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温泉×公園を再生する「中津パブリックトライアル」中津市インタビュー#3

中津市の西谷温泉公園の活用について検討すべく地域科学研究所と中津市がともに取り組んだ社会実験「中津パブリックトライアル」。実施内容については以下の記事からどうぞ。

今回の記事では、この「中津パブリックトライアル」について、中津市役所 財政課 行政経営改革室の真玉様に取り組むきっかけや今後の展望についてお話をお伺いしてきました。

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”行政経営改革室”が目指すもの

経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の最適な配分を目指して、「中津市行政サービス高度化プラン」と「中津市公共施設管理プラン」に沿った取り組みを推進することがミッションです。いわゆる「行財政改革」の担当部署ですが、企画部門ではなく、財政部門の課内室に置かれていることから、一層コスト面に重点を置いて業務を行っています。

従来の行財政改革といえば、「人件費カット」とか「補助金カット」といった、ネガティブなイメージが一般的かもしれませんが、現在の社会情勢を鑑みたときに、そのような取り組みだけに主眼を置いていては、このまちが負のスパイラルに陥ることも想像に難くありません。

今後は ICT などを活用しながら、市民サービスの質も向上しつつ、業務の効率化も図り、経営資源を最適化するというのが求められています。

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「中津パブリックトライアル」のきっかけ

西谷温泉公園は指定管理者制度が導入された当初から、第三セクターが運営を行ってきました。ですがここ数年、役員の高齢化や、施設のポテンシャルを活かした経営ができていない状況が続いていました。

そこで、西谷温泉公園を考えるにあたって、まずどのような施設活用の選択肢が考えられるのか、オープン型サウンディングに何度か参加させていただき、多くの事業者様から様々なご意見をいただきました。

意見を総括してみると、「この施設をどのようにしたいのか」というビジョンを、まずは中津市自らが描くことが先決であることがわかり、中津市役所の職員や地元の方々に対して、目に見える何らかの形で、施設の可能性を考えるきっかけとなる取り組みができないかと考え、”パブリックトライアル”の実施に至りました。

トライアル実施後の変化

普段使われていない空間が全く違う雰囲気に様変わりし、「ちょっと次の休日に足を延ばしてみようかな・・・」と選択肢に含めていただけるようなスポットに変わる可能性を秘めていると感じました。

来場してくださったお客様は、普段我々職員が思い描いている施設のイメージとは違った感性でこの施設の雰囲気を感じていただいたこともアンケートでわかりました。ビジュアル面でも写真や動画を作成していただきましたので、それらを活用しながら、西谷温泉公園の運営を担ってくださる、良いプレイヤー様に巡りあえるよう、積極的な営業活動を行いたいと考えています。

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これからの「中津パブリックトライアル」展望

今回の取り組み全体を俯瞰して見ると、地域に占める公共財産は実はほんの一握りなのに、あたかもすべての市有のハコモノの一つ一つがこの街の将来を左右するような、そんな錯覚に自分自身が陥っていたことに最近気付かされました。

その気づきを踏まえて、まずは職員に「実は公共施設って、まちの空間の一部として気軽に使えるんですよ」ということを、広げていきたいです。行政の内部には、「公共施設(ハード面)はこうあるべき」みたいな暗黙のルールみたいなものがあり、それが新しい取り組みにつなげる壁になっているように感じます。それを少しずつ取り払い、より時代にあった公共施設の在り方を模索できればと思います。(もちろん最低限のルールは守りながらですが)

今後、市民の皆様や事業者の方々は、ハコモノそのものの存在よりも、ハコモノの中で提供されているソフト面のクオリティがどうなのか? を重要視されるのではと思っています。自治体も時代に合わせて考え方を柔軟に変えながら、市民の暮らしの満足度が高められるような公共施設の運営をしていきたいですね。

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中津パブリックトライアル
期間 2020年10月3日
場所 西谷温泉公園(大分県中津市本耶馬渓町西谷1448)
時間 13:00~17:00

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