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ショパンコンクール予備予選、スケジュールと課題曲(復習)

(写真はイメージです。特級ファイナルから)

さて、2021年7月12日から23日まで行われる「予備予選」には、152名の参加者がエントリーしています。

予備予選は、10時開始の「Morning Session」と17時開始の「Evening Session」からなり、それぞれ、6~7名のコンテスタントが30分程度の演奏を披露します。

◆日本とワルシャワの時差は?

サマータイムのワルシャワとの時差は「7時間」

現地10時開始の午前の部 ⇒ 日本では17時開始
現地17時開始の夕方の部 ⇒ 日本ではちょうど深夜0時開始

公式サイトのスケジュール表は、アクセスした人の現地時間(日本からならば日本時間)に合わせて時間が表示される優れモノです。

公式サイトのスケジュール表
https://chopin2020.pl/en/calendar

現地からのライブストリーミング配信が予告されているので、リアルタイムで楽しむことができます。17時開始と0時開始。最後の人が終わると、朝4時・・。アーカイブも残るようなので、仕事や学校に差しさわりがない程度にしましょう、お互いに。


◆予備予選の課題曲

(1) 以下のグループ(a)(b)から1曲ずつのエチュード ずばりエチュード課題
a) Op.10-1,4,5,8,12,25-11
b) Op.10-2,7,10,11,25-4,5,6,10

(2) 以下のグループから1曲 つまりゆっくりの抒情的な作品群ですね
ノクターン ロ長調 Op.9-3
ノクターン 嬰ハ短調 Op.27-1
ノクターン 変ニ長調 Op.27-2
ノクターン ト長調 Op.37-2
ノクターン ハ短調 Op.48-1
ノクターン 嬰ヘ短調 Op.48-2
ノクターン 変ホ長調 Op.55-2
ノクターン ロ長調 Op.62-1
ノクターン ホ長調 Op.62-2
エチュード ホ長調 Op.10-3(別れの曲)
エチュード 変ホ短調 Op.10-6
エチュード 嬰ハ短調 Op.25-7

(3) 以下のグループから1曲 つまりメインディッシュですね
バラード第1番、第2番、第3番、第4番
舟歌 Op.60
幻想曲 Op.49

(4) 以下のマズルカ集から2曲を選択 つまりショパンの魂「マズルカ」ですね
作品17, 24, 30, 33, 41, 50, 56, 59

※以上、演奏順は自由だが、(1)の指定のエチュードは連続して演奏すること


◆審査員


予備予選の審査は、ショパンコンクールの入賞者を中心に、ショパンの演奏や研究に充分な実績をもつ11名の先生方によって行われます。

ルドミル・アンゲロフ(ブルガリア) Ludmil Angelov
フィリップ・ジュジアーノ(フランス) Philippe Giusiano
アルベルト・ノゼ(イタリア) Alberto Nose
ピオトル・パレチニ(ポーランド) Piotr Paleczny
エヴァ・ポブウォツカ(ポーランド) Ewa Poblocka
カタジーナ・ポポヴァ=ズィドロン(ポーランド)Katarzyna Popowa-Zydron
ジョン・リンク(イギリス) John Rink
マルタ・ソシンスカ=ヤンチェフスカ(ポーランド)Marta Sosinska-Janczewska
ヴォイチェフ・シヴィタワ(ポーランド) Wojciech Switala
ステファン・ヴォイタス(ポーランド) Stefan Wojtas
ディーナ・ヨッフェ(イスラエル/ドイツ) Dina Yoffe

日本でもすっかり有名なピアニストが多いですが、少しなじみの薄い名前を補足しますと・・。

ルドミル・アンゲロフは、ブーニンが優勝した1985年に入賞し、ここ最近の予備予選審査に加わっているブルガリアのピアニスト。
アルベルト・ノゼは、ユンディ・リが優勝し、佐藤美香さんが第6位に入賞した2000年の第5位入賞者。
マルタ・ソシンスカは、マルタ・アルゲリッチが優勝し、中村紘子さんが第4位に入賞した1965年の第3位入賞者。
ステファン・ヴォイタスは、ご自身の経歴とともに、前回2015年に地元ポーランドからファイナルまで進出し、その後アルトゥール・ルービンシュタイン国際ピアノコンクール(先日、桑原志織さんが第2位入賞を果たしたイスラエルの名門)で2017年に優勝したシモン・ネーリングの師として知られます。素晴らしいピアニストを指導した教授が審査員に加わるのは、ラファウ・ブレハッチ(2005年優勝)を育てたカタジーナ・ポポヴァ=ズィドロン先生の例にも見られるように、よく見られる事例です。

※ちなみに、ピティナ・ピアノコンペティション及び福田靖子賞選考会には、ピオトル・パレチニ先生(2007年)エヴァ・ポブウォツカ先生(2014年)カタジーナ・ポポヴァ=ズィドロン先生(2011年)ディーナ・ヨッフェ先生(2009年)をお呼びしています。

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