Flanger(償いなさいと彼女は云った)

握り潰せる程の細い首
耳鳴りにもう飽きてしまった
不感症共に
つける薬はない
「償いなさいと
 掠れた聲が聴こえる」
何をすれば喜んでくれるの
貴方達はおそらく
使い方を忘れただけ
嘘も吐けない舌は
裂くしかないんだってね
骨だけになった空を
もう一度掌の中で壊してゆく
「償いなさいと
 彼女は
 その幼顔に似つかぬ寂聲で
 云った」
湖を揺らす音が
解いた髪を伝って膚を断ち切るように

#詩

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