幻覚や妄想の捉え方④
幻覚や妄想は、発病のときに現れて、治療によって改善すると思われています。その誤解を、少し解いておこうと思います。
ア、幻覚や妄想は、サポートさえあれば、自然に回復します。
イ、幻覚や妄想の治療に使われる薬剤(抗精神病薬)の副作用に、幻覚、妄想があります。
ウ、抗精神病薬をのんでも幻覚や妄想が改善しないのは、薬が合っていない、足りないのでなく、幻覚や妄想が現れる原因にアプローチしていないからです。
ア、とイ、については、同タイトル②と③に書きました。
今回はウ、抗精神病薬をのんでも幻覚や妄想が改善しないのは、薬が合っていない、足りないのでなく、幻覚や妄想が現れる原因にアプローチしていないから、について、書きます。
③で、抗精神病薬等の副作用としての幻覚、妄想のことを書きました。では、薬を飲んでいない場合はどうなの?やはり、病状としての幻覚、妄想が存在するじゃないの?!と思うでしょう。
屁理屈のように思うかも知れませんが、この幻覚や妄想を、病状(病気の症状)と捉えるならば、病気だから治療が必要、ということになりがちです。しかし、病状ではなく、サイン(合図)と捉えるならば、何を自分知らせようとしているのか?何が問題なのか?と掘り下げることになります。
私は、最も多いサインは、「現実と理想のギャップを埋められない」「現実を受け止め切れない」ということではないかと思います。受験の失敗、失恋、裏切り、いじめなどがそのきっかけになることが多いのです。ただし、現実が受け止めきれない人が、みんな幻覚や妄想を体験するわけではありません。そこには、その人の生まれてからその時点までの育ち、考え方、周りの環境の影響などが関係します。たとえば、受験に失敗したといっても、ダメ元で受験して、「ははは、やっぱり無理だったー」と笑い飛ばせるのと、合格間違いなしと言われていたのとでは、ショックの度合いも違います。ですが、そんなことは、あまり大きな要素ではありません。本人と、周りの人の、思考のしなやかさ、視野の広がり、そんなことが大きいように思います。
標準治療しか知らない人は、あまりご存知ないかもしれませんが、そうでなければ、幻覚や妄想も、身体を治すことで、かなり回復可能だということを知っているでしょう。糖質過多、ミネラル不足、良質のたんぱく質や油の不足など。しかし、これらをきっちり整えても、なかなか回復しない人もいます。
このサインは、自分に何を知らせようとしているのか?ここで一度立ち止まって、何かを変えろと言っているのではないか?そう問いかけることが必要なのかも知れません。
次は、幻覚や妄想からの回復に役立ちそうなものを考えてみます。
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