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救急救命:BVM(バックバルブマスク)

気道確保の方法
頭部後屈顎先挙上法、 顎先挙上法
気道確保傷病者を発見した場合、意識の確認→助けを呼ぶ、その後、最初に行う処置は、気道確保です。

  気道を確保できないと、呼吸をさせることができないため、 最も大切な手技といえます。BLS における気道確保の基本は頭部後屈、顎先挙上です。脊椎損傷が疑われる場合などでは、 顎先挙上のみ行う場合もあります。
また器具を用いて気道を確保します。 経口エアウェイや経鼻エアウェイは、 院内では BLS の中でも使用するため、一次エアウェイと呼ばれています。

これに対して、 ラリンゲルマスク、 コンビチュープ、挿管チューブなどを二次エアウェイと呼びます。

 気管切開も気道確保の方法といえます。二次エアウェイ(ラリンゲルマスク、コンビチューブ、 気管チューブ)気管切開ラリンゲルマスク13/24コンピチューブ酸素の投与急変患者にはできるだけ高濃度酸素を投与します。

 経鼻酸素カニューラを使用して酸素を投与する場合は、酸素流量6L/分までです。投与できる酸素濃度は最大でも約40%程度です。それ以上の酸素を投与したい場合はマスクを使用します。通常のマスクのみでは酸素を 10L/分投与しても、 投与可能な酸素濃度は約60%までです。リザーバー付きマスクを使用すると100%近い酸素も投与可能となります。 急変時にはできるだけ、リザーバー付きマスクを使用するようにしましょう。

院内での心肺蘇生においては、リザーバー付きバッグバルブマスクをできる限り早い段階で使用しましょう。バッグバルブマスク (BVM)は自己拡張型のバッグと一方弁バルブとマスクにより構成されています。BVM に酸素チューブをつないで人工呼吸を行う際、 大切なことは、必ずリザーバーを付けることです。 リザーバーが付いていない場合は、10 リットル/分の酸素を投与したとしても、投与できる酸素濃度は 40%程度です。 リザーバーを付けることで、 100%酸素が投与できるようになります。

換気量は、胸が上がる程度です。 BVM のバッグを軽く片手で圧す程度(350~500ml)です。換気回数については、二次エアウェイ挿入前後で異なります。 二次エアウェイを挿入していない BLSでは

胸骨圧迫:換気=30:2であり、胸骨圧迫と同期して換気を行います。

二次エアウェイ挿入後は胸骨圧迫を中断することなく、換気を行うため、10回/分、胸骨圧迫と同期させる必要は無く、胸骨圧迫心臓マッサージを中断しないで行います。

過量換気は心肺蘇生において、逆効果となります。特に二次エアウェイ挿入後は過換気過量換気となり易いので、注意が必要です。

バッグバルプマスク (BVM)による換気
確実な気道確保とマスク保持を同時に行います。 気道を確保しながら、マスクを顔面にフィットさせ、 酸素が隙間から漏れないように心がけます。一人法による気道確保(片手 EC法)と人工呼吸(換気)マスク保持の際の、 気道確保も前に説明したものと同じです。頭部後屈、顎先挙上します。下顎角に左手小指をかけ、薬指と中指を下額にかけて、下額全体を引き上げ、残った人差し指と親指でマスクを口に圧し当てます。気持ちとしては、 マスクを圧し当てるのではなく、顎をマスクに引き寄せる感じです。 爪を立てるように顎を引き寄せると上手く引き寄せることができます(本当に爪は立てないで下さい)。左手の指が、E(3·4·5指)と C(1·2指になることから EC法といいます。BLS では、1回1秒くらいで、ゆっくり2回空気を圧し込みます。 圧し込みながら、胸の上下動を確認します。1回に圧し込む量は胸が上がる程度です。 二人法による気道確保(両手 EC 法、拇指球法)と人工呼吸(二人EC法 一人が両手で EC の形を作り、気道確保し、 もう一人がパッグを圧します。
拇指球法 。4本の指で下額を引き上げ、マスク保持·気道確保を行うことができるので、小さな手の人女性など)でも、 より楽に気道確保マスク保持ができます。2人法では、マスクを保持する人は、気道の確保とマスク保持に専念し、心マッサージをする人がバッグ揉みを担当します。

重要なポイント

換気の方法
1、一回の吹き込みは1秒かけて行う
2、吹き込む量は、 軽く胸が上がる程度とする
3、胸骨圧迫と換気の比率は30:2とする
4、CPR中に高度な気道確保が行なわれれば、6-8秒に1回(8-10回/分)の換気を行なう
5、高度な気道確保(気管挿管など)後は、 胸骨圧迫と換気は非同期とし、30:2にする必要はない

経ロエアウェイ·経鼻エアウェイの使用
経ロエアウェイ
患者のロから挿入して咽頭後壁(のどの奥の壁)と舌の間に置き、気道を確保します。筒状のものと、断面が H の字型のもの等があります。

ロ咽頭エアウェイは、咽頭内容物の吸引ルートとしても使えます患者のロ角から下顎角までの長さとほぼ同じ長さのものを選びます。短いと舌に当たり、長いと喉頭蓋(気管の入りロのふた)を押し込んだりして、 気道が確保できません。

挿入するときは、 舌を押し込まないように注意します。先端を頭側又はロ角側に向け、 途中で反転させたり、舌圧子で舌を押したりして挿入する方法が用いられます。挿入したら、重要なことは、 正しい位置に挿入され正しく換気出来るか、すなわち換気の際に患者の胸が上がるかを確確認することです。 ロ咽頭エアウェイは後述する鼻咽頭エアウェイよりも手技が容易ですが、咽頭反射を誘発するので、意識のある患者には使えません。 ロ咽頭エアウェイ、鼻咽頭エアウェイのいずれも、CPR のどのタイミングで挿入してもかまいません。 気管挿管のように、 挿入に際して胸骨圧迫を中断する必要もありません。胸の上がりが悪いと思ったら、迷わず使いましょう。 30 回の胸骨圧迫の間に挿入すれば、 次の2回の換気に間に合い、 30:2のリズムも乱れません。

経鼻エアウェイ
 患者の鼻から挿入して咽頭後壁(のどの奥の壁)と舌の間に置き、気道を確保します。 筒状の構造で、咽頭内容物の吸引ルートとしても使えます患者の鼻翼から耳たぶまでの長さとほぼ同じ長さのものを選びます。短かすぎても長すぎても、 気道が確保できません。 ゼリーを塗り、 軽く回転させながらやさしく挿入します。抵抗があれば反対側の鼻腔より再挿入を試みます。咽頭反射はロ咽頭エアウェイより軽いので、 意識のある患者にも使えます。頭蓋底骨折があると頭蓋内に迷入する可能性があるため、頭部及び顔面外傷のある患者には十分な注意が必要です。エアウェイBVM を用いた人工呼吸※使用方法などは6ページ参照BVMによる換気が十分にできていれば、 高度な気道確保を急ぐ必要はありません。

 BVM による換気が不十分である気道確保困難症例では、気管挿管ラリンジアルマスク·コンビチューブといった高度な気道確保を考慮する必要があります。

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