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飯田有抄のショパコン日記50〜小林愛実さんのファイナルを心酔エール耳で聴く!

ファイナルの最終演奏まで、終了いたしました。ポーランド時間の21:40に終わり、23:30に会場にて結果発表というアナウンスがありました。

時間がゆるすかぎり、丁寧に書きたい。

小林愛実さんのファイナル、協奏曲第1番、全身を耳にして聴きました。

オーケストラが奏で始め、愛実さんが身動き一つせずに、そこに座っている。それだけで、ピアニストの音楽があった。そんな経験をさせてもらえたのは初めて。

第1楽章、愛実さんらしいショパンの哀しみの歌を、オーケストラが優しく包み込むような響き。静かに光る一人の繊細な音楽を、みんなで守り、届けよう・・・そんなアンサンブルがありました。

指揮のボレイコさんが、本当によくソリストの音楽を聴いてくれます。ときに愛実さんの方向性を予見するかのような強いアタックなども繰り出し、そこにピアノの情熱が乗っていく。信頼関係の築きあげられたアンサンブルなんだ、と感じました。

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第2楽章は弱音の美学を徹底して貫いた愛実さん。オーケストラも最大限の強調力で寄り添い、世界を作り上げていきます。第3楽章では羽毛のようにふわり舞うピアノのリリカルな動きに、オーケストラ全体も軽やかに舞います。

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美しいアンサンブルでした。これ以上の説明はいらないでしょう。

音楽にはまったく並びようのない稚拙な言葉の数々でしたが、ここまで言葉を通じて、日本からのコンテスタントたちの演奏を、みなさんと一緒に応援してこれたことが誇りです。

※記事の速報性を上げるため、3次予選および本選リハーサル時の写真を使用しています。
写真:©Wojciech Grzedzinski/ Darek Golik (NIFC)

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