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「そこに困っている人がいるから」 ひとり親家庭を支え続けるNPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ赤石千衣子さんインタビュー(前編)

様々な社会課題の解決に向けて取り組む方々をご紹介していくPublic MindのStories。
今回は長年にわたって、ひとり親家庭を支え続けている、しんぐるまざあず・ふぉーらむ代表の赤石千衣子さんを前編・後編の2回に分けてご紹介します。
前編では新型コロナウィルスの感染拡大の影響が直撃したひとり親家庭の状況と支援についてお聞きしました。
(このインタビューは2020年9月に行いました)

赤石千衣子さんのご紹介

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認定特定非営利活動法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長。https://www.single-mama.com/
当事者としてシングルマザーと子どもたちが生き生き暮らせる社会をめざして活動をされ、2013年から始まった厚生労働省社会保障審議会児童部会「ひとり親家庭の支援の在り方に関する専門委員会」への参画や東京都ひとり親家庭の自立支援計画の策定委員など有識者として幅広い情報発信と政策提言をされています。
著書に『ひとり親家庭』(岩波新書、2014年)、共著に『災害支援に女性の視点を』、編著に『母子家庭にカンパイ!』(現代書館)、『シングルマザー365日サポートブック』他。

1.新型コロナがひとり親世帯に与えた影響 

―――新型コロナによってひとり親世帯に起こっている状況を教えていただけますか。

新型コロナの感染拡大による緊急事態宣言で一斉休校などの措置が取られました。この結果として「就労に影響があったシングルマザーが7割」というデータがでています。非常に多くの方に影響がでています。

(参照)
1800人の新型コロナウィルスの影響によるシングルマザーの就労・生活調査
https://www.single-mama.com/topics/200828kaiken/
速報レポート「1800 人の就労・生活実態調査・速報 新型コロナウィルス・ 深刻化する母子世帯の暮らし」
https://note.com/single_mama_pj/n/n83bb1e08b706?fbclid=IwAR0TLltGjx_XQBDr8s9m2sE8wc3ODa8QauXk60SYtAJMq_xVcNGRR53f13w

―――「コロナ禍でシングルマザーなどひとり親が困窮している」という報道がされていますが、その際にしんぐるまざあず・ふぉーらむさんの調査結果がよく引用されています。

実は政府の労働政策研究・研修機構の調査では「4割超が雇用や収入に影響があった」という回答でした。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20200610.pdf
4割でも非常に多いですが、シングルマザーの場合は7割。強く影響を受けたことがわかります。

――なぜシングルマザーは影響を受けやすいのですか。

理由の一つは雇用形態です。シングルマザーは非正規雇用が約半数です。また正規雇用であっても保険外交員など成果給の割合が高い業務の方が多いです。そのために給料が減る事態に陥りやすい。
また外食やサービス職などエッセンシャルワーカーの方も多く、人との接触を伴う業務のため緊急事態宣言を受けて休業するケースもありました。
職場が休業しなくても現場で働いて感染することを不安視して「自発的に休業」する方もいました。

――自発的な休業ですか。

はい。シングルマザーは子育てを1人で担うことが多いので「自分が職場で感染して子供をみる人がいない事態」を避けるため、自発的に休業するシングルマザーが約3割いました。これはしんぐるまざあず・ふぉーらむが調査をして初めてわかったことでした。

――その他にどんな影響がありましたか。

一斉休校で学校給食がなくなったのも大きな影響です。給食は子供たちの3食のうちの1食、子どもたちの生存を保障してきました。就学援助で給食費が出ていた家庭も、休校に伴ってその就学援助費が支給されず、昼食代がそのまま負担増になったのです。

――学校給食はとても大事な役割を担っているんですね。

2.コロナ禍における悲痛な叫び

――しんぐるまざあず・ふぉーらむのレポートで「お金が足りないので子どもたちは1日2食、自分は1日1食に食を減らして対応していた」といった内容を拝見しました。令和の時代に「食べることに困窮する」こと、非常に胸を痛めています。こうしたシングルマザーの方々はどのように助けを求めているのでしょうか。

メディアに紹介される度に私たちの元には「ひもじい」「お米があと2合しかない」「何とかしてお米を送ってください」といった悲痛なメール相談が届きました。特に緊急事態宣言とそれに伴う一斉休校が行われていた4月から5月にかけて多かったです。

――届いたメールに対して、どのように対応されていたのですか。

まずはお米をお送りしていました。
そのうえで緊急小口を社会福祉協議会で借りる方法をご説明しました。

全国社会福祉協議会 生活福祉基金制度についてはコチラ
https://www.shakyo.or.jp/guide/shikin/seikatsu/index.html
生活福祉資金制度による緊急小口貸付についてはコチラに詳しく紹介があります。
https://www.shakyo.or.jp/coronavirus/shikin20200324.pdf

――全国各地にある社会福祉協議会(以下、社協)を紹介されたのですね。

はい、本人に近くの社協に行ってもらうのですが、何か証明書類が足りなくて借り入れができないこともあります。厚生労働省の問答集をもとに先方の社協と交渉をしてOKをもらえるところまで調整しました。
やはり4,5月が一番厳しかったです。一気に困窮したのだと思います。

―――困窮を解決できるように、とことんお手伝いをなさっているのですね。

(インタビュー後記)

コロナ禍が直撃したひとり親家庭の状況としんぐるまざあず・ふぉーらむの支援についてお聞かせいただきました。次回後編では、シングルマザーを支える活動を始めたきっかけ、こころのケアや就労支援など幅広い活動内容などについてお聞きします。

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んぐるまざあず・ふぉーらむの活動は、皆さんの寄付によって成り立っています。認定NPO法人(認定特定非営利活動法人)として認定を受けており、当法人へのご寄付は、寄付金控除の対象となります。
https://www.single-mama.com/donation/

インタビュー:パブリックマインド(岩崎明彦、小出雄太、公山倫子、佐藤大介、高原月子)
構成:小出雄太、高原月子

後編はこちら





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