見出し画像

大川原高原“つくる”高原プロジェクト ~大川原高原を活かした教育ワークショップ!~

皆さんは、徳島県佐那河内村にある村有数の観光スポット、大川原高原をご存じでしょうか?
大川原高原は標高は1000m以上にあり、約3万本のあじさいや風力発電施設があることで知られております。徳島市内から車で約1時間とアクセスも良く、シーズンには多くの観光客でにぎわいます。さらに、展望台や天体望遠鏡を備えた「大川原高原ヒルトップハウス」なども整備されています。

尾根に並ぶ風車
大川原高原から望む夕暮れ時の山なみ

しかし、オフシーズンの利用は少なく、通年のリピーターの獲得が課題となっています。
そんな大川原高原の課題に取り組もうと、『大川原高原“つくる”高原プロジェクト』が産官学連携のもと進んでいます!

今回はそのプロジェクトの一環として、教育コンテンツの可能性を検討するお手伝いをさせていただきました!
大川原高原の魅力でもあるヒルトップハウスの天体望遠鏡風車を活かし、2日間のワークショップを実施しました!
10月15日(土):「秋の星空観望会~みんなで秋の星空を観察しよう~」
10月16日(日):「グリーンパワー・キッズプログラム~グリーンエネルギーを創って学ぼう~」

10月15日(土)は「秋の星空観望会~みんなで秋の星空を観察しよう~」を実施しました。
10月16日(日)は「グリーンパワー・キッズプログラム~グリーンエネルギーを創って学ぼう~」を実施しました。

【大川原高原・ヒルトップハウス】とは?

大川原高原の絶景の中にあるのが、”大川原高原ヒルトップハウス”です。佐那河内村所有の施設です。大川原高原にある風力発電施設に関するパネル展示や会議室、天体望遠鏡の利用が可能です。夏季(主に4月~10月)の9:00~17:00で開館しております。
設置されている天体望遠鏡は大口径500mm反射望遠鏡であり、澄んだ空気の中での星空観望会が、年に数回(7月中旬~9月上旬)実施されております!
また、夏の間は地元の生産者による「あじさい市」が行われており、農産品や加工品が販売されています。あじさいが咲く時期は観光客で盛り上がります。

大川原高原ヒルトップハウスと風車

1日目「秋の星空観望会」

大川原高原は標高が高く、周りに遮るものがないため、夜には満天の星空を見上げることができます。この美しい「星空」とヒルトップハウスに設置されている「天体望遠鏡」をテーマとし、2部構成のワークショップを実施しました。たくさんの地元の小中学生や親御さんに参加いただきました!

みなさん、真剣に聞いています。

第1部 望遠鏡について知ろう、望遠鏡を作ってみよう!

四国大学の方々にご協力いただき、第1部では天体望遠鏡について仕組みを学び、実際に ”自分で作ってみる” ワークショップを行いました。
天体望遠鏡の作成キットを、実際に参加者自身で組み立てしていただきます。それぞれの部品の役割や、構造、焦点の合わせ方など、天体望遠鏡の基本的な仕組みについて、専門家による解説のもと学びました。

基本的なパーツについてわかりやすく教えていただきました
早速、自作の望遠鏡で練習です。しっかりピントが合っているかな?

第2部 ヒルトップハウスの天体望遠鏡を使ってみよう、秋の夜空を観察してみよう!

第2部では専門家をお招きし、屋外での星空観察やヒルトップハウスにある大人がすっぽりと収まりそうなほど大きな天体望遠鏡を使った天体観測を行いました。天候にも恵まれ、雲ひとつない満点の星の下、多くの参加者で賑わいました。子ども達だけでなく親御さんも一緒に楽しんでいる様子でした。

屋外は外灯がほとんどなく、街中では見れないたくさんの星を観察できます。専門家の方に星や星座について解説をしていただきました。参加者の皆さんからも、「あの星は何?」「この星座はどこ?」と多くの質問が飛び交っていました。

レーザーポインターで実際の星を指しながらの解説です。

天の川もきれいに見ることができました!お伝えできる写真がなく残念です。ぜひ、「大川原高原 天の川」で検索してみてくださいね。

写真で美しい星空をお伝え出来ないのが残念です!

最後は、ヒルトップハウスに設置されているとても大きな望遠鏡で、星の観察です。とても遠くの星を、実際に図鑑で見ているかのようにみることができます。いくつも見せていただきましたが、私は木星の衛星を実際に確認することができたことがうれしかったです!
子どもたちは、普段なかなか見ることができない星々に大興奮でした!

ヒルトップハウスに設置されている口径500mmのとっても大きな望遠鏡。大人でもすっぽり収まってしまいそうです。星に狙いを定めるときには、ドームごと回転していきます。

大川原高原ならではの星の楽しみ方を満喫できたプログラムで天候に恵まれたこともあり、雲一つない星空を堪能することができました。寒い中でしたが、皆さん時間いっぱいまで星空を見上げており、楽しんでいただけたようです☆彡

2日目 グリーンパワー・キッズプログラム

大川原高原では、再生可能エネルギーである風力発電施設の風車が、尾根に15基設置されています。2日目は風力発電を通して、発電・エネルギーについて学ぶことができるワークショップを実施しました。

第1部 風力発電事業者に聞く!風力発電の仕組みと施設見学

第1部では、風力発電で使われている風車についての説明や、実際に現地の風車を見学しました。風力発電事業者のユーラスエナジー様と風車のメンテナンス等を実施されている四電エンジニアリング様にご協力いただき、詳しくお話を聞くことができました。

実際の風車について、パネルを使いながら説明していただいています。

風車のメンテナンスでは、下の写真のような安全装備で、点検や補修を行っており、上からの風景は絶景だそうです。ブレード(羽)のメンテナンスをするときは、忍者のようにワイヤーを使って行うこともあるとか・・・

実際のメンテナンスについて教えてもらっています。
メンテナンスに使う道具も見せてもらっています。結構重たい!

実際に風車の中を見学しました。予想と違って中は空洞。エレベーターで上まで登り、メンテナンスをするそうです。

左側の箱がエレベーター。上るのは遅いみたいで、はしごで競争したら勝てるかも?

最後はクイズ形式でおさらいしました。実際に勉強したこと、お話で聞いたことを思い出し、皆さん積極的に参加されていました。

ブレードの先端の時速は、なんと新幹線のスピードと同じくらいだそうです・・・速い!

実物の風車を間近で見ることができ、発電の仕組みやメンテナンス方法も知り、終わるころには参加者の皆さまも風力発電について詳しくなっていました。

第2部 エネルギーを創って、理解を深めるワークショップ

第2部では風車の羽を自作し、発電にチャレンジしました!まず、先生から風力発電の仕組みやメリット・デメリットなどを教えていただきました。

風力発電と風車についての講義

見学した風車や教えてもらった羽の例を参考にしながら、各々好きな素材を使って、工夫しながら作っていきます。果たしてうまくいくのでしょうか?

この風車の羽は紙コップです。ペットボトルや紙皿、プラスチックフィルムなども使ってみます。

皆さん、羽の角度や間隔を工夫して、良く回るように調整しています。扇風機で風を当てて、羽を回します。実際の風力発電と同じですね。羽が上手くできていると勢いよく回り、モーターとつないだ発光ダイオードが光ります。うまく光らせられたときは、皆さん喜んでいました!

よく回っています、発光ダイオードは光ったのでしょうか?

参加者の皆さまは積極的に手を動かし、試行錯誤を繰り返す中で、風力発電への理解がより一層進んだようです。

身近な施設から〇〇を”つくる”

今回は、『大川原高原“つくる”高原プロジェクト』の一環として、大川原高原を舞台に "まなぶ”を "つくる"、という取り組みでした。2日間とも天候に恵まれ、イベントは大成功でした!

大川原高原、ヒルトップハウスには、あじさいやきれいな星空、風車のある景色を求めて、多くの方が訪れます。そんな強みや特徴から生まれたワークショップです。

天体望遠鏡 を  ”つくる”
風力発電  を  ”つくる”

きくだけではない学ぶ場、手を動かして考え、"つくり"ながら学ぶ場

そんな場を”つくる” プロジェクトになったのではないでしょうか!

今回の取り組みを通して得た気づきや、参加者からのアンケートを参考に、今後もよりよいコンテンツを作り、大川原高原を盛り上げていければと思います!

written by Koki Imaeda


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?