Dicotyledon

醒めた顔を隠す。
(肩を掴まれ
 見えない弦が鳴る)
甘えてなどいない、よ、と
助手席に爪を立てる。
(どのみち袋小路だ、
気休めの約束。
絶対なんて求めてない。
(血の透ける腕
 摘まれる。)
 擦れる。
(消される、
突き当たりで
駐まる、
そのまま手を引かれる。
羽根が生えてくるまで
放されないこと、
止まれないこと、
全部聞かされてる。
 せめて指を咬む)
(アンプリファー、

真空で
壁は溶かされ、
ぜろぜろと
息を吐く。
黒い。
踏み潰されたコウモリ


#詩 #過去作

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?