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大腿骨頚部骨折のTHA術後の歩行時の患側下肢の立脚後期短縮の原因の考え方

大腿骨頚部骨折の人工股関節全置換(THA)術後の患者の歩行時の患側下肢の立脚後期短縮の原因は、以下のようなものが考えられます。

  • 骨折部の痛み:手術によって骨折部が安定していても、術後1~2週間は骨折部に痛みが残ることがあります²。この痛みは、患側下肢に体重をかけることを避けるために、立脚後期を短くする原因になります。

  • 筋力低下:手術前の安静や手術後の荷重制限などによって、患側下肢の筋力が低下します³。特に、股関節伸展筋(大殿筋、中殿筋、小殿筋)や膝関節伸展筋(大腿四頭筋)が重要です⁴。これらの筋力低下は、立脚後期における股関節や膝関節の安定性を低下させ、立脚時間を短くする原因になります。

  • バランス能力低下:加齢や骨折・手術による安静などによって、バランス能力が低下します²。このバランス能力低下は、立脚後期における体幹や下肢の制御を困難にし、立脚時間を短くする原因になります。

以上のように、THA術後の患者の歩行時の患側下肢の立脚後期短縮は、骨折部の痛みや筋力低下、バランス能力低下などの機能障害によって引き起こされる可能性が高いです。これらの機能障害はリハビリテーションによって改善することができます²。リハビリテーションでは、痛みの管理や筋力強化運動、バランス訓練などを行います²。


参考文献
(1) 【専門家が解説】大腿骨頚部骨折の術後リハビリと注意点 .... https://kaigo.homes.co.jp/manual/healthcare/sick/fracture/daitaikotsu/rehabilitation/.
(2) 大腿骨近位部骨折術後の歩行能力と関連する要因 - J-STAGE. https://www.jstage.jst.go.jp/article/kochireha/12/0/12_KJ00007052099/_pdf/-char/ja.
(3) 大腿骨頸部骨折患者の歩行自立に必要な要因―決定木分析に .... https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics/48/5/48_5_539/_pdf.
(4) 大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン2021(改訂第3版). https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0016/G0001251.

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