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私にとって特級とは vol.4 〜尾城杏奈さん(2020年特級グランプリ)からのメッセージ〜

今年の特級クラウドファンディングのテーマは「愛されるピアニストを共に育てる」

ミニ連載「私にとって特級とは」では、特級グランプリたちの特級からの歩み(コンクール挑戦~現在のご活動)についてインタビューしています。第4弾は、尾城杏奈さんにお話を伺いました!

尾城杏奈さん(2020年特級グランプリ)

ー 特級の道のりを振り返り、尾城さんが特級がどんな夢(目標)をもって挑戦されたのか、お聞かせください。

私が特級に参加した 2020 年はちょうどコロナウイルスが流行りはじめた年で、私は大学を卒業して大学院に入学したところでした。出演予定だったコンサートが数ヶ月で 10 回以上延期・中止となり、準備していた曲を演奏する機会がなくなりました。その期間は自分が今まで取り組んだ事のない作曲家に挑戦したり、ある作曲家に集中的に取り組んでみたりと、音楽を通して
自分自身と前向きに向き合う時間を過ごしていました。

そんな中ピティナを受ける事で、取り組んだ素晴らしい作品を沢山の方に聴いていただき、先生方からアドヴァイスをいただきたいと挑戦してみようと思いました。そして、コンクールを通して演奏機会が増える事で、より多くの人に音楽の素晴らしさを伝えたいという思いで参加をしました。

ー 特級から新たにどんな夢(目標)を描かれたのか、教えてください。

グランプリを受賞させて頂いてから 3 年になりますが、コンチェルトやリサイタル、レコーディング、海外での演奏会等、数えきれないほど沢山の演奏機会を頂き、音楽家として生きていくための素晴らしい経験をさせて頂いています。昨年からはフランスで勉強をしており、留学での体験を通して、視野や考え方も変わってきています。今後は更に世界各地で演奏機会を増やしていけるよう精進し、音楽の素晴らしさを伝えていけるピアニストになりたいと思います。

また、私も小学校 1 年生からピティナを受け、Jr.G 級や福田靖子賞等、沢山勉強させていただく機会を頂き成長してこれましたので、これからは音楽を学ぶ方と寄り添っていけるような活動もしていきたいという気持ちも現れてきています。

ー 今年の特級クラウドファンディングでは、国内外での活動サポート費用も募集しています。尾城さんがこれまで海外派遣での経験で感じられたことや留学生活の思い出に残るエピソードをお聞かせください。

昨年派遣していただいたナウェンチェフ音楽祭では何度もコンサートに出演させていただきましたが、コンサートにいらっしゃるお客様の熱量が凄まじく、毎曲ブラボーを下さったり、演奏会後に毎回直接声をかけて下さったりと、海外ならではの体験もし、音楽をする喜びを感じる事ができました。

ナウェンチェフ音楽にて、ショパンのピアノコンチェルト第 1 番を演奏

留学先のフランスやポーランドでも、街を歩くだけで歴史を感じる空気感があり、この地でドビュッシーやショパン等偉大な作曲家が作品を生み出したと思うと感慨深く、また、様々な演奏家のコンサートに頻繁に通ったり、美術等他の芸術文化からも沢山の刺激を受けています。

ー 今回、プロジェクトのリターン(特典)として、CD「〈スクリャービン・リサイタルⅡ〉 ピアノ・ソナタ全集 Vol.2」をご提供いただきました。レコーディング活動への想いをお聞かせください。

グランプリを受賞した次の年に、大友直人先生がプロデュースされている T-Shot シリーズに出演し、オクタヴィアレコードの方々に録音して頂きました。当時スクリャービンのソナタを全曲勉強していた事から、その後スクリャービンの収録のお話をレコード会社の方から頂き、2 枚の CD を収録しました。今回クラウドファンディングのご支援のリターンとして、先月発売された 2 枚目の CD を提供させていただいております。

聴いてくださる皆様には作風の変遷や色彩感の変化、和音の使い方や移り変わり、思想からの影響などを楽しんでいただきたいです。

ー 特級挑戦者へメッセージ

3 年前のピティナへの挑戦は私にとって貴重で尊い時間であり、今後の音楽人生の糧となるような素晴らしい経験を沢山させていただきました。二次予選から三次予選、セミファイナル、ファイナルと大変ハードなスケジュールになりますが、体調を万全にご自分の力を出し切れますように、コンテスタントの皆さまを応援しております。

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◆尾城さんより直筆サイン入り「〈スクリャービン・リサイタルⅡ〉 ピアノ・ソナタ全集 Vol.2をリターンにご提供いただきました!(先着10名)

〈スクリャービン・リサイタルⅡ〉 ピアノ・ソナタ全集 Vol.2

「東京藝術大学を卒業後、同大学院修士課程に在籍し、現在パリ・エコールノルマル音楽院にて研鑽を積む新進気鋭のピアニスト尾城杏奈。ライフワークとして取り組むスクリャービンの作品を収めた〈スクリャービン・リサイタルⅡ〉ピアノ・ソナタ全集 Vol.2の登場です。アルバムにはスクリャービンの初期と最後のソナタをカップリング。近年益々活動の場を広げる尾城杏奈の卓越したテクニックと澄んだ音色で聴衆を魅了します。中期以降の作品を収めた前作と併せてぜひお楽しみください(2022年5月10-12日 高崎芸術劇場にて収録)。」

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現在、特級クラウドファンディングの支援総額が2,381,000円に到達しました。

「演奏家になりたい」「指導者になりたい」「子どもたちと音楽を楽しみたい」、、、それぞれのピアニストの夢を応援しながら、音楽が社会(ひと)を豊かにするサイクルを創っていきたいと思います。

引き続き、温かいご支援・ご声援、どうぞよろしくお願いいたします。

◆プロジェクト期間:8月21日(月)23:00まで
◆目標金額:300万円
◆資金の使途:
 1)サポーター賞の賞金:115万
 2)国内・海外での活動サポート:134万
 3)クラウドファンディング経費:51万

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