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先天性内反(ギプスと治療用装具)

先天性内反足の治療はなるべく早期に変形を矯正し、それをいかに長く維持していくかということになります。

治療開始時期は早ければ早い程良いですが、お子さんの全身状態を考えると生後1~2週以後に本格的矯正を開始することが多いです。

矯正を徒手的に行い、その矯正位にてギプス固定するギプス包帯法がまず行われます。最初は週2回の集中的な矯正を2週程度行い、 以後は週に1回ギプスを更新します。 この矯正ギプス包帯法を約6から8週間行います。

その後は、デニスブラウン装具にてその矯正を保持します。これは3から4歳ごろまで装着が必要です(最初は1日中、 その後は主として夜間装具として使用します)。

ギプスと装具についてまとめました。

ギプスをつけている時には、 どうすればいいの?

おむつ
足回りギャザーの付いた使い捨ておむつを使用してください。足回りギャザーはギプスにかからないように太ももの付け根の位置(鼠径部)にしてください。おしっこが漏れてギプスを満つらさないように、適切なサイズのおむつを使ってください。

安全性
チャイルドシート、ベビーカー、ベビーラック、ベビーキャリーその他の赤ちゃんの道具を確認して、安全ベルトやパットその他安全装置がギプスを付けた状態で正常に作動するかどうか確認してください。長時間赤ちゃんを座らせて足が垂れ下がることがないように気をつけてください。その際にはつっま先の腫れ具合を確認してください。

睡眠
通常、ギプスが睡眠の問題になることはありません。寝ている間にむずかったり、泣き方が激しい場合には、ギプスがずれてないか、つま先の色がピンク色で温かいかどうか確認してください。ギプスに問題がなさそうであれば、体の眠位置を変える必要があるかもしれません。睡眠の問題が続くようであれば、かかりつけの小児科医に連絡を取って対応を確認してください。

衣服
通常の赤ちゃんの足まで覆う服では、ギプスを付けた場合に大きさが足りなくなるかもしれません。ズボンの太もも内側にボタンもしくはマジックテープのついたパンツを使えば、着替えに便利です。大き目の靴下で赤ちゃんのつま先を暖かくしてあげてください。

お風呂
ギプスを付けている間は、 濡れタオル(清拭)で体をきれいにしてあげてください。おむつ回りは特に不潔にならないように注意してください。

体位
むずかっている赤ちゃんには体の位置を交換すると効果的なことがよくあります。ギプスの下に巻いたタオルを置いて足がおなかに近付くようにしてあげてください。起きている間はうつぶせにしてあげることも大変重要です。うつぶせによって筋肉が鍛えられ、正常な発達が促されます。

装具治療あなたのお子さまは、今Ponseti矯正法の最終段階に入りました! 最後のギプス固定を外した日から、 デニスープラウン型装具による治療が始まります。ギプスが外れたお子さまの足は多少腫れが残っているかもしれませんが、数日のうちにおさまります。

なぜ装具治療が必要なのか
今あなたのお子さまは良い足の形に矯正されています。デニスーブラウン型装具による治療が始まります。ギプスが外れたお子様の足は多少腫れていますが、数日のうちにおさまります。

この時期に言われたことをしっかりと守って行くことが最も重要です。装具をきちんとつけないと変形が再発してしまいます。

ほかの特別なものが必要なの?
いいえ。必要ありません。いままでと同じベビーカーやチャイルドシート、子供用の背の高い椅子などを使用してもらって構いません。 装具をつけたままで着脱できるものであれば、 どんな衣類を使用しても構いません。パンツを履かせるときには、股の部分にボタンの付いたものが必要になります。

誰が装具をつけるの
最後のギプス固定を外した日は、病院スタッフが装具をつけます。その時に、 どうやって装具をつけるのかを教えてもらいます。装具の足の角度は治療チームで決めていますので、自分で調整しないようにしてください。

どうやって装具をつけたらいいの
片足だけが内反足のお子さまの場合、悪い方の足を最初に装着してください。両足ともに内反足の場合は動きの悪い方を先に装着してください。バンドを締めるときには、踵が装具にしっかりと入っていることを、必ず確認してください。装具の中にペンでしるしをつけてつま先がいい位置にあるかどうか確認するのも良い方法です。つま先がしるしより後ろにずれたときは、腫がきちんと装具に入っていないサインです。装具をつけ直してあげましょう。最初に装具を付けたときには、お子さまの足は腫れていることがありますので、数日後にストラップをきつく締めなおさなければならないことがあります。また、使用していくとストラップがだんだん伸びてきますので、装具をきちんと装着させるために、調整が必要になります。ストラップをきちんと締めないと、水ぶくれなどの原因になります。

装具の付け心地が悪いの
装具をつけると最初むずがりますがこれは痛いからではありません。両足が自由に動かせなくなるのでイライラしているだけです。股関節や膝関節をどうやって曲げたらいいか、お子さんに教えてあげてください。装具を付けているうちに、だんだん両足を同時に動かすことに慣れてくるはずです。もし、いつもより泣くときには、装具がきちんと装着されているか、 すり傷や水ぶくれができてないかをチェックしてあげてください。もし水ぶくれができてしまったときは、外来を受診してください。

いつ外来を受診すればいいの?
はじめて装具を着用したあと、1~2週間後に一度病院を受診してください。そこで特別なトラブルがなければ、以降は原則として1歳時までは1か月毎の受診となり、それ以降は3か月毎の外来受診になります。 また、夜だけの装具になったあとは、3~6か月毎の受診になります。

いつまで装具をつけていればいいの?
最初の3か月は一日23時間着用してください。その間は、お風呂と着替えの時以外は必ず装具を着用させてあげて下さい。それ以降は、2歳~4歳頃までの間、夜とお昼寝の時に装具を付けてあげてください。装具を付けはじめてから、 最初の数日がとても大事です。まず、 装具をつけて1時間後に装具を外してみて、足や腫の皮膚が赤くなっていないか、すり傷がないかどうかを確認してください。 次は装具を2~3時間着用させてから、もう一度チェックしてください。お子さまの足を確認しながら、徐々に着用時間を長くして下さい。着用開始から2~3日後には、一日23時間の着用が可能になるはずです。

一日1時間は装具をはずすことができます。30分を2回でも、1時間を一回でも構いません。

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