見出し画像

第19回ショパン国際ピアノコンクール記者会見レポート

6月19日(水)、東京にあるポーランド広報文化センターで、2025年秋に行われる第19回ショパン国際ピアノコンクールの開催発表記者会見が行われました。

ポーランドの民族衣装とコンクールのロゴがお出迎え

記者会見登壇者
・アルトゥル・シュクレネル(国立フレデリク・ショパン研究所所長)
・ヨアンナ・ボクシュチャニン(ショパンコンクール プロデューサー)
・アレクサンデル・ラスコフスキ(ショパンコンクール広報担当)

第19回ショパン国際ピアノコンクールについて、スケジュールと応募要項の概要が説明されました。

すでにピティナのこちらの記事でも詳しくご紹介しています。

大きな変更があった課題曲について、丁寧にその内容と意図が説明されました。ポイントをご紹介します。

🎵ビデオ審査
今回の変更点としては、すべての課題を連続して(リサイタル形式で)演奏していただくように変えた点が挙げられます。「24の前奏曲」を早い段階で課題年、6曲セットのグループ3つから1つを選択すること。また、規模が大きい曲については、バラード第2番 &第3番の2曲に絞ったことが特徴です。

🎵予備予選
スケルツォが必須となりました。

🎵一次予選
大きな変更があったのは一次予選の課題曲です。「ワルツ」の出題が特筆されます。ショパンの作品の中で「マズルカ」はもちろん特徴的なものですが、「ワルツ」については例えば「ウィンナー・ワルツ」のイメージを強く持つ方もいらっしゃるかもしれませんし、様々なイメージが可能です。ショパンのワルツをどう弾くのかというには、ピアニストの特徴が出るはずで、それぞれの演奏者がショパンのワルツにどう向き合っていくのかを最初の段階で聴きたいと考えました。

🎵二次予選
三次予選の課題をソナタからプレリュードに変更してはどうかという意見もありましたが、今回は三次予選はソナタとし、代わりに二次予選では前奏曲の中から選ばれた6曲を演奏するということを課題としています。また二次予選はこれまで同様、ポロネーズ作品の演奏が課されています。(うち、Op.26のポロネーズは2曲セットで扱っていただきます)
二次予選には従来ワルツがありましたが、一次予選に移しましたので、二次予選の課題曲の選択については「任意の曲」を足してもいいし、または前奏曲を全曲弾くような試みもかまいません。

🎵三次予選
大きな変更はありません。

🎵ファイナル
最も大きな変更がファイナルです。「幻想ポロネーズ」をすべてのファイナリストに弾いていただきます。(詳細は、次記事、シュクレネル所長へのインタビューで詳しくご紹介しています)


会見では、そのほか、2025年コンクールの優勝者・入賞者のツアースケジュール、2025年から2030年までをショパンコンクール創立100周年の期間として様々なイベントや事業を行うこと、特に2027年1月23日の100周年記念日には「ショパン・ワールド・ガラ」と題して大きなコンサートが行われること、2030年のショパンコンクールでは世界各地で予備予選を行うこと(東京もその開催都市のひとつ!)などが発表されました。

「ショパン・ワールド・ガラ」の開催発表

また、2025年の大阪万博のポーランドのパビリオンでは、1日3回、合計500回以上のコンサートが実施されることも説明されました。

大阪万博にもショパンのイベントが登場!

ショパンコンクール100周年に向け、ますますパワーアップし、多様化した活動が予感される記者会見でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?