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美しい旅の経験

先日、知り合いの方から過去ネパールに旅行した時の体験を聞く機会がありました。ネパールについて殆ど知識がなかった私にとってはとても興味深い内容でした。

異国の地の話を見聞きするのは大好きです。ロックダウンの影響もあって国をまたいでの移動も簡単ではなくなっている昨今、旅の話を聞くだけでも幾分か開放的な気分になれました。せっかくなので、皆さんにもそのお話をシェアしてみたいと思います。

今回伺ったのは、ネパールのアンナプルナ・サーキットと言われる、アンナプルナ山脈をぐるっと周るトレッキングについてのお話でした。アンナプルナはヒマラヤ山脈の中央に連なっており、最も高い第1峰は標高世界第10位を誇ります(8,091m)。

このアンナプルナ、環境の過酷さから8,000m級峰の中では最も登頂者が少なく、また死亡率は高くなっており、死亡率ではエベレストよりも登頂が難しいとされるK2をも上回っています。そんな恐るべき山脈ですが、トレッキングは本格的な山岳用の装備は必要ないと話していました(※エベレスト登頂並の装備は不要という意味で何の準備も必要ないという意味ではない)。

とはいえ、5000メートル級の峠を越えるコースを2週間の日程で毎日早朝4時から一日中歩いて移動していたという事なので、体力のあるうちでないと挑戦できそうにありません。日本からのツアー案内を見ていると、普段から登山に慣れている事や体力づくりをしている事が前提条件になっていました(ルートによっては初心者向けのコースもあるようです)。

ヒマラヤ山脈に囲まれながらのトレッキングは、写真からは到底伝えられない迫力と話していました。標高8000メートルと数字で言われてもいまひとつぴんとこないのですが、この高さを超えるエリアは「デスゾーン」と呼ばれており、ここにいるだけで生物は徐々に死にゆくという恐るべき場所。デスゾーンって何か知ってる?と聞かれて私は森林限界かと思ってしまったのですが、森林限界は地域によって差があるものの1000~3800メートルらしいです。8000メートルよりずっと低いですね。デスゾーンで遭難死してしまうと遺体の回収すらままならないため、過去に亡くなった方の躯がそのまま残されており、登山者はその躯を目の当たりにしながら進まなくてはなりません。それでも人は頂上を目指す…なんだかすごい世界です。

トレッキングのルートは岩やじゃりが多く、まるで月面のようだと話していました。トレッキング中道に迷ってしまい、たまたま通りがかった現地の人に誘われて彼らの宿で休憩をとれたらしいのですが、その直後に現地の方いわく6年ぶりという豪雨に遭遇して驚いた様子がビデオに収められていました。自然の中に入っていく以上、どんなに準備をしていても不測の事態は起こり得ること。実際、2014年には吹雪と雪崩に見舞われた事による大規模な事故も発生しており、現地のガイド含む多くの方が命を落としています。現地の方に発見してもらわなかったら…と振り返っていました。

それにしても、2週間もかけてじっくり旅ができるなんて羨ましい話です。私もこれまでの旅行先でたくさんの海外ツーリストに逢いましたが、皆数か月かけてあちこちを旅しているような人たちばかりでした。彼らはうまく仕事とプライベートの充実をとって、人生を楽しんでいるように思えます。

皆さんは印象深い旅の思い出はありますか?また、入り浸ってしまうようなお気に入りの場所はあるでしょうか?

旅のお話を聞くと、また自分も旅に出たくなりますね。

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