きそびれた…。
【色弱の私が色は大事だという理由(伊賀さん)】
日本人男性の20人に1人は色弱。
320万人くらいの人が、色による使いにくいデザインがあることを感じている可能性がある。
…というと、「色に頼らないデザインにすればいい」となりがちだけど、必ずしもそうじゃない。
信号など、パッと見て判断が必要なものは、文字より色の方が圧倒的に訴求できる。
例えば、赤と緑は見分けられないけど、赤と青、橙と緑なら見分けられる。
色盲の人も「見分けられる色」を使ったデザインが増えれば、情報をストレスなく同じように受け取れる人が増える。
長年、色弱は色盲とも言われ、劣っているかのように言われることが多かったけど、色数が多く見えることが偉いわけではない。他の人が見えていないものが見えていることがある!
「誰もが自分の色の見え方に誇りを持てる社会に!」
微妙な差に感じるものでも、見え方に大きな違いがある事実に驚く。
自分が描いているものが、どんな風に見えているのか気になった。それによって、色の使い方を考え直す必要がありそう(まずは、シミュレーター入れよう)。
・色弱が世界を変える(Book)
https://www.amazon.co.jp/dp/4778312546/ref=cm_sw_r_sms_awdb_c_O6cnDb60XMEFC
・色のシミュレーター(App)
https://asada.website/cvsimulator/j/
【障害者の働くを解決する(サニーバンク)】
障害者専門のクラウドサービス「サニーバンク」。
働きたくても働けない、場所、時間、人間関係などに縛られずにできる仕事と人をマッチングするサービス。
障害者の仕事は、誰でもできると言われる一般事務、軽い仕事が考えられてきたが、本当にそうだろうか?
障害者だからできること、付加価値になるものが、実はたくさんあるはず。
そこに焦点を当てて、ちゃんと収入を得ることができる仕組みを作りたい。
アドバイザーの伊敷さん(ご本人も弱視)の「アクセシビリティに関わる当事者を増やしたい」思いもあり、まずはアクセシビリティ関連の仕事ができることを増やす対応に力を入れている。
障害者が稼げば、日本は潤う。
税金を払う人も増え、福祉にも影響。
障害者も仕事はできる、楽しいことを知って働く人が増えて欲しい。
思いが詰まったサービスの話だった!
【企業が真剣にアクセシビリティに取り組む今とその可能性(Sony)】
(メモレベルはOKとのことでしたが、スケッチノート出していいかわからないので、画像なし)
<発注者側の視点>
(※この次のセッションは制作会社側の視点)
ソニーグループでは、2007年からアクセシビリティを意識、2016年からはポリシーとして全社に通知。共通基準を設けて、できる限り守るよう心がけている。
[アクセシビリティについて]
グローバル化に伴う海外進出、公共機関のコンペでの条件に入る可能性が高い。
さまざまなデバイス、高齢化、使いやすさなどへの対応が求められ、企業が取り組まない理由がなくなってくる。
→→ビジネス機会の損失につながる
「アンチャーテッドと海賊王と最後の秘宝」のユーザーの声。これはアクセシビリティを考えるきっかけになったものの一つ。
「多くの人を楽しませたいから、アクセシビリティが最優先事項になるのは当然のこと」エンジニアのコメントが印象的。
https://www.youtube.com/watch?v=_-fIH6FxlUM
とはいえ、全部は対応できないので、コスト・時間・リソースの優先度を決める必要がある。
[制作会社との意識合わせ]
ソニーと仕事をする制作会社には、納品時にチェックツールとマニュアルチェックで、アクセシビリティのクオリティが担保されているかを確認するフェーズがある。
(チェックを一発で通る会社はまだない。会社や担当者によってバラツキがあるのも課題)
[社内への浸透]
社内では、動画やトレーニングで、要件定義からアクセシビリティのフェーズを入れるなどの意識を持つ時間を設けている。
[アクセシビリティのビジネスの可能性]
企業はアクセシビリティに価値を見出している。制作会社には、アクセシビリティのスキルアップ、カッコ悪くならないデザインの提案、品質の一つとして担保できることを期待している。
→→ビジネスとして大きな可能性
企業側からのニーズ、予算などの関係で、Webでアクセシビリティがなかなか浸透しない?という思い込みが払拭されたセッションだった。
強い思いを持った担当者がいて、会社ぐるみで取り組めるのは強い。
アクセシビリティに強い制作会社はアピールしたら、ニーズのある企業とうまくマッチングして、お互いストレスが少なく動けそう。
【Webアクセシビリティのスキルがビジネスにつながる時代(ミツエーリンクス/コンセント)】
<制作会社側の視点>
ミツエーリンクス、コンセントの取り組みから見えるもの。
キーワードは、「知る、組む、言う、つかむ」。「自分を信じること」。
・知る→今は当たり前ではないと「知る」
・組む→一人ではなく、いろいろなロールの人と「組む」
・言う→できなくても、(できると)言う
・つかむ→できる案件を「つかむ!」or 引き寄せる
アクセシビリティは単体ではなくて、仕事の中で必要だから入れる、なにかとセットになるもの。
社内社外、さまざまなロールの人の理解、巻き込み、アピールし続ける。
上記の4つのキーワードの内容も、単発ではなく、やり続けることが大事。
アクセシビリティに関わらず、部署を超えて巻き込むって、大事。。
【余談】
様々な視点の話が聞けて、改めて知らないこと、考えたいことが増えた。
今回聞けなかったセッションも、興味深かった。当事者の話を聞く機会は少ないので、貴重。
アクセシビリティって、特別なものと捉えられがちだけど、 懇親会で伊原さんが話してた「将来、日本の人口減・高齢者増→視覚、聴覚などになにかしら支障が出る人も増える、誰にでも起こりうる」って言うと、身近に感じてもらえるかもしれない。
スケッチノート仲間と、自分たちの描いているものの色はどう見えてるのか、描く意味について話せたのもよかった!
個人的には、その場にいる人と共有できるツールとしていいなーと思ってます。
懇親会のご飯も美味しかった!美味しいは正義!イベントもご飯もスポンサー様に感謝。
・Japan Accessibility Conference2019公式サイト
https://japan-a11y-conf.com/vol2/
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