講釈師七代伽藍のチラシ裏

【伽藍のデザイン】


中を開けたらがらんどう、という意味で伽藍。
がらんどう:中に何もはいっていない、また、だれも居ないさま。がらんとして広いこと。
口八丁手八丁に話を進めていくが企図も真意もさしてない、というスタンスで決めたかったので名前と字面先行で役を作った。
講釈師という肩書きは、この人がモノローグや狂言回しをする上で独白に講釈調を使えるのが都合がいいから。
性別に関してはボイコネの仕様上、男性になっているが別にどちらでもいい。
むしろ女性の方が、ありがちな紋切り型の飄々としたキザっぽい男、みたくならず
個人差が発揮されやすいため、適性は高いのかもしれない。
一人称を使わせない、というマイ・ルールがあるので伽藍のセリフが出ると話が見えづらくなる素敵性能がある。ステルス・ケムマキ・マシーン。
名前のイントネーションはバランでも花壇でもお好きなように。
大体のシナリオで名前を呼んでくれるのは人見だけだし。

【人見のデザイン】


由来は人身御供。
人身御供:いけにえとして人身を神に供えること。そのいけにえとなる人。比喩的に、他人の欲望を満たすために犠牲となる人。

よって、大体どの話でも巻き込まれ役。
巻き込まれるにしてもいわゆる「やれやれ……」系ではなく
来るもの拒まず去るもの追わずを基本とし、面倒なコトや輩は
一旦ゲンコツで叩いてくれる便利屋。
「やれやれ……」系を全部ぶん殴ってくれ。

筋金入りの柄の悪いゴロツキではなく、酒の肴に純文学を貸本屋で借りて
牛歩で読むようなインテリゴロツキ(?)のイメージ。
人見のモノローグの一人称が私なのは、テンポ感のメリハリをつける構造上の理由以外にこの辺の設定もあります。

くう・ねる・あそぶを自然体でできる人って魅力的だなと思う。

【小夜のデザイン】


シナリオにおいて女性キャラはどうしてもたおやかになり
誰かを愛したり愛しんだり悪者に攫われたりしがちなので
どの男性キャラクターよりも金に執着する
現実主義で切れ味のある女性にしたかった。
アイデンティティに関するような台詞が多いのもそのため。

名前の由来はみつどもえの三人が晴、雲、と天候に準えてるので
じゃあちょっと離れてるけど類似、とりあえず夜、と安易に
小夜に決まり、そのまま。

凄い美人で全方面からチヤホヤされるような女より
顔60点体80点みたいな都合のいい女の方が話映えすると思うし
そういうところに男と虫は寄ってくると思う。

使い勝手の良さと台詞回しの兼ね合いから
出演回数最多になりそうな予感がしている。

【みつどもえのチラシの裏】

後味の悪いドタバタコメディを聴きたかったから書いた。
屈託のないストレートな笑い、コメディも好きなのだけど
少し湿ったような滑稽と哀愁のあるコメディはもっと好き。

これコメディなのか……というリアクションをいただいたが
コメディじゃないか?どうなの?

東郷の家作(他人に貸して収入を得るための家)の
いかにもちょんの間のような描写がお気に入り。

誰かが誰かの問題に顔を突っ込んで見事解決になることはごく稀で
ほとんどは引っ掻き回すだけ回して悪化させて終わるのが世の常だと思う。

【東郷晴哉のデザイン】


僕ァ無茶振りするから、そっち(演者さん)で好きにやってくれ。それが本懐だ。

名前の由来は昭和初期の怪人(?)野口晴哉氏から。
ただし氏とは名前以外、何の関係もない。
デザインやイメージが立っている役がそう在るために
なんでも演ってくれる立っていない役が必要なのではないかと思う。

【東郷早雲のデザイン】

東郷平八郎みたいな渋いオジサマが息子の婚約者に手を出す
というのがみつどもえのキャラ設定のキック・オフだったのでそのまま東郷。
息子晴哉と相反するから雨か雲にしよう→じゃあ北条早雲の早雲で。

【くすりぐいのチラシの裏】

人を食った奴と人を食った奴が人を食ったのか食ってないのかぐるぐる回る話。
伏線を張り巡らし、結局何一つ回収しない。回収したらつまらなくなると思う。

お話のディティールを味わいたいのならば小説の方がいいし
なんなら映像ならもっといい。
声劇のいいところの一つは「音は響いたら消える」というところだと思う。

【薬師のデザイン】

紺色の蛇目の面のギミックが九割。このシーンをやりたかった。
エンジイロノシチブサムエという演者を噛ませるための
呪いがかかった衣装を装備している。
後半の伽藍と薬師のやりとりがこの話の本体です。
ボイコネの設定上、女性で配役を立てているが
性別は不問。年齢も不問。多種多様な薬師が聞きたい。最後のシーンだけでも。

【くるいざきのチラシの裏】

ルビさえ振れば、「いっちゃうの〜」というセリフさえ
合法的に言わせられるんだぜ?という意欲作。
せめて最後くらいは美しくしようという悪あがきが見て取れる。

音(セリフ)だけでどれだけ情景を描けるかという試みでもある。
煌々と燃えるような真紅の桜を音だけで私に見せてくれる人見を求めている。

それにしても首絞められるのが好きな人って多いよね。どうかしてる。
あれやりすぎるとマジで脳がバカになるから気をつけてほしい。


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