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【C104】生まれて初めて本を書いた話。

こんにちは。
トレミーと申します。

先日、私事ながらこんな投稿をいたしました。

そう、コミケの宣伝ツイ。
なんの前触れもなく投げてすんませんでした。

というわけで改めまして。
先日、コミックマーケット104にて
棗いつき 4th Album 「CodeQ」の
二次創作小説を頒布させていただきました。

題して
「CodeQ departures」

今回はこれについて雑多に喋ります。
直に内容をしゃべることはありませんので
作者の負け惜しみ独り語りと思って
気楽にお読みいただければ幸いです。

では早速。






1.キッカケ。

時は2023年12月31日。
過ぎる年に思いを馳せ、来る年に期待を込める日。
そんなしみじみとした大切な日に。

私はコミケにいました。オタクなら当然ですね。

本当は家でぐーたらしてる予定でした。
人も多いし。あっという間に金は蒸発するし。
ところが知り合いのサークル参加常連マンから
「人手くれ〜(要約)」との一報が。1週間前に。
ちなみに当時、私は買い手としてコミケに参加する
ことはあってもサークル側の経験はゼロ。
ノウハウも知識もドの素人でございました。

無論、二つ返事で受けました。
楽しそうだったし。

そうして空から湧いた初のサークル参加。
それがもう、最高に楽しかったんです。
いやもう、視点が変わるだけで見える世界が
丸々と変わる感覚。
あと並ばなくてもいいし。

…また、やりてえな!
なんて巫山戯た感情が湧くのも自然なことでした。

で、コミケ後大晦日の夜の打ち上げにて。
カラオケで喉を枯らし酒で浸かった頭。
頭のネジがゆるっゆるの状態で出た言葉が、

「…俺、いつかサークル側で出るわ!」

年を跨ぐかどうかというくらいの時間のこと。
仲間内ではありますが堂々と宣言しておりました…
何を書くかも決まってないけど、
まあこんだけ推しに狂ってるなら形にしたいよな〜
みたいな感じでございます。
私のはじめの一歩はそれくらいいい加減で、
随分とお気楽に踏み出したものでありました。

正直、ここまでなら良かったんです。
急に流れが変わったのは年明けまも無くのこと。

そう、棗いつきさんの年始配信内にて。
年初めということもあって内容はズバリ、

「今年の目標」

なんだか嫌な予感がしてきましたね

ちなみに当の彼女から出てくる目標は
「友達を増やす」
といった微笑ましいものから
「年内登録者10万人」
といった具体性のあるピリッとしたものまで。
決して簡単ではない目標が連なっていきます。

だからなんでしょうね。
推しが頑張ってるから、自分も頑張りてぇよな!
みたいなテンションだったと思います。
いや、頑張りたいじゃないですか、実際。
目標宣言!とばかりに送ったスパチャがこちら。


「新年の目標は同人誌製作です。退路を断つためにここで推しに向かって宣言しておきます。」
(原文ママ)


一体私は何を口走ってるんでしょうか。
今見ても正気じゃないですね。
でもまあこれだけならまだ、良かったんですよ。
まだ耐えてる。崖っぷちでタップダンス。
これ見て彼女から
「あ~頑張ってね~」
みたいな言葉で済むと思ってたんですわ。
で、実際に返ってきたお返事がこちら。


「お?言ったな???覚えておきますよ???」

「年末に私だけが『達成できたんですか???』
って言われるのを防ぐために覚えておきますw」


…終わった。
目頭を押さえて天を仰ぐ私。

もう喉奥からヒェって声しか出ませんでした。
新年早々、全身の細胞が凍りついた瞬間です。
同人誌書くわ!って宣言して
推しに「覚えとくで~」って刺されたオタク。
世界にどれだけいることでしょうか。

かくして。
軽い気持ちで退路を断つつもりが
時限式の爆弾を背負わされてしまい。
手持ちのコマンドから
「にげる」
コマンドが蒸発していきました。

ここからが、まさに修羅の始まりです。




2.題材探し、執筆。

目標はあくまでも同人誌を書くこと。
自分はまだ絵が描けないので、必然的に
文章ベースの冊子を作るのは確定的でしたが…

まあ、何を書くか決まってなかったのです。

ただただ8月のお盆までに本一冊を仕上げる。
それしか決まってない私にとって
題材探しは火急の用と言えます。
当たり前ですが、何書くかも決まってないのに
文章も記事も書けないですからね。

しかしこの問題は思ったより早く
解決の糸口が見つかりました。

「棗いつき 2nd LIVE 『パラレルショット』」

推しに刺された者、救いの手もまた、推しから。
夜公演のラスト、

「AIとCodeQの果て」

心が、奪われた。

否、元より彼女の曲の中でも大好きな一曲です。
まあもうリアルタイムの私は感情が大変でしたよ。
しかし、号泣に咽び泣き、愛と感謝を
振り返っている中で、一つの帰着を得たのです。

「こんだけ泣かされたら、
もはやCodeQで書かないのは、嘘じゃね?」

なんだか、じんわりと腑に落ちました。
しかしながら数ある候補の中でも、
恐らく難易度の高いCDしかも特典小説の二次創作。
しかも4th「CodeQ」の特典小説は
小説の初出というだけありまして
他のアルバムより文章量が群を抜いて少ない。
確か数千字とかだった気がします。

そしてもっと言えば私はドのつく素人です。
小説なんて生まれてこの方読む専で、
ノウハウも知識もまるでからっきし。
ですが、心は決まってましたのでね。
障壁が多くとも、既に内心は走り出してました。


「推しが頑張ってるんだぞ!!!
お前がこの程度で易々と諦めてどうする!!!」


それが2月の頭くらいこと。
走り出しの私はパラショのバフもあって
それはもうキラキラと輝いていたことでしょう。

ちなみに8月現在。灰です。

そりゃまあ、そうなんだよな…
先に述べた障壁は決して気合だけで乗り越えられる
ものではなくむしろ想像以上の足枷になりました。

冬春辺りは一日に千も二千も書けましたが、
夏の気候になるにつれてその手は動かなくなり。
画面と睨めっこして一日を終える、なんてことも
決して珍しくなかったです。
締切までそう時間がないというのに。

練る構想は広がるけど収集がつかなかったり、
元の考えていた展開が書いてる最中に
いつのまにか知らない展開に帰着していたり。
何度もキャラの解釈や設定を洗って広げて
解像度を必死に高める努力はしていて、
セリフや立ち振る舞い、描写の言い回しを
納得いくまで組み合わせ練り直し。
まあ翌朝、昨日の自分の書いた文字が気に入らず
全部なかったことにしてしまうのが常でしたが。

しかし締切は絶対です。
立志の日からは遠くとも、必ずやってきます。

正直、あんまりに進まないものですから、
何度も逃げたいと思ったこともあります。
苦しいんです。創作って。
血反吐を吐きながら書き出す1文字よりも
酔った頭で書く千字の方が良かったりするんです。

理不尽ですよね。

ただ、私には退路がなかった。
そう。その道は今年の頭に既に埋めてしまった。
だから苦しい時でも書けたのです。
私は、私を変えた推しに宣言してしまったから。

本にするのは個人の勝手でしかないですが
それでも私は、この沸き立つ想いを
カタチにしておきたかったのです。

そのために退路を断つ決断は己を
大変に痛めつけましたが、英断でした。
おかげで私の文字は、形を得るに至りました。


せっかくなので少しだけ、
内容についても触れておきましょう。
一応ほんのりとネタバレ注意、としときます。


元の「CodeQ fragments」に出てくる
「人間」には一切名前がありません。
「機械人形」の「ラヴ」と「イヴ」。
この2人だけが固有名詞を持っています。
故に、今回の私のそれも、人の名前呼びを
限界まで削ぎ落としました。
おかげさまで随分難解な文章になったと思います。
ただ、あの物語で書いた
「男」「少女」「少年」は
ただリスペクトで名前をつけていないのではなく
私にとってその方が都合が良いからです。
「名もなき人」と「名を持つ非人類」。
私はとても素敵な対比だと思います。

あと「少年」は「CodeQ fragments」にて
手を引いていたあの子で大丈夫です。
本当はこの子を主人公にして終わる予定でしたが…
結果は見ての通り。
本の分量も想定を遥かに越して膨れました。
何なら原作ベースで字数は6〜7倍くらいです。

最後に、花について。

あれは私が「CodeQ」で書くぞ!って
志した時にTwitterで唐突に流れてきたものでした。
花言葉やその生態があまりに彼女の性質に
ピッタリだったもので今回の小説は
随分とコレに振り回された気もします。
具体的なお花や花言葉は、伏せときましょうか…
私はすごく好きなお花です。


そんなわけで色々と詰め込んで書き上げました。
この入稿がコミケの1週間前のことでした。
「1st.TOUR LIVE『TRAVEL2U』大阪公演」
その前夜というだけあって本当にギリです。
なんなら書き上げる自信がなかったので
公にコミケに出すことを告知したのもココ。
皆さんの驚く反応を見ながら、
面白いやら、申し訳ないやら。

そうして僅か七日後に本番の日がやってきます。

「C104 コミックマーケット」、開幕です。



3.開幕、本番。

私のスペースはまさかまさかのお誕生日席。
死ぬんか?
神様の気まぐれにしちゃ随分とお茶目ですね。
初出展、もちろん気合いはありましたが
にしては周囲のサークル様は逸材揃い。
前日、気まぐれで調べて一生叫んでました。

「設営完了」

当日。
そして夢にまで見た「設営完了」
サークル参加の実感がピークに達した瞬間です。

というのもコミケに物を「出す」までが
目標であったこの私。
正直、頒布する方のモチベーションは
限りなくゼロに近い状態でした。

こう、ぬぼ~~~っと人の行く末を眺めながら
気が向いたらのんびり買い物に行ったり、
雑談に勤しめるのもサークル参加の特権です。
(中身のないお話に興じてくださった、
いわはしこ先生、ありがとうございました。)

だからまあ、少なめに刷った新刊です。
正直もっと作ろうかとも思ったんですが、
シンプルに量があると運びにくいので…

気づけば昼下がりには売り切れてました。。。
マジで何起き。

手に取って頂いた方、ありがとうございます。
気に入らなかったら燃やしといてください。
間違ってもネットの海に流さないように。
一生かけて祟りますよ。

今回手に入らなかったという方。
全て読みの甘い私の責任です。
今、手段を講じてるので少々お待ちください。
色んな人に取り置きは打診されましたがその度
「どうせ余るやろ!がっはっは!」
で通してましたが、蓋を開ければこのザマ。
マジで申し訳ない。

こうして反省を抱えながら終幕したC104。

終わってみれば随分呆気ないものです。

ここまで数か月の苦労が報われたか?
と問われても怪しいところです。
だって私が中身に満足してないのでね!
絶対もっと良く書けたはずだ…!という矜持は
延々と心の中でくすぶり続けています。

ただ、目標達成という意味なら大満足です。

特に「売り切れ」という結果はそれを支えるに
相応しい実績であったと思います。
改めてありがとうございました。


そしてここから先は完全に余談ですが、
次回のC105(2024冬コミ)も申し込みました。
なんで???

通ってたら加筆修正した既刊と
新刊を一冊出せればいいなと企んでます。
出てたら懲りずにやってんな~と
温かい目で見守って頂けたら幸いです。

とにかく苦しみながら創作する人の気持ちが
少しだけわかるようになった夏でした。
あと、創作続けてる人間って偉い。
マジで尊敬しかないです。

私もいつかそんな高みに手が届くでしょうか。
もっとも常に私の気分と巡り合わせ次第ですが…


そんなところで今回はここまで。
またどこかの記事でお会いしましょう。

以上、トレミーでした。

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