【旬杯ストーリー・転】星降るエクスプレスに乗って
⭐️承
⭐️転
菜々は時刻表に挟んであった切符を手に、東京駅へ向かった。
見たことのない切符だが、おそるおそる自動改札に入れるとすんなりと通れた。
夜でも多くの人が行き交う東京駅なのに、菜々の乗る予定である11番線のホームには誰ひとりいない。間違えたのかと時刻表を確認するが、やはり合っている。ほどなくして滑らかな濃紺の車体がホームに滑り込んできた。
菜々が乗り込んで席に座ると、列車はするりと動き出す。少し埃くさい車両の匂いや緩やかな揺れが、地元のローカル線を思い出さ