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コレステロールが悪いと洗脳されてしまった現代人!

どうも予防栄養学アドバイザーの中村です。
コレステロールや飽和脂肪酸と聞くと何だか敬遠してしまうという方がいらっしゃるかと思います。
それも仕方がないでしょう。
私も小さいころからバターよりもマーガリンが食卓に用意されていました。
実は以前はコレステロールや飽和脂肪酸が当然のように心臓病や脳卒中と関連しているとされていました。
いまだにそのように指導されているドクターもいらっしゃるかもしれません。
教科書にそう書かれていたのだから仕方ありません。
とは言うものの、絶対にマーガリンは使うべきではないし、コレステロールを敬遠するのもよくありません。

コレステロール摂取量上限は撤廃されている

最近の報告では、総コレステロール値の高い群と低い群を比較して心臓発作の回数や死亡率に差がないとされています。
むしろ総コレステロール値が高い群は、がんや感染症による死亡リスクが低いという見解まであります。
厚生労働省も2015年にコレステロール摂取基準を見直して、上限値を撤廃しています。
卵を1日1個までにしなくていいんです。
好きな人は2~4個食べると良いでしょう。
上限撤廃の理由は、摂取して吸収される量(2~3割)よりも身体のなかで合成される量(7~8割)の方が圧倒的に多く、摂取量が増えたところで合成される量が減るだけだということです。

コレステロールを敬遠する人のデメリット

コレステロールを敬遠している人はデメリットまであるということが言われています。
2010年の報告では最も多く摂取している群は摂取していない群よりも、冠状動脈心疾患のリスクが19%も低いということでした。
コレステロールの摂取は冠状動脈心疾患、脳卒中、心血管疾患のリスク増大とは関係がないと結論づけています。
ただし、身体の中で合成されすぎる脂質代謝異常がある方はこうした心血管疾患のリスクがありますので、ドクターに相談してください。

脳の2割はコレステロールでできている

コレステロールは脳の構成成分として重要です。
脳の重量の20%はコレステロールでできています。
脳重量は全身のうちの2%しかありませんから、60kgだとすると1.2kg、その20%となると240gです。
この240gは全身のコレステロールのうちの25%に相当します。
つまり全身には1kgぐらいのコレステロールがあることになります。
多くのコレステロールが小さな脳にあるということで、どうも脳機能とコレステロールは密接な関係がありそうです。

コレステロールは脳機能や免疫にも関与

神経線維に巻き付いている髄鞘や細胞膜はコレステロールからできています。
髄鞘は神経伝達の速度(跳躍伝導)と関係しており、これがないと様々な症状が出てしまうので非常に重要です。
また、コレステロールはステロイドホルモンや脂溶性ビタミンの材料としても重要です。
ステロイドホルモンは性ホルモンや副腎皮質ホルモンといった免疫と関係するホルモンであり、脂溶性ビタミンも免疫や抗酸化作用と関係が深いです。
コレステロールは脳を守る強い抗酸化物質と言えます。

善玉コレステロールと悪玉コレステロール

血中にあるコレステロールはLDLやHDLがあります。
LDLは組織に脂肪を運ぶため悪玉コレステロールと呼ばれます。
一方HDLは組織から脂肪を回収してくれるので善玉コレステロールと呼ばれます。
LDLの割合がHDLよりも多くなりすぎると組織にコレステロールが溜まってしまうということです。
ただし、LDLの働きも非常に重要なので決して悪者ではありません。
悪いのはLDLが酸化してしまった場合に限ります。
酸化したLDLはアテローム性動脈硬化のリスクファクターになります。
逆に言えば酸化しなければリスクファクターになりません。
LDLを酸化させる真犯人は糖質です。
糖質は炎症を誘発する物質になります。

コレステロールは基本的に良い脂

コレステロール自体は良い脂です。
コレステロール値が高い人の方が記憶力を維持できることが報告されています。
記憶力以外にも言語能力、注意集中力、抽象的推論、その他の認知機能全般において優れているとのことでした。
また、パーキンソン病を予防できるということも報告されています。
2017年にランセットという有名な雑誌に報告された大規模調査では、炭水化物の摂取が多い人は死亡リスクが28%も高いとされています。
一方、脂肪を多く摂っている人は死亡リスクが23%も低いとされています。
なんと、これまでの見解に反して、飽和脂肪を最も摂取している群は摂取していない群に比較して脳卒中になるリスクが20%も低いということでした。

なぜコレステロールは悪いとされていたのか

飽和脂肪が悪者になった経緯は1956年に米国心臓学会が「賢明な食事」ということで、マーガリン、コーン油、鶏肉、冷たいシリアルを推奨したことに始まります。
1977年には米国上院の特別委員会でも「米国の食事目標」に脂肪の摂取を減らし、コレステロールを避けようと啓発しています。
ここではっきりと飽和脂肪酸は悪いと言っています。
それを受けて保健当局は大豆油やコーン油などの植物油を推奨しました。
1980年中頃にはファストフード店で部分的に水素添加された植物油を使用されるようになりました。
これはトランス脂肪酸です。
トランス脂肪酸はとても悪い油脂で、WHOは一日の摂取量の1%未満に抑えるように勧告しています。

食べるべき脂肪と食べてはいけない脂肪

最後に食べるべき脂肪と食べてはいけない脂肪をまとめます。
コレステロールを含む飽和脂肪酸は当然食べるべき脂肪なのですが、問題は家畜の飼料が何かということです。
遺伝子組み換え穀物を主体に食べている家畜は、いくら飽和脂肪酸とはいえ食べるべきではないので要注意です。
食べるべき脂肪はオメガ3脂肪酸(青魚や亜麻仁
食べてはいけない脂肪はトランス脂肪酸(マーガリンやショートニング)、オメガ6脂肪酸(大豆油やキャノーラ油)です。

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