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オーバーテストの臨床応用(動画解説)

今回は臨床上、比較的みる機会も多い整形外科的テストのオーバーテストについて深掘りしていこうかなと思います。

そもそもオーバーテストは大腿筋膜張筋-腸脛靭帯の長さ、筋短縮を評価するテストです。

オーバーテストという為、「Over test」と記載している方がいたりするかもしれませんが、正しくは『Ober test』です。間違えないようにしましょう!笑
他にも、オベールテスト・オーベルテストと呼び方は様々あるかと思います。


○オーバーテストについて

まずは基本的なオーバーテストのやり方についてです。

側臥位にて検査側は股・膝関節伸展位を取ります。反対側は股・膝関節屈曲位にてしっかりと骨盤後傾位を取り、検査側の下肢を脱力させる形で股関節内転させていきます。その際に内転方向への動きがあるか否かで判断します。検査側の下肢の内転が10°未満の場合、陽性とします。

その際に大きく2つのポイントがあります。
1つ目はしっかりと大腿筋膜張筋を伸張させることです。
検査側の股関節伸展、対側の股関節屈曲に伴う骨盤後傾位を取ることで大腿筋膜張筋をしっかりと伸張させた状態で検査を行うことができます。

2つ目は代償動作をしっかりと抑制することです。
骨盤帯を垂直方向にしっかりと押さえて固定することで、骨盤下制による股関節内転動作の代償を抑制することができます。

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また股関節伸展制限がありうまくオーバーテストの検査肢位が取れない場合はまず、エリーテスト及びトーマステストにて大腿前面の伸張性を確認する必要があります。

エリーテスト:大腿直筋の短縮をチェック

トーマステスト:腸腰筋の短縮をチェック

ただこの2つの整形外科的テストにて陰性にも関わらず、股関節伸展時に制限や窮屈さなどエンドフィールに硬さを感じる場合は大腿筋膜張筋もしくは中殿筋前部線維が股関節伸展の制限因子となっている可能性があるということになります。

○オーバーテストの臨床応用

あくまでもオーバーテストで分かるのは、大腿筋膜張筋がタイトネスか否かという情報が得られるだけとなります。

しかし、股関節外転の主動作筋でもある単関節筋の中殿筋や、梨状筋・小殿筋などの補助筋がしっかりと働いていないと代償として二関節筋でもある大腿筋膜張筋が過剰に働き、タイトネスとなってしまうことは多く経験します。
逆に、中殿筋や小殿筋に十分な収縮を促すことで大腿筋膜張筋の柔軟性に変化が出ることも多いかと思います。

つまりは中殿筋や小殿筋がしっかりと収縮し働いているかを確認するために、オーバーテストによる大腿筋膜張筋のタイトネスを評価する流れとなります。

|股関節内転制限因子の判別

股関節伸展制限因子として大腿筋膜張筋もしくは中殿筋前部線維がある可能性について前述しましたが、それらのどちらが特にタイトネスを起こし股関節内転や伸展の制限因子となっているのかを判別する方法について解説します。

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