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訪問看護の会計思考力

 会計には財務会計と管理会計の2種類があります。財務会計は、情報提供機能と利害調整機能を果たすために組織の財政状態と経営成績を開示します。一方、管理会計は、組織の経営マネジメントに役立つ情報を提供します。この2つは、要求される情報の属性が違います。財務会計は、正確性や検証可能性、網羅性などの属性が求められます。管理会計は、有用性のみです。そのため管理会計情報には、非財務的情報が含まれます。訪問看護の会計思考力とは、管理会計思考力のことを指します。

 管理会計は、意思決定、業績評価、戦略策定、財務情報分析、コスト・マネジメント、予算、投資プロジェクト、ファイナンスなどの分野で使われます。管理者が最低限抑えて欲しい管理会計は、短期利益計画策定とCVP分析、戦略策定、PDCAです。これらを目標管理に落とし込めたら、最高です。

 CVP分析の予実を意識する事が重要です。平均単価、訪問件数、固定費、変動費、変動比率、BEPの数字を月次把握することが不可欠です。経営マネジメントとしては、平均単価を上げ、訪問件数を増やし、固定費、変動費を下げる事を考えます。訪問看護の単価はセールスミックスにより変化する為、平均単価は、約7,000円代~約13,000円代の幅があります。訪問看護制度を利用した訪問リハビリは、平均単価がとても低くなり、7,000円以下になる事も多々あります。訪問看護の時間価値は、重症度の高さともいえます。ちなみに、小児訪問看護だと約13,000円代になります。訪問件数、固定費、変動費などそれぞれに、戦略とベストプラクティスがあり、管理者の采配でコントロールして行きます。


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