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高齢者の心不全の症状


 心臓は大きく4つの部屋に分かれており、右側の心臓は肺へ血液を送りだす一方で、左側の心臓は全身へ血液を送りだす働きを担っています。

 心不全の場合は特に心臓の左側の働きが悪くなる「左心不全」と右側の動きが悪くなる「右心不全」に分かれます。

左心不全による症状

心拍出量の低下による症状

 左心不全では肺に血液が溜まり(肺うっ血)
やがて肺が水浸しの状態(肺水腫)になるため、呼吸困難になります。
 心不全によって心臓の拍動が弱まると、心臓から押し出される血液の量が減ってしまうため、疲れやすくなったり、手足が冷えたり、全身に様々な影響を及ぼします。

 具体的な症状としては、

動悸

易疲労感(疲労を感じやすくなる)

低血圧

冷や汗

四肢チアノーゼ
(手足の末端の血色が悪く、青白くなる)

意識障害(脳に十分な酸素が行き届かなくなるため)

乏尿(ぼうにょう・尿の量が1日400ml以下になる)

などがあげられます。

肺うっ血による症状

 心臓と肺は、太い血管でつながっています。そのため、心不全によって心臓機能が低下すると、肺には血液がたまってしまい、「うっ血状態」になります。

 肺うっ血状態になると、呼吸がしづらくなり、以下のような症状が出ます。

動作時の息切れ

呼吸回数の増加

咳や喘鳴(ぜんめい)

起座呼吸
(寝ていると苦しいが、起き上って座ると呼吸が楽になる)

右心不全による症状

 右心不全の特徴として、一部を除き、左心不全が起こると続発して右心不全も起こる、両心不全状態になるということです。

 右心(心臓の右側)は、全身をめぐった血液が心臓に戻ってくる場所です。そして、戻ってきた血液は右心から肺へ送り出されます。右心不全になると肺へ血液を送り出すことができないため、心臓に戻ってくる血液を受け入れることができなくなり、静脈に血液が溜まります。そのため、下肢や顔面などがむくんだり、肝臓が腫れたり(うっ血肝)、お腹に水が溜まったりと、以下のような症状が出現します。

食欲不振

吐き気、嘔吐

便秘

腹水貯留

浮腫(足首から上に起こる)

体重増加(2~3キロほど)

 右心不全が進行すると、体全体の血液循環が悪化するために、左心不全の症状は緩和する一方で、全身状態が悪化するリスクが高まっていきます。

高齢者の心不全の診断


血液検査

 採血にて、「脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)」という値が高値になります。
100pg/dl以上だと心疾患があると判断
500pg/dl以上だと重症心不全と診断

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