小脳系ネットワークとは?
ここでは小脳の機能と、それに付随する小脳と関わる機能についてご紹介していきます。
小脳は「左右の小脳半球」とその間にある「小脳虫部」に分かれています。
それらを脳幹と連結しているのが、「上・中・下小脳脚」になるのです。
ちなみに、右小脳半球は論理的推論及び、言語機能に関与しており、左小脳半球は注意や、視空間認知に関与しているんです。
大脳とは、逆の働きがあることは私自身びっくりしました。
それでは、本題にまいりましょう!
この記事を読むメリットとは
・小脳の構造を知ることで、小脳出血や梗塞の方の病態把握ができる。
・病態把握ができることで、リハビリプログラムを立てやすくなり、根拠のあるリハビリを提供できるようになる。
・評価するべき項目が見えてくる。
これら3つのメリットがあると思いますので、興味がある方は、是非参考にしてみてください。
10分程度で読み終わるものですので、通勤や昼休憩の時に読むことをオススメします。
それではまいりましょう。
そもそも小脳の機能とは
小脳の機能には、筋の協調性に関与することはご存知だと思いますが
そのほかにも、
・遂行機能
・人格
・認知機能
・情動機能
これらの機能もあるんです。
ですから、小脳に病変がある方は協調性機能低下だけでなく、これらの点についても考察をする必要があります。
これらの機能があることが、意外と感じた方も多いと思いますが
これから話す内容が、小脳の機能をもっと深く知る手掛かりになりますので
注意深く読み進めてください。
小脳の機能は3つに分けられる?
小脳の機能には、
・前庭小脳(古小脳)→前庭小脳回路
・脊髄小脳(旧小脳)→脊髄小脳回路
・大脳小脳(新小脳)→大脳小脳回路
これら3つの機能に分けられており、それぞれの小脳が3つの神経回路と関わっています。
小脳には、様々なところと連絡を取り合っており、それぞれの回路で働きが異なります。
この3つの回路を理解してこそ、今回この記事を読む1番のメリットになるので、他のセラピストにアウトプットできるぐらい、頭に叩き込みましょう。
では、具体的にこれらの経路がどのような機能に関わっているのかを解説していきます。
①前庭小脳回路の働き
この回路は、身体のバランス、眼球運動に関与しています。
この回路は、室頂核→前庭核と交叉して対側網様体と前庭核
に投射してます。
すなわち、前庭神経が関与する「眼球運動」と「平衡感覚」への投射をしている回路であるということです。
②脊髄小脳回路の働き
この回路では、筋緊張のコントロールに関与しています。
この回路は、傍虫部と中部→球状核・栓状核→赤核
このような回路を形成しています。
すなわち、赤核に入力が行われたあと、赤核脊髄路により錐体路の働きを助け
不随意運動の調節を行うことで、筋緊張を保つことができているのです。
③大脳小脳回路の働き
この回路では、協調運動に関わる「運動ループ」と認知情動面に関わる「認知ループ」の2つの回路に分かれます。
③−1運動ループとは
この回路は、主に協調運動に関与する回路です。
補足運動野・運動前野→橋核(中小脳脚を介して→)小脳半球→視床外側核
このような回路を形成します。
③−2認知ループとは
この回路は、主に認知・情動に関する回路です。
前頭連合野→橋核→(中小脳脚を介して→)小脳半球→視床内側核
このような経路を形成します。
また、この経路の障害により、前頭連合野の思考や情動に障害をきたした場合、「小脳性認知情動症候群(CCAS)」と呼ばれます。
では、具体的にCCASにはどのような症状が出るのでしょうか。
小脳性認知情動症候群(CCAS)とは
先ほども上述した通り、CCASとは認知ループの障害により
前頭連合野の思考、情動の障害をきたすものです。
また、前頭連合野の働きには思考や情動に加えて
言語、注意機能の働きもあるため、これらが障害されることもあります。
CCASには、「遂行機能障害」「言語障害」「視空間認知障害」「人格障害」の4つのカテゴリーに分けられるとの報告もあります。
また、小脳損傷患者の83%が広範な認知・言語障害を呈し、50%が行動。感情変化を起こすとの報告もあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回、参考にした吉尾雅春先生が書かれている「脳卒中のリハ戦略」を読んで
僕自身初めて知るものばかりでした。
今までは、あまり気にしていなかった脳画像のことや、脳の各部位の働きについて深く知ることができたので
今後の臨床にも、活かしていけそうです。
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