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2次予選のプログラムが面白い!(選曲解説編)

いよいよ始まる2次予選。すでにご案内したとおり、2次予選は30~40分。バラードスケルツォ系、ワルツ、ポロネーズの課題はありながら、「余った時間は自由にショパンの他の曲を入れてよい」ラウンドです。

2次予選の課題曲、詳しい説明はこちら

それで、全員のプログラム(選曲)を見てみました。とても乱暴な言い方になってしまいますが、日本あるいはアジアからのコンテスタントは、オーソドックスでよく知られた作品で組まれた正統派な感じがするものが多いです。

それに比べると、ヨーロッパ勢、特にポーランドのピアニストたちは、指定課題以外のワルツなどもふんだんに盛り込みながら、とても個性的なプログラムを組んでいます。

◆ワルツをセットで全曲弾く

Op.34やOp.64は、その一部が指定課題に入っていますが、実はOp.34-1、2、3などと「3曲セット」扱いの小品集です。そのことを重視し、あえて指定課題以外の曲も加えて「セット全部」を弾く演奏者がいます。かつては、2005年優勝のラファウ・ブレハッチも、Op.64のワルツでそのようにしていました。Op.64では第3番のみ指定課題ですが、第1番はいわゆる「小犬のワルツ」です。

Op.34 全曲
Eva Gevorgyan(ロシア/アルメニア)
Yuchong Wu(中国)
Jakub Kuszlik(ポーランド)
Marcin Wieczorek(ポーランド)

Op.64 全曲
Adam Kaldunski(ポーランド)

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また、他のワルツを組み合わせて複数の作品を演奏するのもポーランドのピアニストたちです。

Op.34-3とOp.64-1,2
Kamil Pacholec(ポーランド)

ワルツ2つ Op.34-3と64-3 + マズルカ風ロンド Op.5
Piotr Alexewicz(ポーランド)

ポーランドのピアニストたちにとって、ショパンの舞曲というのが、プログラミングの骨格をなしていることがよく分かります。


◆ユニークな選曲はコンサートのよう!

小品をたっぷり盛り込みながら、ユニークで多彩な曲目でコンサートのような演奏プログラムを組んだのは、奇しくも前回・前々回に本選まで進出しているピアニストたちでした。

Georgijs Osokins ゲオルギス・オソキンス(ラトヴィア)
ポロネーズ第7番 変イ長調 Op.61 「幻想ポロネーズ」
ポロネーズ第9番 変ロ長調 Op.71-2
マズルカ 嬰ハ短調 Op.30-4
マズルカ 嬰ハ短調 Op.50-3
ワルツ第4番 ヘ長調 Op.34-3
ポロネーズ第6番 変イ長調 Op.53 「英雄」

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Nikolay Khozyainov ニコライ・ホジャイノフ(ロシア)
ポロネーズ第6番 変イ長調 Op.53 「英雄」
ワルツ第9番 変イ長調 Op.69-1
ワルツ第4番 ヘ長調 Op.34-3
バラード第2番 ヘ長調 Op.38
フーガ イ短調 (遺作)
マズルカ ホ短調 Op.41-1
マズルカ ヘ短調 Op.68-4
舟歌 嬰ヘ長調 Op.60

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◆ポロネーズ課題の選択ランキング

ポロネーズは、4つの作品の中から選択することになっています。またもや、数えてみました!

第1位:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22  18名
第2位:ポロネーズ第6番 Op.53 「英雄ポロネーズ」  16名
第3位:ポロネーズ第5番 Op.44  10名
第4位:2つのポロネーズ Op.26  1名!

はい、来ました。Op.26は2曲セットのポロネーズ集ですが、これに限っては2つとも演奏する指定となっています。さあ、そのOp.26を選んだのは、イタリアのFederico Gad Crema さん。思わず敬意を表して「さん」付けしてしまいます。ライブで聴けた方は貴重ですが、日本時間で10/11(月)深夜(つまり12日早朝)3:50。。。

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◆自分の個性を示すためのスパイスとして

ほかにも自分の個性や考え、長所を生かすためのスパイスとして、ショパンの多彩な作品が選択されています。これが1人の作曲家だけで構成できてしまうのが、ショパンの偉大さでもあります。45人のアイデアに富んだショパンの魅せ方・聞かせ方を楽しみましょう。

ソナタ第2番
Xuehong Chen(中国)
Hyuk Lee(韓国)

子守歌 Op.57
Talon Smith(アメリカ)

3つの新練習曲(!)とロンド ハ短調 Op.1

Kai-Min Chang(台湾)

即興曲第1番と第2番の2曲を入れる
Evren Ozel(アメリカ)

前奏曲 嬰ハ短調 Op.45
Hyounglok Choi(韓国)
Alexander Gadjiev(イタリア/スロヴェニア)
※奇しくも、仙台国際コンクールと浜松国際コンクールの優勝者が、Op.45を競演。

ノクターン遺作(レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ)
Lingfei(Stephan) Xie(中国)
※映画「戦場のピアニスト」でも使われた有名なノクターン

ソステヌート(ワルツ)変ホ長調
Leonora Armellini(イタリア)

華麗なる変奏曲 Op.12
J J Jun Li Bui(カナダ)
Andrzej Wiercinski(ポーランド)



写真:©Wojciech Grzedzinski/ Darek Golik (NIFC)



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