知能の構造 (structure of intellect)
○スピアマンの2因子説(two-factor theory)
スピアマン(Spearman,C.E.)は、知能が個別の知的課題に特有の特殊因子(specific factor)と、すべての知的課題に共通する一般因子(g factor)の2つからなると考えた。
一般因子が高ければ知的課題も全般的に成績がよいが、低ければ知的課題は成績もふるわない。
○サーストンの多因子説(multi-factor theory)
サーストン (Thurstone, L.L.)は、知的課題の結果の因子分析によって7つの知能因子(①言語、②語の流暢性、③空間、④数、⑤記憶、⑥機能的推理、⑦知覚)を発見し、それぞれの因子は独立していると考えた。
スピアマンの「すべての知的課題に共通する一般因子」という考えを批判した。
○ギルフォードの立体モデル (3 dimensional cubical model)
ギルフォード(Guilford, J.P.)は、情報処理プロセスに注目し、情報内容4種類、 情報操作5種類、情報処理結果6種類の4×5×6=120通りの知能があると考えた。
拡散的思考(divergent thinking)とは、可能性を広げていき、1つの質問に対して多くの答えを生み出すような思考のタイプ。
収束的思考(convergent thinking)とは、可能性をまとめあげ、1つの質問に対してあらかじめ決まった正解を求めるような思考のタイプ。
○キャッテルの流動性知能・結晶性知能
キャッテル(Cattel, R.B.)は、新たな場面への適応に必要な知能である流動性知能(fluid intelligence)と、経験や学習によって獲得した知能や技術で構成される結晶性知能 (crystallized intelligence)を見出した。
流動性知能は加齢とともに衰えていくが、一方で結晶性知能は上昇を続けると考えられている。