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ショパンコンクール本大会のスケジュールと課題曲(予習)

早くも遠い日の夢まぼろしのようにも感じられるショパンコンクール予備予選。151名の熱演が私たちの心を打ちました。審査員の先生方が出してくださった結果とは別に、ぜひご自分の心に残った演奏者を、これからも応援していただけましたら幸いです。


さて、10月の本大会のスケジュールを概観しておきましょう。本大会は、2021年10月にワルシャワのフィルハーモニー(大ホール)で行われます。

9月30日 演奏順抽選会
10月2日 オープニングコンサート
10月3日~7日 第1次予選 <87名>
10月9日~12日 第2次予選 <40名予定>
10月14日~16日 第3次予選 <20名予定>
10月17日 172回目のショパンの命日記念イベント
10月18日~20日 本選(コンチェルト)<10名以下予定>
10月21日~23日 入賞者演奏会

本大会だけで、4つのラウンドからなり、各段階でおおよそ「半分」ずつになっていきます。審査員の先生方や運営事務局にとっても、長丁場の本大会です。

ショパンコンクールのスケジュールは、本選の前日が、10月17日=ショパンの命日になるように設定され、この日はミサが行われます。

ピティナでも、10月17日を記念して、特集番組を企画しています。お楽しみに!


さて、本大会の課題曲は以下のとおりです。膨大なショパンの楽曲を準備して10月に臨むことになります。


◆課題曲全体ルール

・映像提出及び予備予選で演奏した曲をふたたび用いてもよい。ただし第1次予選のエチュードは予備予選との重複不可。
・本大会を通じて、曲の重複は不可。


◆第1次予選課題曲

以下の楽曲を任意の順で演奏する。ただし(1)のエチュードは2つ続けて演奏すること。

(1)2曲のエチュード、以下のグループから各1曲
※ただし予備予選で演奏したエチュードを除く

a)
Op.10-1 ハ長調
Op.10-4 嬰ハ短調
Op.10-5 変ト長調 「黒鍵」
Op.10-8 ヘ長調
Op.10-12 ハ短調 「革命」
Op.25-11 イ短調 「木枯らし」

b)
Op.10-2 イ短調
Op.10-7 ハ長調
Op.10-10 変イ長調
Op.10-11 変ホ長調
Op.25-4 イ短調
Op.25-5 ホ短調
Op.25-6 嬰ト短調
Op.25-10 ロ短調


(2)以下の作品から1曲
ノクターン ロ長調 Op.9-3
ノクターン 嬰ハ短調 Op.27-1
ノクターン 変ニ長調 Op.27-2
ノクターン ト長調 Op.37-2
ノクターン ハ短調 Op.48-1
ノクターン 嬰ヘ短調 Op.48-2
ノクターン 変ホ長調 Op.55-2
ノクターン ロ長調 Op.62-1
ノクターン ホ長調 Op.62-2
エチュード ホ長調 Op.10-3 「別れの曲」
エチュード 変ホ短調 Op.10-6
エチュード 嬰ハ短調 Op.25-7


(3)以下の作品から1曲
バラード第1番 ト短調 Op.23
バラード第2番 ヘ長調 Op.38
バラード第3番 変イ長調 Op.47
バラード第4番 ヘ短調 Op.52
舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
幻想曲 ヘ短調 Op.49
スケルツォ第1番 ロ短調 Op.20
スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54


◆第2次予選

30~40分のショパンの作品。以下の(1)~(3)は必ず含むこと。演奏時間内でそれ以外のショパンの作品を追加してもよい。
(1)について、第1次予選でスケルツォを演奏した者は別のジャンルから選択すること。

(1)以下の作品から1曲
バラード第1番 ト短調 Op.23
バラード第2番 ヘ長調 Op.38
バラード第3番 変イ長調 Op.47
バラード第4番 ヘ短調 Op.52
舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
幻想曲 ヘ短調 Op.49
スケルツォ第1番 ロ短調 Op.20
スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
ポロネーズ第7番 変イ長調 Op.61 「幻想ポロネーズ」


(2)以下のワルツから1曲
変ホ長調 Op.18 「華麗なる大円舞曲」
変イ長調 Op.34-1
ヘ長調 Op.34-3
変イ長調 Op.42
変イ長調 Op.64-3


(3)以下のポロネーズから1曲
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22
2つのポロネーズ Op.26(2曲とも演奏のこと)
ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調 Op.44
ポロネーズ第6番 変イ長調 Op.53 「英雄ポロネーズ」


◆第3次予選

45~55分のショパンの作品。以下の(1)(2)を必ず含むこと。制限時間の範囲で、それ以外のショパンの作品を追加してもよい。
演奏曲順は自由だが、マズルカ集及び24の前奏曲集は連続して演奏すること。演奏時間を超過した場合、審査員は途中で演奏を中断させることがある。

(1)以下の作品より1つを選択
ピアノソナタ第2番 変ロ短調 Op.35 「葬送」
ピアノソナタ第3番 ロ短調 Op.58
24の前奏曲 Op.28

※第2番のソナタ第1楽章の繰り返しは任意。第3番のソナタ第1楽章提示部の繰り返しはしないこと。


(2)以下の作品番号のマズルカ集を1セット選び全曲を演奏する

Op.17,24,30,33,41,50,56,59

※ただしOp.33とOp.41は以下の曲順で演奏すること

Op.33
第1番 嬰ト短調
第2番 ハ長調
第3番 ニ長調
第4番 ロ短調

Op.41
第1番 ホ短調
第2番 ロ長調
第3番 変イ長調
第4番 嬰ハ短調


◆本選

以下のうちいずれかのピアノ協奏曲

ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21


バラードやスケルツォ、ソナタ、ポロネーズ、ワルツ、マズルカ、コンチェルト…。ありとあらゆるジャンルのショパンの作品を、そのスタイルに応じて高い技術と表現力で演奏していく技能が求められる。これが、ショパンコンクールです。

コンテスタントたちはこれから、いっそうショパンの芸術を深めていくことになります。

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