見出し画像

瀬戸内自転車旅行 その4 大三島ー大崎上島ー広島

ブルーな山越えとブルーな天気

翌朝、すてきコテージでのさわやか朝ご飯を海を見ながら取りながらちょっびりブルーな気分。
なぜかといえば、11月6日までの9日間で、たった1日雨予報の日。しかも雨予報なのに、走ったことのない道でさらに大三島横断の山越えが待っている。ブルーになるでしょう。

まずはスタートの山越え。思っていたよりゆるゆるの坂なのだけどこれがだらだらと続いていく。朝だから何とかなるけど、この日走る大三島の2つの山越え、実は3日後にもう一度走る予定。それも夕方ぎりぎりの時間だから、夜にならないうちに宿まで走りきるのにどのくらい時間がかかるかもかくにんしなければならない。
そんなことを考えながら走っていたものだから、ブルーな気分は晴れっこない。

道の駅で休憩後、次の山越えに向かう。
大三島横断はゆるゆるの坂だったけど、つぎは岬越え。意を決して走り出す。
さすがに岬越えだけあって、アップダウンは1つではない。一つ目2つ目といい調子で越えられたが3つ目の坂道でギブアップ。しかもいつまでも上り坂。ここは峠に違いない。小さな集落の中の花畑やレモン畑を横目に見ながらリュックサックが肩に食い込む。いやぁ、1週間分の荷物は重いよ~

坂道を自転車を押して上がっているうちに、ついにパラパラと雨が降ってきた。
泣きっ面に蜂とはこのことだよね。
しかし、押しているうちに頂上は必ず来る。そして登り切った峠の上で見たものは、若干雲がかかっている向こう岸のとびしま海道の白い橋だった。
3日後にはあそこを走るんだぁ、とおもったら、汗だくで引っ張り上げた自転車も荷物もリュックサックも重さなんて気にならなくなった。

そこからは、港に向けて下り坂。あっという間に風を切って到着。
船に乗ったら安心して、うっつらうっつら居眠りをしているうちに大崎上島に到着。
港には大きな看板があって、思わず気分が上がる。「えへへ、初上陸だよ」
実はこれから回る島々は、みんな初上陸なんだけどね(^^;

大崎上島、観光?いやサイクリングだよ!

さて、到着は午前10時。まだまだ「今日」の時間はある。
大崎上島は初めてだし、とりあえず観光?と思って港周りを走り出した。
走ってみても、小さな島の中。道も狭いし山に上がるのは嫌だしなぁとふらふら走り、とりあえず今日の宿を確認したらお昼ご飯をゲットしに行こうと決めた。
ガイドブックによれば、島を横断した向こう側に手作りパン屋さんがあるらしい。お昼ご飯パンでしょう!と、今度はパンのために坂を上がる(笑)
車の走るメインストリートは、トンネルがあると地図にあったので、トンネルは避けて旧道を上ることにした。

小さいトンネルで、転んでメンテナンス道具をぶちまけてなくしたり、狭い歩道しかないトンネルでトラックに追い越されて怖い思いをしたりと、トンネルにはいい思い出がない。トンネルは避けるにかぎる。
ということで、トンネルの上を抜けていく旧道の坂道をまたも自転車を押すことに。
けれど、普段使われない旧道ってのは、落ち葉でいっぱいだったり、道路がひび割れて走りづらかったりするものだけど、個々の旧道はまずまず整備されていて自転車押して上がるのも楽々。時折前からバイクが走ってきたりするけれど、軽トラにクラクションならされることもなく、無事横断しきった。

さて、パン屋さんはどこだろうと見渡してもスーパーが1件あるだけ。もう一度ガイドブックを確認してみると「島で1件のスーパーの中に・・・」とある。あそこかぁ!パン屋を目指す。

ちょうど昼時で、12時の鐘がどこかでなっているなぁとおもっていたら、なんだか高校生ぐらいの子供たちがぞろぞろとやってきた。え?いままで何度もしまなみ街道走ってきたけど、こんなに若者がいるところってなかったぞ。と思いながらパン屋へ向かう。と案の定若者たちが向かうところも同じ(^^;並んで待ってパン屋に入ったときは残り僅か!!売り切れるんだ!こ、これまたびっくり。
あとで、地図を確認したら、商船高専の寮があったり、高校があったりと思いもかけず若者の島だった!瀬戸内の島にもこんなところがあると活気があっていいよね。

さて、昼ご飯も食べたところでどうしようかと海を見て悩む。海洋博物館とか歴史館とかありそうだよなぁとか思ったけど、パラパラ降っていた雨も止んだことだし、そうだよ島には「サイクリング」にきているんじゃん!ということで、大崎上島1周チャレンジをすることにした。
北回りは楽勝で、曇り空で時折雨が降る天気だったけど快調に走行。元の港に着いた時間がまだ午後3時。宿にチェックインには早すぎるなぁと、南側も回ることにした。この決断が大失敗。南側は北側と違って険しい山道。しかも途中の道で電気工事とかしていて回り道をしているうちに、謎の細道に迷い込んだ。

人の庭なの?それとも道なの?グーグルマップで確認しながらなんとか周回道路にたどり着く。
何か楽しみはないのだろうかと、再度ガイドブックを確認すると、山を越えた先に温泉がある!
やった!町営の温泉!!まずは汗を流そう!温泉のために押しましたよ自転車。
目の前にニンジンがぶら下がると元気が出るもんで、温泉到着したときは体力使い果たしてへとへとだったけど、気分上々でした。

日の入り前のチェックインを目指して

町営温泉「薬研谷の湯」はなんと310円で入れるリーズナブルな温泉!タオルの貸し出しはないけれど、何のためにこんな荷物を担いで走っていたのかということで。自前のタオルとバスタオルが大活躍。すっかりいい気分で出発進行。

さて、この時の時間が16時。17時になればもう日が落ちる。街頭もほとんどない瀬戸内の島はどこでも夜は真っ暗。日が落ちる前にホテルに着かなくては。でも今いるのは島の南は篠山の中。さあ、お日様と競争だ!ということで、ガチで頑張りました島半周。

17時が近くなるにつれて、火が落ちて真っ暗になるんじゃないかとドキドキ。そして、お昼に島を縦断したところまで辿り着いた。
ここから北回りなら平坦無道だけど多分1時間以上はかかる見込み。
この坂を越えて、トンネルを我慢して走ればもしかしたら相当なショートカット。
さあ、どちらを選ぼうか。もちろんショートカット。だって距離が3分の1!
ということで坂道を引っ張り出したら、なんと、トンネルに入る前に下り坂に。そして、10分かからずに元の港に到着。

なんだ、行きもこの道通れば簡単だったんじゃない。と思っても後の祭り。
とにかく結果オーライ。宿に向かいました。

宿に到着すると、「ちょうど時間に到着ですね」とにこやかに迎えに出てくれたのはイケメンオーナー!!
このオーナー、地元商船高専を卒業後外国を回る貨物船の機関紙として働いていたのに、故郷の島がだんだん元気がなくなっていくのをなんとかしようとUターンして宿泊施設を開いたという方。しかも、移住コーディネイターもやっていて」、何人も若者を島に呼び込んでいるやりてイケメン(笑)

夕食の時に、島の話や移住者の話を聞いたんだけど面白かったわぁ。
そして、高校や高専がある島だから、島に若者が多いのも大崎神島の特徴なんだって。
地元を盛り上げるあれこれは、そんな島の特徴も活かして活動してるってこと。なんら奇抜なことをやっているわけではないのもすごいなぁと思った。

いざ広島へ

翌日は広島に向かう話をしていたら、イケメンオーナーから耳寄り情報をもらった。
大崎上島から対岸の竹原までは、頻繁にフェリーが出ており、竹原からは広島市内までの高速バスがあって自転車輪行可能とのこと!
しかも、広島での1番の目的「ヨシタケシンスケ展かもしれない」がひろしま美術館でやっているのを見にいく、を話したら、そのバスはひろしま美術館の隣のバスセンター行きだって教えてくれた。

広島への移動はサイクリングするつもりだったのだけど、山越岬越えがまたまた沢山あるなぁとゲンナリしていたし、そうすると美術館に行けるのは翌日11月3日の文化の日、祝日だと混むから並ぶかなぁとか思っていた。
しかし、輪行できるとなれば、博物館にもその日のうちに行ける。翌日がまるまる観光に使える!

翌日は、前日と打って変わって雲ひとつない上天気!
前日に一周したコースと逆回りをして北側の港まで。港に着くと、オーナーの情報通り朝は15分間隔ぐらいでフェリーが出ており、東京の昼間の地下鉄ぐらい本数がある。ほとんど待たずに不目に乗り、さあ広島へ!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?