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【無料note】お金が「貯まる族」と、「貯まらない族」

まったく金が貯まらない男が、知人に何人かいる。

その金の貯まらない男の行動を見ていると面白いほど似通っていて、
部族のようなので彼らを「お金が貯まらない族」と呼ぼう。

「貯まらない族」はいつも、「あれがほしい」「これがほしい」と呟いている。
やれ、新しい時計が欲しい。
新作のコートが欲しい。
新しいiPhoneが欲しい。

と言う。

不思議だなと思うのは、彼らのなかではいったん「欲しい」となると、知らぬ間に「買わなければならない」と脳内で変換されてしまうようなのだ。
たとえば「新作のコートが欲しい」と思った途端、貯まらない族の脳内では「新作のコートをなんとしても買わなければならない」と処理されているらしい。
そうして、彼らの頭の中は「欲しいもの」=「買わなければならないもの」でいっぱいである。

飽くなき探究心、と言えば聞こえがいいかもしれない、否、底なしの浪費欲求とも言える。

●「貯まらない族」の掟

「貯まらない族」と居酒屋に行ったりすると、彼らは「この店に来たら、これを食べないといけない」みたいなことを言う。
私は「別に食べなくてもよくない?」と口からこぼしそうになるが、そういうことを言うと「お前はわかってないな」と言われ説教などされてろくなことにならないので、ひとつ飲み込んで、彼らの言うとおりにする。

そして一軒目を出ても「二軒目は言っとかないとなあ」となる。そして二軒目を出たら「飲んだあとはラーメン行くしかないよな」となる。
やはり不思議なのは、自分の意志のはずなのに、彼らは暗黙の決まりとルールに従って行動しているような物言いなのだ。

「貯まらない族」はきっと消費社会を掟通りに生きる民なのかもしれない。

●「貯まる族」の特徴

一方で、金を貯めるのがうまい「貯まる族」というのも存在する。
こっちの部族に特徴的なのは、「要らない」という意味の主張を明確にするということだ。

たとえば、飲み会は一次会で切り上げて帰ったりする。
「二軒目は行きません」と直截的にいうと角が立つので熟練者は、「明日早いんで」とか「子供が熱出していまして」「行きたいんですけど仕事が・・・」とか言ってマイルドに断る。

あるいは、セールだからといって物を買わない。
「セール?服なんて欲しくなった時に買えばいいんでしょ?だってたいていお気に入りのものってセール対象外だし」
このセリフを言った彼女はパッと見はキラキラしたインスタ映えする女性だが、物欲に関しては質素で、本当に気に入ったものしか買おうとしなかった。
世界で大ブレイク中のこんまり氏の「ときめきお片付け」に通ずるものがある。

よくわからない慣習やルールに従わず、自分で要る要らないを判断しているということなのかもしれない。

●「貯まる族」と「貯まらない族」の違い

ふたつの部族を見てみて分かるのは、
貯まる族においては、「欲しい」と「必要」がきちんと分かれている。
そして「今は要らない」という選択肢が存在することだ。
ゆえに貯まる族は「欲しいが要らない」という判断ができる。
一方、貯まらない族はこれができない。
「欲しいものは、必要!」なのだ。
この違いが大きいのかもしれない。

さらに、両者を比べて見てわかるのは、「欲しい」の出現頻度が違うらしいことだ。

金の貯まらない族にとっては、「欲しい」は常に存在する欲求で、
金の貯まる族にとっては、「欲しい」はたまに出現する欲求

[欲しい=want=不足]ということからみても、常に何かを欲しているということは、常に満たされていないということとも取れる。
「貯まらない族」の人は、いつも何かが足りていないのだ。

Steve JobsがStay hungry, stay foolishと述べたが、常に満足しない人生もそれで素晴らしい生き方だとも思う。

しかし、もし、「貯まらない族」の人が「貯まる族」に転族したいのであれば、やり方は簡単。

現状を満たされたものだと思えればいいのである。

足るを知ること。余剰資金はそこから生まれる。



おしまい


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