見出し画像

M I S(Mission Impossible SETAGAYA)


ここのところ寒すぎるし、高校野球もやってないし、駒沢公園で飲むのもムリだし

だから週末はほぼ冬眠しながらAmazonプライムでトリプルエックスやミッションインポッシブルのシリーズをイッキ見してたんだけど
だいたいこの類の映画観てるとなんかヤクザ映画観た後、自分が強くなった気がするのと同じで
どんなインポッシブルなミッションもイーサン役のトムクルーズのようにこなせる気分になるよな

ただ現実にオレに下されるミッションは
看守のお迎えとかドラッグストアに柔軟剤を買いに行くことくらい😭

高揚したテンションはテロリストから日本の危機を救う為には全く役にたってない

それがなんと今日!
昼過ぎにイーサン気分で
マンションのエントランスから刑務所長(妻)と看守(娘)と三人で外にでて
空を見ながら太陽が眩しい昼下がりだなと
心の中でつぶやいていたら

うちのマンションの4階のルーフバルコニーから悲痛な声!
すいませ〜ん、すいませ〜ん

ついにうちのマンションの屋上にテロリストが舞い降りてきたのか⁉️

と思ったら
初老の女性が薄着で寒そうに
何かオレに助けを求めていた

話を聞いてみると
ルーフバルコニーに出たら何かの拍子でサッシのクレセントが閉まってしまい締め出されてしまったとの事
助けてほしいが玄関のカギはかかっているらしい

完全にイーサンの出番じゃん

でもデきる工作員は相手の事を頭から信じるのは御法度だ

もしかしたら
初老の女性のふりしたテロリストかもしれないと疑う事が大事だ

とりあえずオートロックを自分のカギで開け
エレベーターで4階へ
玄関ドアを開けようとしたら彼女の話の通りカギがかかっていて開かない

すぐさま玄関の反対側の柵をよじ登りルーフバルコニーの端が見えるところまで近づき、
聞こえますか〜
と声をかけたら彼女が近づいてきた

もしかして銃を持っているかもしれないと
注意しながら
さらに彼女に話を聞いてみると

彼女の息子夫婦が遠方にでかけるので
夜まで赤ん坊の面倒と留守番をしてたところ
バルコニーに締め出され、部屋には赤ん坊が取り残されてしまってるとの事
玄関やほかの窓も全てカギはかけてしまっている状況
泣きそうな顔をしている彼女の言葉に嘘はなさそうだ

まさにミッションインポッシブル!

完全にイーサンスイッチが入ったオレは
まずはこの寒空の下、彼女の体力が奪われないよう
ルーフバルコニーに干してあった毛布を体に巻くよう指示し
すぐにCIAではなく、KRG(管理会社)の24時間コールセンターに連絡を取り、SECOMにきてもらいカギを開ける段取りをとりながら

彼女に最後の確認をした

玄関ドアのロックバーはかけてありますか?と

彼女の答えはYES、、、、

万事休すか、、、

24(トゥエンティーフォー)のタイムリミットのBGMも頭の片隅に流れてくる

SECOMの人にカギを開けてもらっても
ロックバーがかかっていたら扉は開かない

消防隊員にきてもらい
ロックバーを破壊してもらうしかないのか、、

いや
CIAの訓練所ではなく
前に映画でロックバーを開ける方法を見たことがある

オレは刑務所長に家から糸をもってきてもらうよう素早くたのむ
そして救出記録の証拠として看守に写真撮影をするように指示をだす


その間にSECOMの隊員が現場に到着
オレはこのミッションの相棒となるSECOMの隊員をワイルドスピードのドウェイン・ジョンソン風にイメージしていたが、現実は
腹がですぎてシャツが持ち上がり背中の肌が丸見えのお茶目な隊員

玄関のカギは開いたのだが
やはりロックバーがかかっており
扉は開かない
肩を落とすSECOMの隊員を横目に
オレは刑務所長が持ってきた糸を
少し開いた扉のロックバーにつなげ、こともなくロックバーを解除し
扉を開けることに成功した

細かい方法はここでは明かさないでおく
CIAの機密事項だからだ
ただ!
オレはこともなくロックバーを解除したことだけは伝えておきたい

ミッションコンプリート

オレは心の中でつぶやいた

民間人を装っているオレは
部屋に入ると
いろいろ問題がありそうなので
最後のいいところは相棒のSECOMの隊員に頼み彼女を救出してもらった

救出され玄関まで出てきた彼女がオレの顔をみているシーンのBGMはジョー・コッカーとジェニファー・ウォーンズの愛と青春の旅立ちだったに違いない

助けてくれてありがとうございます

お名前を教えてください
と言われたので

民間人であることをアピールしなければならないオレはあえて2度ほど同じマンションの○○○号のものですと繰り返した

決してマンションに二部屋しかないルーフバルコニー付きの大きな部屋の所有者である彼女の息子から過剰なお礼を期待しているわけではない

これからもオレが世田谷のイーサンとして
生きていく為には仕方ないことなんだ
CIAの工作員である事は家族にさえ秘密にしておかないといけないから

オレはこうしてこれからも世田谷ウルトラ警備隊として地域の平和に貢献し、恥ずかしながら生きていく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?