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飯田有抄のショパコン日記28〜3次予選その前に、気持ちの整理。

2次の審査結果の発表から、丸1日が経ちました。14日午後5時(日本時間)からは、いよいよ3次予選が始まります。

87名からスタートした1次予選から、この時点ですでに23名に絞られました。コンクールはますます白熱していくわけですが、ここで少し整えておきたい部分があるかもしれません。

3次のラウンドに進む奏者たちを、この先も応援できる喜びがある一方で、自分がずっと応援していたピアニストや、予選を見ていて出会ってしまった素晴らしいピアニストが、あるステージから消えてしまうことが起こり得ます。その時の気持ちの持っていきように戸惑いますね。

私にとっても、次に進めることが決まって泣けるほど嬉しい奏者がいる一方で、本選が始まってから知ったある奏者が、2次予選から先に進めなくなってしまい、率直にショックで、喪失感に似た感情を覚えました。

「あの人が通るのに、なぜこの人が通らない?」という思いは、コンクールに付き物なのかもしれません。

でも結果は結果です。

そして、自分がそのピアニストの演奏に心が震えて、いい音楽を受け取ることができたことに、何も変わりはありません。それこそが真実。

そのピアニストの演奏を、コンサートや録音など、チャンスがあったら必ず聴こうと思うこと、その心を抱き続けることこそが大切なのですよね。

あまりにも規模が大きく、あまりにも優れた才能が結集するコンクールだからこそ、聴き手として参加するわたしたちの身にも、実は密かにダイナミックなドラマが生まれます。いろいろな気持ちを知りながら、最期まで見届けたいですね。3次予選からも、熱量高く臨んでいく奏者たちを、応援していきましょう!

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