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英語で伝える体幹自動運動検査

先日、ひとりの外国人患者さんが卒業を迎えた。学校の先生で体育を教えているが、股関節が曲がらなくなり、脚が上がらなくなり困って受診したのが始まりだった。英語を話せる日本人にはあまり出会わないことから、私のジャパニーズイングリッシュ、いやサムライイングリッシュ(SAMURAINGLISH)も暖かく迎え入れてくれた。エクササイズで症状が変わることを実感し、ハンズオンの治療で痛みとクリック音が緩和することに喜んでくれた。そして、日本と他国の体育教育の違い、お酒を飲みすぎた時の失敗談など、僅かながら異文化交流をすることができた。最後には、新しい職場で日本語での体育指導も学んでいる、そんな前向きな姿勢も見ることができた。もしまた違う形で会う機会があったら、その時はきっと体のことや体育の話、仕事の話、お酒の話などが進んでいるに違いない、きっとそう思う。

余韻に浸りたい思いもあるが、のんびりもしていられない。そのちょうど翌日、「日本語話せない新患さんがいるので、予約入れさせてください。」助手さんから言われた。最近多くないかな?と思いつつ、近い日で空いてる時間で予約を取ってもらうことに。

でも、大事なことを確認してなかった。日本語話せないとは聞いたが、英語は話せるのだろうか?過去に日本語を少しだけ理解できる中国人と、その友人で、中国語しか分からない患者さんを担当したときにだいぶ苦労した記憶が脳裏によぎる。

まぁでも、困ったらボディランゲージでなんとかなるだろう。日本語よりは英語のほうが伝わるだろう。と言うわけで、本日は体幹に対する自動運動検査について、学んだ英語表現を記録することにする。

腰痛患者に対する自動運動検査

英語しか話せない外国人の患者さんを担当することになって、主訴が腰の痛みだったら?スポーツ愛好家だったら?

もちろん、電子カルテでドクターの診断結果や画像を確認しますし、問診で主訴や現病歴について細かく聞きます。主訴によっては、野球のバッティング動作をみるかもしれないし、ゴルフスイングを確認するかもしれない。ランニングで痛みが出る場合は、普段のランニングフォームを動画でみせてもらうことになるかもしれない。日常生活の特定の動きで痛みが出るようなら、その動作を実際に見せてもらうかもしれない。

でも、主訴がどのような動作で再現される場合であっても、前後屈のような基本的な運動で痛みが出るのか、運動パターンはどうなのか、リハビリテーション室内で再現できる疼痛はあるのか、確認しますよね。

以下、英語にしたのは、私が個人的によく行なっている自動運動検査です。回旋動作で痛みが出る場合、走動作で痛みが出る場合、あるいはその他の動作で出る場合であっても、これらの評価で大まかに問題をとらえます。

以下の英語表現は🇵🇭PTとのオンライン英会話で添削してもらったものなので、もしかしたら、役に立つことがあるかもしれません。

Movement screening assessment

1. Multi-segmental flexion (SFMA)
Stand erect with your feet together. Bend your body forward and reach for the floor. You should keep your knees straight. And come back to the starting position.

2. Extension (Active ROM)
Stand straight with your feet together. Put your hands on your hips. Lean backward as far as you can. And come back to the initial position.

3. Multi-segmental extension (SFMA)
Stand erect with your feet together. Raise your hands up over your head with your arms extended, and with your elbows in line with your ears. Lean backward as far as possible, and make sure your hips go forward, while your arms are going back. And then come back to the starting position.

4. Side bending (Active ROM)
Stand straight with your feet together. Bend your body to the left, and with your left hand, try to touch your left knee. And come back up. And then same on the other side. And come back up.

5. Multi-segmental rotation (SFMA)
Stand erect with your feet together, and your arms extended to the sides. Rotate your body to the left as far as you can, and try to look behind. And same on the right side. And then come back to the starting position.

6. Overhead deep squat (SFMA)
Stand straight, your feet shoulder width apart. Raise your arms over your head with your arms extended. With your hands above your head, squat as low as you can go. Make sure your heels are on the floor, head and chest facing forward. And come back up.

7. Single-leg stance
Stand straight with your feet together. Lift your right leg to a 90 degree angle. And same on the other side. And then come back to the starting position.

8. Single-leg squat
Stand on your left foot and squat with your left leg, while keeping your right leg back. And come back up. Repeat that for 3 times. And same on the other side.

おわりに

🇵🇭PTとのオンライン英会話も、もう少しで20回に到達する。なんとなくだけど、5症例くらい模擬患者を経験することで問診には自信が持てるようになり、でも評価で運動指示が出せなくて凹み、部位別に運動検査を練習することで評価にも少し自信がついてきたかなと思ったら、エクササイズ指導で苦戦したり。

そんなことを経験しながら人は大きくなる。

涙流さぬよう、人に悟られぬよう、自分見失わぬように。

来春くらいにはサクラ咲くことを祈る。

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